RPAツールとは?できること・種類・選び方をわかりやすく解説

RPAツールとは、パソコン上で人が行っている定型作業を、ソフトウェアロボットが代行する業務自動化ツールです。
Web
システムへのログイン、データの取得、Excelへの転記、メール送信、帳票作成など、手順が決まっている繰り返し作業の自動化に向いています。

RPAは、複数のシステムやアプリをまたいだ操作を自動化できる点が特徴です。Excelマクロが主にExcel内の処理を対象とするのに対し、RPAはブラウザ、基幹システム、メールソフト、フォルダ内のファイルなどを組み合わせた一連の業務にも対応できます。

一方で、都度判断が必要な業務や、例外処理が多い業務には向かない場合があります。そのため、RPAツールを選ぶ際は、機能の多さだけでなく、自社の業務に合うか、既存システムと連携できるか、導入後の運用・保守を続けられるかを確認することが重要です。

RPAツールとは

RPAツール(Robotic Process Automation)とは、PCで行う定型作業をソフトウェアのロボットが自動実行する業務自動化ツールで、主な特徴は以下の3点です。

  • プログラミング不要で導入できる
  • 複数システムをまたいだ操作に対応している
  • 24時間365日稼働できる

人手不足や働き方改革・DX推進などを背景に、定型業務をロボットに任せて人員をより付加価値の高いコア業務へシフトする手段として、業種・規模を問わず導入が広がっています。

RPAツールで自動化できる主な業務

RPAツールは、手順が決まっており、繰り返し発生するパソコン作業の自動化に向いています。代表的な業務は以下のとおりです。

  • Webシステムからのデータ取得
  • Excelや基幹システムへのデータ入力・転記
  • メールの送受信や添付ファイルの保存
  • 帳票・レポートの作成
  • 複数システム間のデータ連携
  • OCRやAIと組み合わせた紙帳票・非定型データの処理

RPAは、人が画面上で行うクリック、入力、コピー&ペースト、ファイル保存などの操作を、あらかじめ設定した手順に沿って実行します。そのため、受発注処理、勤怠データの確認、請求書処理、在庫データの更新、レポート作成など、部門を問わずさまざまな定型業務に活用できます。

ただし、紙帳票の文字を読み取る処理はOCR、文章の要約や判断を支援する処理は生成AIなど、RPA以外の技術が必要になる場合もあります。RPAは、それらのツールで取得・変換したデータをシステムに登録したり、次の処理につなげたりする役割を担うと考えるとわかりやすいでしょう。

OCRや生成AIなどと組み合わせたRPAの活用については下記の記事もご参考ください。

ChatGPT×RPAで業務自動化を促進!具体的な活用法や導入ステップを解説

AI-OCR×RPAで業務を自動化!導入メリットと活用事例を解説

Webシステムからのデータ取得

RPAツールは、Webシステムにログインし、必要なデータを取得する作業を自動化できます。
たとえば、取引先のWebEDIや受発注システムにアクセスして注文データをダウンロードする、ECモールの管理画面から売上データを取得する、クラウドサービス上の一覧画面から必要な情報を収集するといった使い方が考えられます。
毎日決まった時間に同じWebシステムへアクセスし、同じ手順でデータを取得している場合、RPAによる自動化の対象になりやすい業務です。担当者が手作業でログインやダウンロードを繰り返す必要がなくなるため、作業時間の削減や取得漏れの防止につながります。

Excelや基幹システムへのデータ入力・転記

RPAツールは、ExcelやCSVファイルの内容を読み取り、基幹システムや業務アプリケーションへ入力・転記する作業にも活用できます。
たとえば、受注データを販売管理システムへ登録する、勤怠データを集計用のExcelに転記する、請求情報を会計システムへ入力するなど、複数の画面やファイルを見比べながら行っている作業が対象になります。
手作業による入力やコピー&ペーストは、件数が多いほどミスや漏れが発生しやすくなります。RPAを活用すれば、あらかじめ設定したルールに沿って同じ手順で処理できるため、転記作業の負担軽減と作業品質の安定化が期待できます。

メールの送受信や添付ファイルの保存

RPAツールは、メールの受信確認や添付ファイルの保存、定型メールの送信といった作業にも対応できます。
たとえば、特定の件名や送信元のメールを確認し、添付ファイルを指定フォルダに保存する、保存したファイル名をルールに沿って変更する、処理完了後に関係者へメールを送信するといった一連の流れを自動化できます。
メールを起点とする業務は、受注処理、請求書処理、問い合わせ対応、社内申請など、さまざまな部門で発生します。RPAを活用することで、担当者がメールを開いて内容を確認し、ファイルを保存・転記する手間を減らせます。
ただし、メール本文の内容を柔軟に解釈して判断する必要がある場合は、RPAだけでは対応が難しいこともあります。その場合は、生成AIや他のシステムとの連携も含めて検討するとよいでしょう。

帳票・レポートの作成

RPAツールは、定期的に作成する帳票やレポートの作成業務にも活用できます。
たとえば、複数のシステムから売上データや在庫データを取得し、Excelの決まったフォーマットに貼り付ける、集計結果をPDF化する、作成したレポートを関係者へメール送付する、といった作業を自動化できます。
毎日・毎週・毎月のように決まったタイミングで発生するレポート作成は、RPAと相性のよい業務です。担当者がデータ収集や整形に時間をかける必要がなくなれば、集計結果の確認や分析、改善施策の検討に時間を使いやすくなります。
また、決まった手順でレポートを作成できるため、担当者ごとの作成方法のばらつきを抑えやすくなります。

複数システム間のデータ連携

RPAツールは、複数のシステムやアプリケーションをまたぐ業務の自動化にも活用できます。
たとえば、Webシステムから取得したデータをExcelで加工し、その結果を基幹システムへ登録する、販売管理システムの情報をもとに送り状発行システムへデータを入力する、クラウドサービスから取得したデータを社内システムへ反映するといった処理が考えられます。
API連携や専用インターフェースが用意されていない場合でも、人が画面上で行っている操作をRPAで再現することで、システム間のデータ受け渡しを自動化できる場合があります。
手作業で同じデータを複数のシステムに入力している場合、RPAを活用することで、二重入力の負担や転記ミスの削減につながります。

OCRやAIと組み合わせた紙帳票・非定型データの処理

RPAツールは、OCRやAIと組み合わせることで、紙帳票や非定型データを含む業務にも活用の幅を広げられます。
たとえば、OCRで請求書や注文書の文字情報を読み取り、そのデータをRPAが基幹システムへ入力する、生成AIでメール本文や問い合わせ内容を分類し、その結果に応じてRPAが次の処理を実行する、といった使い方が考えられます。
この場合、紙帳票の文字を読み取るのはOCR、文章の分類や要約を支援するのはAIであり、RPAは取得・変換されたデータをもとに、システム登録やファイル保存、メール送信などの後続処理を担います。
RPA単体では対応しにくい業務でも、OCRやAIと組み合わせることで、手作業が残りやすい入力・確認・振り分け業務の効率化につなげられる場合があります。

RPAツール導入で期待できる効果

RPAツールを導入すると、定型業務の工数削減だけでなく、入力ミスの防止や業務の標準化、担当者の負担軽減など、さまざまな効果が期待できます。
ただし、RPAはすべての業務に向いているわけではありません。効果を高めるには、繰り返し発生している作業や、手順が明確な業務から導入することが大切です。
ここでは、RPAツールの導入で期待できる主なメリットを5つに分けて解説します。

1. 定型業務の工数を削減できる

RPAツールの大きなメリットは、日々繰り返し発生する定型業務の工数を削減できることです。
たとえば、Webシステムからのデータ取得、Excelへの転記、メール送信、帳票作成、ファイル保存など、手順が決まっている作業をRPAに任せることで、担当者が手作業で対応する時間を減らせます。
特に、毎日・毎週・毎月のように定期的に発生する業務や、処理件数が多い業務では、削減効果が見えやすくなります。これまで数時間かけていた作業を短縮できれば、担当者は確認・判断・改善提案など、人が対応すべき業務に時間を使いやすくなります。
また、人手不足や採用難により人員を増やしにくい企業でも、既存の人員で対応できる業務量を増やしやすくなる点もメリットです。

2. 入力ミスや転記ミスを減らせる

RPAツールは、あらかじめ設定した手順に沿って処理を実行するため、手作業で発生しやすい入力ミスや転記ミスの削減に役立ちます。
人が作業する場合、件数が多い業務や、同じ操作を長時間繰り返す業務では、入力漏れ、桁違い、コピー範囲の誤り、ファイル添付の漏れなどが起こりやすくなります。RPAを活用すれば、決められた条件に沿って同じ処理を繰り返せるため、作業品質を一定に保ちやすくなります。
ただし、RPAに設定したルールそのものが誤っている場合は、誤った処理を繰り返してしまう可能性があります。そのため、導入時にはシナリオのテストや例外処理の設計を行い、運用開始後も定期的に処理結果を確認することが重要です。
RPAは、ミスを完全になくすものではなく、ミスが起こりやすい手作業を減らし、業務品質を安定させるための手段と考えるとよいでしょう。

3. 業務の標準化・属人化の解消につながる

RPAを導入する過程では、対象業務の手順を洗い出し、どの操作をどの順番で行うのかを明確にする必要があります。そのため、RPA導入は業務の標準化にもつながります。
これまで特定の担当者だけが把握していた作業手順をシナリオとして整理することで、「あの人しかできない」「担当者が休むと処理が止まる」といった属人化を防ぎやすくなります。
また、業務手順が可視化されることで、不要な確認作業や重複入力に気づきやすくなります。単に現在の作業を自動化するだけでなく、業務フローを見直すきっかけにもなるため、現場の改善活動にもつなげやすいでしょう。
担当者の異動や退職があった場合でも、手順がシナリオやドキュメントとして残っていれば、引き継ぎの負担を軽減できます。

4. 夜間・早朝などの時間帯も活用できる

RPAツールは、設定した時刻に処理を開始できるため、担当者が作業しづらい夜間や早朝の時間帯にも活用できます。
たとえば、前日分の売上データを早朝に集計する、深夜に月次データを処理する、始業前に必要なファイルを取得しておく、といった使い方が可能です。担当者が出社してから手作業で処理を始める必要がなくなるため、業務開始時点で必要なデータを確認できる状態に整えやすくなります。
また、処理に時間がかかる業務を営業時間外に実行できれば、日中の作業負担を減らせます。人が対応しなくてもよい処理をRPAに任せることで、担当者は顧客対応や確認作業など、日中に優先すべき業務へ集中しやすくなります。
ただし、夜間・早朝に自動実行する場合は、エラー発生時の通知方法や、処理が止まった場合の対応ルールもあらかじめ決めておくことが大切です。

5. DX推進の土台づくりに役立つ

RPAツールは、目の前の作業を効率化するだけでなく、DX推進の土台づくりにも役立ちます。
たとえば、紙やFAX、メール添付ファイルを起点とした業務では、必要なデータが人の手作業によって転記・整理されているケースがあります。RPAを活用してデータの取得、入力、保存、共有といった処理を自動化すれば、業務データを扱いやすい形で蓄積しやすくなります。
さらに、OCRAIBIツールなどと組み合わせることで、紙帳票のデータ化、定型判断の支援、集計・分析の効率化といった取り組みにも発展させやすくなります。
RPAは、いきなり大規模なDXを進めるためのものではなく、まずは現場の定型業務を見直し、小さな自動化の成果を積み上げるための手段として活用できます。こうした成功体験をもとに、他部門への展開や業務プロセス全体の改善につなげていくことが重要です。

関連記事:DX推進とRPAはどう関係する?RPA×AIで実現するDXとは?

RPAツール導入のデメリット・注意点

導入を成功させるために押さえておきたい注意点は以下の4点です。

  • 導入・運用に一定の工数がかかる
  • 業務整理をしないまま導入すると、非効率な手順が残る
  • 保守担当の属人化リスク
  • RPA単体では対応できない業務の存在

RPAツールは多くのメリットをもたらす一方、導入前に把握しておくべき課題があることも理解しておく必要があります。

導入・運用に一定の工数がかかる

RPAの導入には、自動化対象業務の選定・シナリオ(作業手順の設定)の構築・テストといった準備工数がかかります。

運用開始後も、業務フローの変更や利用システムのアップデートに合わせたシナリオの修正が必要です。そのため、まずはスモールスタートで1〜2業務に絞って試験導入し、効果を確認しながら段階的に広げていくアプローチが有効です。

また、ベンダーの伴走支援を活用することでも導入初期の負担を大きく軽減できるでしょう。

業務整理をしないまま導入すると、非効率な手順が残る

RPAは、あらかじめ設定した手順を正確に繰り返すツールです。そのため、業務フローそのものに不要な確認作業や重複入力が残っている場合、それらの手順まで自動化してしまうことがあります。

自動化によって作業時間は短縮できても、根本的な業務改善につながらない場合があるため、導入前に業務フローを可視化し、不要な作業や統合できる工程がないかを確認しておくことが大切です。

RPAは、単に今ある作業をロボットに置き換えるだけでなく、業務の見直しとあわせて導入することで効果を発揮しやすくなります。

保守担当の属人化リスク

RPAシナリオの作成・管理できる担当者が限られると、「RPA担当者しかロボットの中身が分からない」という新たな属人化が起こります。

担当者が異動・退職した際に、修正や改善が止まってしまうことにもなりかねません。このような状態に陥らないための対策として、以下の3点が有効です。

  • シナリオの内容や設定意図をドキュメント化する
  • 複数名でシナリオをレビューする体制を整える
  • RPA担当者を育成・分散する社内教育を実施する

RPA単体では対応できない業務の存在

RPAは定型・反復業務を得意とする一方、以下のような業務への適用は難しい場合があります。

  • 高度な判断や推論が必要な非定型業務
  • 画面のレイアウトや仕様が頻繁に変わるシステムへの依存業務
  • 処理量が少なく自動化コストが見合わない業務

このような業務には、生成AIやワークフローシステムとの組み合わせが有効です。RPAをあらゆる業務の万能ツールとして捉えるのではなく、得意・不得意を踏まえた使い分けや、他ツールとの連携・分担も検討しましょう。

RPAツールの種類

RPAツールは、導入形態によって主に「デスクトップ型」「サーバー型」「クラウド型」に分けられます。それぞれ管理方法や費用感、向いている企業規模が異なるため、自社の利用範囲や運用体制に合わせて選ぶことが大切です。

種類

特徴

向いている企業規模

価格帯目安

デスクトップ型

個人PCにインストールして使用する
導入が手軽

小規模・個人利用

数万〜十数万円/

サーバー型

サーバー上で一元管理
複数部署での大規模展開が可能

中〜大規模

数十万〜数百万円/

クラウド型

インターネット経由で利用
初期費用が低くスモールスタート向き

小〜中規模

月額数万円〜

まずは小規模な業務から試したい場合は、デスクトップ型やクラウド型が候補になります。一方、複数部署での利用や全社展開を見据える場合は、管理機能や権限設定に対応したサーバー型も検討対象になります。

RPAツールの選び方

RPAツールは、導入形態だけでなく、自動化したい業務内容や既存システムとの相性、導入後の運用体制まで含めて選ぶ必要があります。
ここでは、RPAツールを比較・検討する際に確認したい7つのポイントを解説します。

  1. 自社業務に必要な機能があるか
  2. 同じ業種・業務での導入実績があるか
  3. 既存システムと連携できるか
  4. サポート体制は十分か
  5. セキュリティ要件を満たしているか
  6. 将来的な拡張に対応できるか
  7. 費用対効果が見合うか自社業務に必要な機能の有無

1. 自社業務に必要な機能があるか

自動化したい業務に必要な機能がそろっているかを最初に確認しましょう。Excelへのコピーペースト・Webブラウザ操作・特定アプリへのログイン・メール送受信など、日々の業務で頻繁に行っている操作に対応しているかどうかを洗い出すことが重要です。
機能の過不足は導入後のシナリオ設計に直接影響するため、ベンダーにデモ操作や無料トライアルを依頼するなど、実際の業務フローで動作確認しておくことをおすすめします。

2. 同じ業種・業務での導入実績があるか

同じ業種・同じ業務でRPAを導入した実績があるベンダーを選ぶと、現場への定着がスムーズになります。
製造業・金融・医療・物流など業種ごとに特有の業務フローがあり、業界知見のあるベンダーほどシナリオ設計のノウハウを蓄積しているためです。ベンダーの公式サイトに掲載されている導入事例を確認するほか、同業他社の担当者へのヒアリングも有効な情報収集手段です。
「自社と規模・業種が近い事例があるか」を判断基準のひとつに加えましょう。

3. 既存システムと連携できるか

既存の社内システムやソフトウェアとスムーズに連携できるかを事前に確認しましょう。
APIに対応しているかどうかが連携の可否を左右するケースが多いため、IT担当者と連携しながら技術的な適合性を確かめることが重要です。レガシーシステム(古い基幹システム)を利用している企業は、画面操作ベースでの連携可否もベンダーに確認しておくと安心です。
既存システムとの連携可否は後から変更しにくい要件のため、必ず選定前に検証しておくことをおすすめします。

4. サポート体制は十分か

RPA導入後に問題が発生した場合に、頼れるサポート体制が整っているかどうかも重要な選定基準です。
ヘルプデスクの設置状況・ユーザーフォーラム・ナレッジベースなどの充実度はベンダーによって大きく異なります。オンサイト支援やオンライン研修など、担当者が自走できるようになるまでの育成支援が充実しているほど、導入後の定着率が高まる傾向があるため、契約前にサポートの対応時間・範囲・追加費用の有無も確認しておきましょう。

5. セキュリティ要件を満たしているか

業務データを扱うRPAツールには十分なセキュリティ対応が求められるため、選定時には以下の3点をチェックしましょう。

  • アクセス権限管理(担当者ごとに操作範囲を制限できるか)
  • パスワード・認証情報の暗号化対応
  • 監査ログの取得・保存機能の有無

特に個人情報や機密情報を扱う業務に適用する場合は、自社のセキュリティポリシーとの適合性を確認することが必須です。
また、クラウド型のツールを使う際は、データの保存場所や外部送信の有無もあわせて把握しておきましょう。

6. 将来的な拡張に対応できるか

まず小規模で導入して、将来的に複数部署・全社へ展開できるかどうかも見据えて選定することが重要です。具体的には以下のような点が挙げられます。

  • ライセンス形態(ロボット台数に応じた追加費用の有無)
  • 処理量の増加に対応できるスケーラビリティ
  • バージョンアップ時の既存シナリオへの互換性

スモールスタートで始めた後、スケールアップの際にコストが跳ね上がるケースもあるため、長期的な費用構造を把握したうえで選びましょう。

7. 費用対効果が見合うか

初期費用だけでなく、運用費用・ライセンス更新費・追加サポート費用を含めたトータルコストで費用対効果を判断しましょう。
導入前に以下の計算式でROIを試算しておくと、投資判断の根拠として活用できます。

削減工数(時間)× 時給単価 × 年間稼働日数 = 年間削減コストの目安

また、効果測定には以下の指標を設定しておくと、継続的な改善がしやすくなります。

  • 残業時間の削減数
  • エラー件数の削減数(または削減率)
  • シナリオ1本あたりの処理件数
  • 人件費の削減効果

RPAツール導入を成功させる4つのステップ

RPAツールの導入を成功させるには、以下の4ステップで段階的に進めることが重要です。

  • STEP1:対象業務の選定・整理
  • STEP2:業務シナリオの策定
  • STEP3:実証実験と効果検証
  • STEP4:本格導入と全社展開

一度に全業務を自動化しようとせず、まずはスモールスタートで始め、成果と課題を確認しながら徐々に適用範囲を広げていくアプローチが有効です。

STEP1:対象業務の選定・整理

最初に「どの業務をRPAで自動化するか」を整理します。すべての業務が自動化に向いているわけではないため、以下の判断基準で対象業務を絞り込みましょう。

  • 繰り返し頻度が高い(毎日・毎週発生する)
  • 手順をルールとして明文化できる
  • 処理件数が多く工数負担が大きい
  • 手作業によるエラーが発生しやすい

この条件に当てはまる業務ほどRPAによる効果が出やすく、費用対効果の高い自動化が実現しやすくなります。

STEP2:業務シナリオの策定

自動化する業務が決まったら、RPAを適用する操作手順をシナリオとして設計します。
シナリオ策定時には以下の点に注意しましょう。

  • 一度にすべての操作を自動化しようとしない
  • ステップごとに動作確認を行い、問題があれば都度修正する
  • 例外処理(エラーが起きたときの対応)もあらかじめ設計しておく

対象範囲を絞って小さく作り、検証を重ねながら完成度を高めていくことが重要です。

STEP3:実証実験と検証

シナリオが完成したら、本番環境に移行する前に小規模での実証実験を行います。無料トライアルを活用して費用対効果を確認してから本格導入に進むことで、投資リスクを最小化できます。
実際の検証時には以下の指標を測定しましょう。

  • 処理時間の削減量(手作業との比較)
  • エラー件数・発生率の変化
  • 削減工数から試算した費用対効果

数字で効果を把握することで、次のステップへの判断がより明確になります。

STEP4:本格導入と全社展開

実証実験で効果が確認できたら、対象業務や範囲を拡大して本格導入に移行します。
同時に、その後の全社展開を見据えて以下の事項を整理しておきましょう。

  • 展開ロードマップの作成(どの部署・業務から順に広げるか)
  • 社内推進体制の整備(RPA担当者・推進チームの設置)
  • 担当者向け教育計画の策定

「小さな成功事例を作ってから拡張する」という原則を守ることで、現場の納得感を得ながら段階的に導入範囲を広げられるでしょう。

RPAツール導入の成功事例

ここでは、RPAツールの活用イメージを具体的に把握できる導入事例を紹介します。取材時点は各事例によって異なりますが、定型業務の自動化、属人化の解消、処理時間の削減といった観点は、現在のRPA導入検討でも参考になります。

勤怠管理の自動化月間140時間の時短SDG株式会社)

SDG株式会社では、タイムカードの打刻漏れを手作業でチェックし、対象者に個別で連絡する業務が担当者の大きな負担になっていました。条件に該当するデータを毎回手動で抽出する工程は時間がかかるうえ、ヒューマンエラーによる連絡漏れのリスクもありました。

Autoジョブ名人を導入した結果、打刻漏れデータの自動抽出と注意喚起メールの自動送信を実現。この業務を含む計21業務をRPA化した結果、月間140時間の工数創出に成功しました。

さらに自動化の対象をさらに拡大することで、将来的には年間10,500時間の削減も見込まれており、業務の属人化解消と担当者の精神的な負担軽減という副次効果も得られています。

▶SDG株式会社のより詳しい事例はこちら

受発注業務の自動化でエラー件数を3分の1に削減(株式会社フランソア)

株式会社フランソアでは、受発注業務にフリーツールを使用していたため、操作に専門知識が必要でした。

取引先のWeb画面が変更されるたびに修正対応が発生し、特定の担当者への業務集中という属人化の問題も抱えており、作業ミスが発生した際の復旧にも多大な時間を要していたことで、業務全体の非効率が課題となっていました。

Autoジョブ名人を活用してWebEDI操作とメール受発注を自動化した結果、エラー件数が導入前の3分の1に削減。エラー発生時の復旧時間も大幅に短縮され、担当者が本来業務に集中できる環境が整いました。

効果を実感したことで、現在は人事・総務・経理業務への展開も進めています。

株式会社フランソアのより詳しい事例はこちら

診療実績データ集計を自動化し医療現場の負荷を軽減(大阪ブレストクリニック)

大阪ブレストクリニックでは、12名分の診療実績データをMLAから抽出してExcelに転記・集計する作業を、複数のスタッフが毎月46時間かけて手作業で行っていました。

医療現場では慢性的な人材不足が課題であり、こうした定型業務に費やす時間をより重要な医療業務に充てることが急務でした。スタッフごとに手順が異なるため、集計結果のばらつきも懸念されていました。

Autoジョブ名人によりデータ抽出・転記・集計を自動化し、最終確認のみ人手で対応できる体制に改善。スタッフが診察や患者対応などの本来業務に集中できる環境が整いました。

定型業務の自動化が現場の負荷軽減と医療サービスの質向上の両立につながった事例です。

医療法人英仁会大阪ブレストクリニックのより詳しい事例はこちら

3カ月で20業務を自動化しEC事業の基幹業務を効率化(有限会社Takumi

有限会社Takumiは複数のECモールを運営しており、受注管理システム・WMS(倉庫管理システム)・送り状発行システムなど複数システム間の連携を手作業で行う必要があり、担当者の業務負荷が増大していました。また、モールごとに異なるメール文面の管理も手間がかかり、対応ミスのリスクも見逃せない課題でした。

Autoジョブ名人を導入し、モール別のメール文面の自動差し替えを含む20業務を自動化。導入開始からわずか3カ月で20業務のRPA化を達成しました。

プログラムの経験がない担当者でも、ベンダーの伴走支援を活用することで自走化を実現できた事例であり、「人間がやらなくても良い仕事はRPAに任せる」という方針のもと、現在も自動化の範囲を拡大しています。

有限会社Takumi様のより詳しい事例はこちら

RPAツールに関するよくある質問

RPAツールの導入を検討する際によく寄せられる質問を7つまとめました。ツールの選定・費用・業務適性など、意思決定に役立つ情報、導入後の運用についての疑問もあわせて解説します。

RPAツールとAIはどう違いますか?

RPAは「あらかじめ決めたルール通りに業務を自動実行する」技術で、決められた手順の繰り返しを得意とします。

一方のAIは「データをもとに判断・学習・予測を行う」技術であり、非定型な業務にも対応できます。両者を組み合わせることで、定型業務の自動化から高度な判断を伴う業務まで対応範囲を広げられます。

RPAExcelマクロ・VBAは何が違いますか?

ExcelマクロはExcel内の操作に限定されるのに対し、RPAは複数のアプリやシステムをまたいで操作できる点が最大の違いです。

また、マクロの構築にはVBAというプログラミング言語の知識が必要ですが、多くのRPAツールはノーコードで操作できるため、非エンジニアでも扱いやすい点も異なります。

RPAに向いている業務・向いていない業務は何ですか?

RPAに向いている業務は「繰り返し発生する」「手順をルール化できる」「処理件数が多い」業務です。

一方、高度な判断が必要な非定型業務・画面仕様が頻繁に変わるシステム依存業務・件数が少なく自動化コストが見合わない業務は不向きです。導入前に業務の特性を整理しておくと良いでしょう。

RPA導入にプログラミング知識は必要ですか?

多くのRPAツールはノーコード・ローコードで操作できるため、プログラミングの知識がなくても導入・運用できます。

ただし、複数システムをまたいだ複雑なシナリオの構築やAPIを使った連携では、一定の技術的な知識が必要になる場合があります。まずはノーコードツールの無料トライアルで試してみることをおすすめします。

RPAの導入費用はどのくらいかかりますか?

ツールの種類によって費用感は異なりますが、デスクトップ型は数万〜十数万円/年、クラウド型は月額数万円程度、サーバー型は数十万〜数百万円/年が目安です。

初期費用だけでなくライセンス更新費・サポート費用を含めたトータルコストで比較することが重要ですが、正確な費用目安を知りたい場合はベンダーへ確認しましょう。

RPAツールを選ぶとき最初に何を確認すればよいですか?

まず「自動化したい業務の洗い出し」と「その業務に必要な機能の確認」の2点から始めましょう。

業務の繰り返し頻度・手順のルール化の可否・処理件数などを整理したうえでベンダーに相談することが近道です。詳しくは本記事の「RPAツールの選び方」をご参照ください。

中小企業でもRPAツールは導入できますか?

ノーコード・ローコード型RPAツールの普及により、IT専任担当者がいない中小企業でも導入しやすい環境が整っています。

1〜2業務からのスモールスタートが可能なため、初期投資を抑えながら効果を確かめられます。なお、IT導入補助金を活用することで費用を抑えられる場合もあるため、中小企業庁や各自治体の最新情報を確認してみましょう。

まとめ

RPAツールは、定型業務の工数削減や入力ミスの防止、業務の標準化に役立つ一方で、自社の業務内容や既存システムとの相性によって、適したツールや導入方法が異なります。
まずは、繰り返し発生している手作業を洗い出し、どの業務から自動化すると効果が出やすいかを整理することが大切です。
Web
システムを使った受発注業務やデータ入力業務の自動化を検討している場合は、Autoジョブ名人の無料トライアルで、自社業務に合うかを確認してみてください。

▶Autoジョブ名人の2か月無料トライアルはこちら

Autoジョブ名人の詳しい資料はこちら

関連記事

一覧に戻る

関連事例