株式会社フランソア 様

無償RPAからAutoジョブ名人への移行で安定稼働を実現
受発注を支えるスクリプト開発で気づいたサポートの大切さ

ソリューション:
  • RPA
対象製品:
  • Autoジョブ名人
  • Autoメール名人
業種:
  • 製造業

事例(PDF)

地元に愛されるパンメーカーの受発注を支える自動化に課題

  九州の人であれば誰もが知っているフランソアのパン。「健康とおいしさ」にこだわった同社のパンは、直営店やスーパーなどで販売されており、長らく地元で愛されている。九州内に4つの工場、8つの拠点を持ち、パートを含む1200名以上の従業員が、日々おいしいパンの製造と販売に心を砕いている。今回取材に応じてくれたのはフランソア管理本部の中野 幸輔氏と小池 謙治氏の2人。中野氏が所属する管理本部業務課はいわゆる電算オペレーションを担当しており、社内ではいわゆるRPAのユーザーにあたる。 一方、小池氏は基幹システムの運用管理から現場の業務改善までカバーするいわゆる情報システムに所属する。

同社の自動化の歴史はWebEDIの導入が増えてきた12~13年前にさかのぼる。パンの販売を中心にフランソアと取引のある得意先は100弱にのぼっているが、取引先ごとにWebEDIのシステムが異なっており、しかも受注、出荷、受領と1社につき3回ほどオペレーターによる操作が必要だった。「これだとオペレーターの負担が重すぎるということで自動化を進めることにしました」と中野氏は振り返る。

当時、同社が利用していたのは今で言うRPAのような自動処理をJavaScriptに近いプログラム言語で実現するフリーの自動化ソフトだった。自動化ツールにより、さまざまなWebEDIのオペレーションを自動化することが可能になり、200以上のスクリプトが10年以上に渡って同社の受発注業務を支えることとなった。

しかし、このツールは前述したように開発のためにプログラム言語のスキルが必要になるため敷居が高いという課題があった。それゆえWeb画面の変更の度にスクリプトを変更出来ないという弱点があった。うまくスクリプトが動かないと当然エラーが出てくるのだが、スクリプトを変更出来る者が限られていたため、一旦オペレーション業務を止めて手作業で処理をしなければならないためなかなか手を入れられなかった。「画面が止まるたびに、情シスに対応をお願いしなければならないのが心苦しかったので、自分たちでもメンテナンスしたかった。とはいえ、毎日のオペレーションを考えると、かなり便利にはなっていたのも事実。たまに止まるけど、長年手放せなかったというのがむしろ課題だったわけです」(中野氏)。  

安定度、サポートへの期待 モダンブラウザ対応という条件もクリア

課題はあったが、便利すぎるがゆえに、なかなか乗り換えられなかった自動化ツール。しかし、昨年はInternet Explorerのサポート切れがあり、新しいブラウザでスクリプトを作り直す必要が出てきた。しかし、すでに開発スキルは失われていたため、中野氏は動作が安定している有償RPA製品を探していたという。

 もともと中野氏は、情報システム課に所属していたという経緯があり、RPAについては当時から調べていたという。「ユーザックシステムは以前から知っており、RPA製品を導入できないかなと考えていました。Autoジョブ名人のデモを見たところ、そこまでスキルが高くなくても開発出来るのでは?と考えました」と中野氏は振り返る。開発のしやすさへの期待が大きかったわけだ。  

製品を検討していた2021年時点で、自動化ツールとして有力な選択肢として挙がったのが、実は出たばかりのマイクロソフトのPower Automate Desktopだった。ただ、動かなくなったときのサポートや動作に不安があり、最終的には導入に踏み切れなかったという。その点、ユーザックシステムは教育やサポート体制が安心できたのが大きかった。 Autoジョブ名人を選定したのは、WebEDIに強いという理由もあった。「RPA製品はいろいろありますが、WebEDIに強いとアピールしている製品は意外とありません。その分野でサポート頂けたのも大きいです」と中野氏は語る。

中野氏が情報システム課にAutoジョブ名人を提案したのは2022年初旬。「Internet Explorerのサポート切れ、ChromeやEdgeのようなモダンブラウザへの対応も行なわれていた。他社製品に比べてもリーズナブルでした」(小池氏)とのことで、情報システム課からもお墨付きを得て、4月にいよいよ本導入となった。

開発は容易に Autoメール名人の導入でメールでの受発注にも対応

 導入に関しては、既存のフリーソフトの自動化をそのまま移行する方針で進めた。ただ、スクリプトは200以上あったので、必要なものを選別するのに苦労した。「200近くあったスクリプトのうち、実際に移行したのは100くらい。ただ、マシンもOSも入れ替えましたし、実際はイチから作り直した感じです」(小池氏)。

 プログラム言語を記述する必要があった従来のツールに比べ、Autoジョブ名人は開発も容易になった。開発を手がけている小池氏は、「以前使っていたツールは、何回作っても正直むずかしかった。でも、Autoジョブ名人であれば1週間あれば確実に作れますね」と語る。

また、同社はAutoジョブ名人と同時にメール業務特化型RPAであるAutoメール名人も導入している。以前はマイクロソフトのメールクライアントであるOutlookやAccessを使って自動化していた。たとえば、特定の送信元から来たメールに添付されているファイルを、規定のフォルダに保存するといった処理を自動化していた。

Autoメール名人で行なっている自動化も基本的には同じだという。「取引先様の中にはWebEDIのサイトを持たず、メールでの受発注や、支払明細を送付してくる会社があります。こうした取引先様とのやりとりの自動化にAutoメール名人を使っています。」と語る。

基本、できることはOutlookと同じだが、Autoメール名人では開発を統合できるというメリットがあった。Outlookでの自動化ももともと10年以上前に作られたもので、送り先を登録したAccess、そしてスケジューラー同士を連携したものだった。Autoメール名人であれば、送信先DBもスケジューラーも統合されており、フロー形式で処理を作れるため、開発も容易になったという。

完全受注生産の命綱であるWebEDI エラー件数は導入前の1/3へ

 同社が自動化している業務は前述したWebEDIの操作が大半を占めている。取引先のサイトにWebブラウザからログインし、受注日や納品日など規定の項目を入力。CSVやテキスト形式の注文データをダウンロードし、特定のフォルダに格納するという処理だ。100近い取引先との間に、こうしたやりとりが最低でも1日1回、多いところで1日3回発生する。手作業でやれば約720分かかる。 最も時間のかかるお客様サイトでのデータ訂正作業は5取引先に10箇所の変更があればそれだけで約20分かかる。1回の作業は僅かでも取引先、回数が増えると他の業務を圧迫する工数となるのだ。  

受発注業務はビジネスの根幹をなす業務フローであり、多くの会社では1日たりとも止められない。特にフランソアの場合取引先からのオーダーを受け、2日後に納品するという完全受注生産で商品を提供している。そのため、受発注の安定性はまさに同社の命綱。「スーパー様は、特売スケジュールにあわせて2日後の注文数を調整されているので、その日に納品できなければ商品は要らなくなります。だから、注文を取り逃したら、信頼関係は終わってしまうのです」と中野氏は指摘する。小池氏も「止まるなんて、ありえないことです。最悪、手作業で注文データをダウンロードし、登録しなければなりません」と語る。  

その点、Autoジョブ名人導入の効果は、こうした受発注業務の自動化が大幅に安定したことだという。「フリーの自動化ツールを使っていた頃に比べて、エラー件数は1/3になり、エラーが起こった場合でも復旧にかかる時間はフリーの自動化ツールであれば30分程度かかることも少なくなかったが、Autoジョブ名人はたったの5分で済みました」と中野氏はアピールする。その大きな要因が、万が一エラーが起こってもAutoジョブ名人のドラレコ機能を使って、スピーディに復旧させることができているからだ。ドラレコ機能は名前の通り実行中のスクリプトの動作を録画しておくもの。「エラー原因の特定を迅速に行なえるので、トラブル対応にかかる時間を短縮できました」と小池氏は語る。

ユーザックシステムが重視しているカスタマーサクセスやサポート※の対応にも満足できたという。「メールでの対応でしたが、とてもレスポンスも速くて助かっています。できないことはできないとはっきり言ってもらえるので、かえってありがたいです」と小池氏は語る。 ※今回のサポートは、中四国九州のエリアパートナーである西日本オフィスメーション株式会社様にてご対応頂きました。

チャレンジしやすい月額単位でのサブスクを要望

フランソアの今後の展開としては、受発注以外の業務の自動化を拡げることだという。「人事、総務、経理、財務、営業などさまざまな部門で手作業があります。そういったところにRPAを導入して、業務を省力化していきたい」と小池氏は語る。また、「情報システム部門内でも属人化している業務があるので、それを改善するためにもRPAを進めたい。節約した時間を使って、経営に役立つデータの分析をやっていきたい」と意欲を示す。

こうした自動化をより推進するため、中野氏はユーザックシステムには1年単位ライセンス費用ではなく、月単位のサブスクリプションでの対応を要望している。「受発注以外の一部の自動化は(無償の)Power Automate Desktopで実現しているのですが、本当は安定性の高いAutoジョブ名人に移行移したいと思っています。現在は初期コストがかかるという理由で試せないのですが、難しそうならすぐ辞められるという月額のサブスクリプションであればハードルが低くなると思います」と中野氏は語る。

現在は開発環境が情報システム課にしかないが、今後は現場部門での開発も考えていきたいという。「現場の方もExcelなどを使っていますので、情シスとマンツーマンでやれば、覚えられると思います」と小池氏は語る。フランソアの業務自動化レベルは、安定したユーザックシステムのRPA導入で、さらにレベルを上げたと言えるだろう。 また、WebEDIは安定したRPAであれば『自動化に最適な業務』なのだとお分かり頂けたのではないだろうか。

企業プロフィール
会社名 株式会社フランソア
本社 811-0193 福岡県糟屋郡新宮町緑ケ浜3丁目1-1
設立 1951年3月26日
資本金 1億円
社員数 株式会社フランソア 1,202名(パート含む) フランソアグループ全体 2,258名(パート含む) ※2022年3月末現在
事業内容 パン・菓子などの製造・販売、セブンイレブンベンダー事業 焼きたてパン直営店、フランチャイズ事業、 惣菜の製造及び販売事業、花卉類販売事業
Webサイト https://corporate.francois.co.jp/

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