RPA導入でどんな効果が得られる?具体的な効果測定方法まで解説

人手不足・働き方改革によるテレワークの推進などを受け、業務の効率化を課題としている企業が増えています。主に、パソコンを使った事務業務の効率化に効果がある、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)の導入が進んだ理由はここにあります。導入にあたっては無料のRPAツールもありますが、それなりのコストをかけて導入する場合が多いのではないでしょうか。
その中で導入の投資対効果を求められ、業務を自動化した効果をどのように測るべきか、悩む人もいるのではないでしょうか。
本記事では、RPAを導入してどんな効果が得られるのか、効果の測定方法について解説していきます。

RPAとは?

RPAとは「ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)」の略で、人がパソコン上で行う業務を自動化できるツールのことです。
RPAはデジタルレイバーともいわれ、パソコン上での作業手順をシナリオ化し、自動的に作業を実行します。繰り返し作業や、決まったパターンで行う業務などの事務業務をRPAに任せることで、人は手間がかかる作業から解放されます。RPAは、24時間365日稼働が可能で、業務のミスを起こすことなく、迅速に処理を進めることができます。
RPAが注目されている理由としては、働き方改革への対応、生産性の向上があげられます。公益財団法人日本生産性本部によると、日本は他の先進国に比べ労働生産性が低いという現実があります。多くの企業で生産性の向上が求められており、RPAを導入する企業は増えているのです。

出典:公益財団法人日本生産性本部 日本の労働生産性の動向2022より(https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/trend_summary_2022.pdf)

RPAが効果的な業務

業務の生産性を向上させるRPAで効果が得やすい業務について、具体的に解説します。

パソコンを使った業務

パソコンを使った事務業務はほとんど自動化できます。データ入力や集計、ウェブサイトにある情報を検索・コピーし、システムに登録する、といった定型業務は、すべてRPAに任せることが可能です。

ルール化できる業務

作業手順が決まり切ったパターンでルール化・マニュアル化できる業務は、シナリオに起こし易いため、RPAで代行することができます。
反面、頻繁にルールが変わる業務や人による判断が求められる業務などは、RPAに任せても人による修正が必要になるため、向いていません。

繰り返しの多い業務

同じことを繰り返す業務も、RPAが得意とする業務にです。
毎回同じ内容を入力する業務やWebサイトを使った情報収集などが挙げられます。
同じ作業を繰り返す業務では、人はミスをしてしまったりストレスを感じますが、RPAはそういったことがありません。

RPA導入の目的

RPA導入の際には、導入後の効果測定を行うために、目的を明確に定めましょう。
どのような目的でRPAを導入するケースが多いのかについて説明します。

業務効率化

事務業務の中には、繰り返し業務や日々決まった業務といった定型業務に意外と時間をとられるものです。単純な作業であればRPAに任せ、効率をあげている事例は多くあります。

人件費の削減

人件費の削減も、RPAを導入する目的のひとつです。
RPA導入コストはかかるものの、業務をRPAにまかせることで、事務作業などにかかっていた人件費を削減することができます。

ヒューマンエラー防止

ヒューマンエラーを防止するために、RPAを導入する企業も多いです。
人の手で事務作業を行う場合、ミスが発生するケースも少なくありません。
業務量が多くなり、長時間の作業になると集中力が切れがちになり、ミスにつながりやすくなります。
ミスをすると、その修正に時間を割くことになり、工数がかかってしまいます。
RPAを活用すれば、正確に業務を進められるため、ミスが発生するリスクを最小限に抑えることができます。

働き方改革の推進

働き方改革が推進されている昨今、多くの企業にとって社員の残業時間を減らすことが課題となっています。
しかし、業務量が多く、思うように残業時間を減らせていない企業も少なくありません。
RPAの導入によって事務作業などを自動化し、社員の残業時間を減らすことで企業の働き方改革を推進することが可能です。

RPA導入による4つの効果

RPAを導入することで得られる4つの効果について、見ていきましょう。

業務プロセスの可視化

RPAを導入する際に、自動化する業務の棚卸しやフローを見直すことから、業務プロセスを把握することができます。RPAの導入をきっかけに、「その業務は必要か」「ほかにやり方があるのではないか」という改善に繋がったり、プロセスの順番を変えてスリム化したり、問題点を見つけることができます。

業務品質の向上

これまで人が行っていた事務作業をRPAに任せることで、エラーが起こる可能性が大幅に低くなり、業務品質が向上します。
業務担当者の負担を減らせる上に仕事の質が高まるため、社員やクライアント企業の満足度アップにもつながります。ヒューマンエラー防止によって、業務品質の向上の効果が得られるのです。

人手不足の解消

慢性的な人材不足は、多くの企業にとって課題となっています。
人手に頼っていたルーティンワークをRPAに置き換えることにより人手不足を解消できます。

顧客サービスの向上

RPAを活用することで、これまで事務業務に費やしていた時間・工数を大幅に削減できます。RPAで創出できた余力で、既存サービスの改善や新サービスの検討など、付加価値の高い業務に取り組むことができます。顧客満足度向上につながり、売上拡大も期待できます。

RPA導入の4つの注意点

業務効率や生産性の向上に役立つRPAですが、導入時には次の4点について把握しておきましょう。

導入コストがかかる

RPAを導入する際には、初期費用・月額費用・サポート費用などそれなりのコストが生じます。

突然業務が止まる可能性がある

システムに障害が発生したりバグが生じたりすると、RPAの業務が止まってしまうこともあります。

情報漏洩のリスクがある

RPAツールを、ネットワークを介して使う場合、社内の大切な情報が漏洩してしまうリスクがあります。
特に事務作業では、経理や顧客に関する情報を取り扱うことが多いため、情報が漏洩してしまうと多大な被害が発生する危険性があることを念頭に置いておきましょう。
セキュリティ対策としてRPAを扱うための権限付与は必要最低限としたり、ID・パスワードは暗号化して保存するなど、適切な策を講じておくことが重要です。

RPAの運用管理が属人化する可能性がある

RPAの運用や管理が特定の担当者に偏ってしまうケースでは、自動化シナリオのノウハウやスキルが展開されにくいことがあります。せっかくのRPAを多く業務で活用するためにも、情報共有は必要不可欠です。

RPAの効果測定

RPAによる効果を測定するためには、定量・定性の2つの基準をもとにする必要があります。効果測定をした上でRPAの運用を改善することで、より高い費用対効果が期待できます。

定量的効果の測定

RPAによって、年間を通して人件費がどの程度削減できたかを定量的に測る方法として、次のように算出できます。

年間で削減できた人件費=1件の処理にかかる時間×1年で処理できた件数×担当者の時給

また、この「年間で削減できた人件費」と「RPAの導入・運用にかかったコスト」を比較することで、費用対効果を測ることができます。

定性的効果の測定

RPAは、人的ミスの削減や業務の精度向上、処理スピードの向上が見込めます。これらは、顧客満足度の向上に貢献するだけでなく、業務担当者のストレス軽減、モチベーションの向上、離職リスクの低減にもつながります。RPA導入では、こうした数字に表れない定性的効果を把握することも重要です。RPA導入前に、現在の業務についてアンケート調査をするなどし、定性目標を明確にしておきます。

RPA導入の投資対効果を最大化するには

ユーザックシステムのRPA「Autoジョブ名人」では、業務効率効果を最大化し投資対効果を早期に出す支援プラン「カスタマーサクセスプラン」を提供しています。
自動化したい業務の洗い出しから、RPAの基本的な使い方や運用管理サポートなど、RPA導入・活用の伴走支援を行います。
カスタマーサクセスプランとは?→

RPA導入がゴールではなく、自動化の成果を出し続けるためにも定量面、定性面での効果を正しく把握し、社内で共有することをおすすめします。RPA活用による、業務効率化や改善のよいサイクルを定着させることが重要です。

RPAの導入事例

RPAはさまざまな業界で活用されており、どの業界においても、業務の効率化やコスト削減などを実現しています。

例えば、ある卸売業の導入事例では、RPA導入により受注業務や注文データの連携の自動化に成功しています。

この企業は、受注データを出力する業務に多大な手間がかかり、従業員に負担がかかっている状態でした。取り扱っている商品の種類が多いため、作業にかかる時間を減らすことができず、課題を解決できない状況でした。

そこで、ユーザックシステムの「Autoジョブ名人」で動作する「標準化スクリプト(シナリオ)」を導入し、運用を開始。

RPAツールを導入したことで、年間の作業にかかる時間を3,276時間削減できました。
また、人的ミスも解消され、社員のモチベーションの向上などの効果も確認されています。

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また、酒類や食品の総合卸売を行っているある商社では、月に5,000〜7,500ものファイルを人の手で業界標準のフォーマットへ変換していました。そのため、膨大な人的リソースがかかり、業務効率化を課題として抱えていました。

2015年にRPAを導入したことにより、出荷案件に関する業務の50%を自動化することに成功し、業務効率化や人件費の削減などを達成しました。また、社員のモチベーションが向上したこともRPAの導入により得られた効果として挙げられます。

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他にもさまざまな業界で活用されているRPAですが、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

その他の業種でのRPA導入事例を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【RPAの導入事例を業界別に紹介】

 

Autoジョブ名人紹介ページ

Autoメール名人紹介ページ

まとめ

RPAは、業務の効率化や人手不足の問題解決などが期待できるツールです。
データの入力や情報収集など、定型業務であればRPAにより自動化できます。

RPAにはさまざまなツールがあるため、自社に合ったものを選ぶのがポイントです。

ユーザックシステムでは「Autoジョブ名人」をはじめ、業務を効率化するソリューションを豊富にご提供中です。自社に合う商品がわからない、各商品の詳細を知りたい場合はお気軽に資料請求をお申し込みください。

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