
RPAで「業務を自動化する」とは?|RPAでできること、選び方、導入の手順など「完全ガイド」

RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウェアロボットによって定型業務を自動化し、業務効率化やコスト削減に大きく寄与する技術です。
現在、各業界でRPAが注目されている背景には、人手不足や働き方改革に伴う業務効率化のニーズがあります。従来、人間の手で行っていた単純作業や繰り返し作業をソフトウェアロボットに任せることで、正確かつスピーディに処理が可能です。これにより業務のミスが減り、人がより創造的な仕事へ時間を割ける体制づくりが期待できます。
本記事では、RPAの概要をはじめ、導入のメリット、RPAでできること、さらにツール選びや導入手順までを網羅的に取り上げます。
RPAは、人間が行うパソコン上のクリック操作やキーボード入力などをソフトウェアロボットが模倣し、作業を自動化できる仕組みを指します。現在、さまざまな業種や業務でRPAによる効率化が進んでおり、日本における慢性的な人手不足の解消策の一つとしても注目されています。加えて、24時間稼働が可能で作業ミスも削減できるため、企業活動全体のクオリティを向上させる大きな手段になると期待されています。
RPA導入の背景には、業務量の増加や働き方改革といった社会的要因があります。企業は、コスト削減に加えて従業員の労働環境を改善する方法としてRPAを取り入れ、現場の声を反映しながら段階的に適用を広げるケースが増えてきました。こうした動きは、生産性と品質向上の両立を実現する上で、RPAが今後も重要な位置づけを占めることを裏付けています。
RPAの定義と概要
RPAはソフトウェアロボットによって、繰り返しの事務作業を自動処理する技術です。具体的には、パソコン画面上でのクリックやコピー・ペーストなどの操作やファイルの移動といった一連の流れを“シナリオ”に落とし込み、シナリオ通りに業務を進めます。
RPAを用いることにより、定型的なデータ入力やWebサイトへの情報登録などは人の手を煩わせる必要がなくなります。
製造業やサービス業など、さまざまな業種でRPAの導入・活用が進んでいます。導入企業は主にスモールスタートでRPAを活用し、効果を検証しながらステップアップするケースが多く見られます。
RPAが注目される背景
近年、働き方改革や人手不足問題の深刻化により、労働時間削減や効率化が社会的課題になっています。こうした状況の中で、RPAは定型作業を代行する手段として脚光を浴びてきました。人間が行うよりも正確かつ迅速に処理を行うことで、企業は限られた人員をコア業務に集中させ、付加価値の高い仕事に注力することが可能になります。
従来の自動化との違い
従来の自動化手段としては、システム間をプログラムで連携させる方法や、マクロ開発などが利用されてきました。しかし、こうした方法では業務の属人化を生み、柔軟性に欠けたり、大規模な開発コストが掛かったりといった問題がありました。
RPAは人が行っている画面操作をシナリオ化して実行するため、既存システムを大きく改修することなく自動化を実現できます。システム担当者はもちろん、ITリテラシーがそれほど高くない業務担当者でも設定がしやすく、業務要件が変化しやすい状況でも柔軟に対応できる利点があります。

RPAの導入により期待できるメリットとして、以下が挙げられます。
- 業務効率化(生産性向上)
- エラー軽減と業務品質の安定化
- 従業員の負担軽減と付加価値業務へのシフト
- コスト最適化と人手不足への耐性強化
RPAの活用により、従業員は高付加価値の業務へシフトし、組織全体の成果を向上させる効果が期待できます。
業務効率化(生産性向上)
RPAを導入すると、繰り返し発生する定型業務を自動化できるため、処理時間を大幅に短縮できます。担当者の作業負担が軽減され、同じ人数でも対応できる業務量を増やしやすくなる点が大きなメリットです。
エラー軽減と業務品質の安定化
手作業のデータ入力や転記には、どれほど注意していてもミスが起こり得ます。RPAはルールやシナリオに基づいて同じ手順を再現するため、入力漏れ・誤入力・手順抜けを抑制し、業務品質を安定化させます。結果として、顧客対応や社内処理の信頼性向上にもつながります。
従業員の負担軽減と付加価値業務へのシフト
RPAが定型処理を担うことで、従業員は判断・改善・顧客対応など、人にしかできない業務へ時間を振り向けやすくなります。単純作業が減ることで心理的負担も軽くなり、生産性向上や働き方改革(残業抑制・業務平準化)にも寄与します。
コスト最適化と人手不足への耐性強化
RPAは人的リソースの不足を補う手段としても有効です。たとえば繁忙期の処理増や、時間帯に左右されない連続実行など、運用の工夫次第で業務の安定稼働を支えられます。その結果、外注・残業・採用コストの増加を抑えやすくなり、長期的なコスト最適化と事業継続性の強化につながります。

RPAは、定型業務(手順の決まった作業)を自動化できます。
たとえば、日常的に行われるデータ収集や入力、ファイルの取り扱いなどを効率化する際に、RPAはとても有効です。特にルールに沿って繰り返し行われる作業ならば、自動化によるメリットは大きくなります。
データ集計・登録
Excelや基幹システムに入力するデータをRPAで集計・登録すれば、ヒューマンエラーを回避しつつ作業時間を短縮することができます。複数のデータソースから情報をまとめて新しい帳票を作成するようなタスクでも、RPAなら正確かつ迅速にこなせます。その結果、報告書作成や分析作業をスピードアップさせ、ビジネスにおける意志決定を加速できます。
数値確認・突合せ
決算資料や在庫管理など、数値の整合性を確認する作業は非常に手間がかかるものです。RPAを活用すれば、システム間のデータを照合して差異を素早く特定し、人間が最終チェックをする段階まで自動化できます。エラーを見落とすリスクを減らし、作業スピードも格段に上がります。
情報収集やファイル共有
決められたタイミングでインターネット上の情報を集めたり、取引先システムからファイルをダウンロードしたりする作業にもRPAは有効です。RPAが日々のルーティンを代行することで、人間は収集した情報の分析や戦略立案に時間を割くことができます。のちのファイル整理やアクセス権管理の自動化まで組み込めば、より一層効率的な業務フローが完成します。
SNS口コミ収集
SNS上における製品やサービスの口コミは、企業にとって貴重なマーケティング情報です。RPAをを活用して、特定のキーワードを含む投稿をチェックし、日々の変化を追跡することが容易になります。顧客の生の声をタイムリーに収集することで、製品改善や販促計画の最適化に役立つでしょう。
日次レポート作成
毎日決まった書式で作成するレポート作成業務も、RPAが活躍する代表的な分野です。営業成績やサイトアクセス数など、必要なデータを自動取得し、定型フォーマットにまとめて報告することが可能です。人間は分析結果の考察に注力できるため、データドリブンな意思決定を行いやすくなります。
給与計算・勤怠管理
人事部門が担う給与計算や勤怠管理業務は、正確さが求められ、かつ、大量のデータ処理を要するため負担が大きいのが実情です。RPAならば、勤怠情報の取り込みから給与計算システムへの入力まで、自動化の範囲を広げることが可能です。不備があった場合だけ人間による確認を行うといった手順を整えることで、ミスゼロに近い精度と業務効率アップの両立を目指せます。
RPAは多様な業種・分野で導入が進んでいます。具体的な業務例を分野別に紹介します。
近年では、大企業だけでなく中小企業での利用も進んでいます。経理や人事などバックオフィス領域を中心に導入されるケースが多いですが、顧客管理や生産管理など、基幹システムに連携するような業務にも拡大しています。
人事系業務
採用管理や入退社手続きなどの人事業務では、各種申請書の作成、情報の入力など定型処理が多く発生します。RPAを活用すれば、申請書の書式チェックや必要項目の抜け漏れを防ぎながら自動で手続きを進めることが可能です。担当者の作業負荷を減らすだけでなく、入退社に伴う手続きのミスを極力排除したスムーズな業務運用が期待できます。
経理・財務系業務
請求書の取り込みや支払い処理などの経理業務は、正確な数値管理が不可欠であり、登録や突合せなどの反復作業に時間がかかっているケースが多いです。
RPAを活用すれば、請求書情報を読み込み、勘定科目や金額を自動入力するといった流れを自動化できます。財務諸表の作成や決算業務についても、一部タスクをRPAに任せることで、情報の整合性チェックを効率化しながらスピード感を持った経理業務が実現できます。
電子帳簿保存法の対応に関わる業務も、RPAで自動化できます。
事例はこちら→電帳法対応が業務効率化のきっかけに。メールでの取引業務を自動化
顧客管理や受発注業務
顧客情報の更新や受注・発注処理も、RPAが得意とする分野です。複数のシステムに登録する必要がある場合でも、RPAが同じ情報を各システムへ迅速に転記するシナリオを組めば、担当者は二重入力などの無駄な時間を削減できます。さらに、受発注状況を自動でレポート化することで、在庫管理や配送手配まで一貫したプロセスを最適化することが可能です。
受注業務の自動化事例はこちら→「Autoジョブ名人」とカスタマーサクセスプランで短期間のうちに受注業務の自動化に成功
出荷・在庫管理や請求書発行業務
小売や製造、倉庫、輸送などの業界では、出荷関連業務や在庫数量の把握、棚卸しなど、正確性と作業量の両面で負担を感じる作業が多くあります。RPAを利用すれば、出荷指示の連携やシステム内の在庫数を定期的に確認して必要なアクションを自動化し、リアルタイムに近い情報を常に維持することができます。また、顧客への請求書発行も決まったタイミングで自動化すれば、業務の抜け漏れを減らしつつ素早い締め処理が可能となるでしょう。
RPAツールにはさまざまなタイプがあります。導入規模や目的に沿ってRPA製品を選定することが重要です。
導入にあたっては、自社の業務規模や導入の目的を明確にし、どのツールが最適かを確認しましょう。
RPAの種類と特徴
多くのRPAツールはGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を採用し、プログラミング知識に不安があっても、RPAシナリオの設定が可能です。RPAツールによっては、カスタマイズ性の高かったり、AI連携に強みを持つものもありますので、目的に応じて選択します。
RPAは提供の形態による分類として、デスクトップ型、サーバー型、クラウド型やこれらの混合型が存在します。利用する端末数や管理方法、コストや利便性、その後の拡張性などが形態を選ぶ基準となります。
| 形態 | 概要 | 主な特長 | 向いている企業・用途 | 注意点 |
| デスクトップ型 | 個々のPC上でロボットを動かす | 導入が早い/小さく始めやすい/現場主導で進めやすい | 部門単位の業務効率化、スモールスタート(経理・総務・営業事務など) | PC依存になりやすい/台数が増えると管理負荷が上がる |
| サーバー型 | サーバー上で複数ロボットを集中管理し実行 | 集中管理しやすい/同時実行・大規模運用に強い/統制がしやすい | 全社展開、複数部門での運用、IT部門が主導するケース | 初期設計・構築が重い/費用が高くなりやすい |
| クラウド型 | RPA基盤自体をクラウドで提供 | 環境準備が軽い/アップデートが早い/拠点分散に強い | リモートワーク・多拠点、導入スピード重視 | ネットワーク前提/社内規定・セキュリティ要件の確認が必須 |
| 混在型(ハイブリッド) | デスクトップ+サーバー/クラウドなどを併用 | 現場の柔軟性と全社統制を両立しやすい | 部門導入→全社展開へ段階移行したい企業 | 運用設計が中途半端だと管理が複雑化しやすい |
ツール選びのポイント
RPAツールを選ぶ際は、費用だけでなく、運用のしやすさ・サポート体制・拡張性まで含めて総合的に比較検討することが重要です。導入直後はスムーズに動いていても、実務では「自動化対象の業務システムの画面や操作手順が変わる」「例外対応が増える」といった理由で、シナリオ修正が必要になるケースがあります。
そのため、導入時だけでなく、運用・改修を含めて継続して使い続けられるか(運用負荷が増えすぎないか)という視点で検討しておきましょう。
また費用については、まずはスモールスタートの範囲で投資対効果(ROI)を確認し、可能であれば将来的な拡張やロボット追加にかかる費用も概算で把握しておくと安心です。
比較検討の主なポイントは以下の通りです。
- 費用・ROI(投資対効果):初期費用だけでなく、運用・保守、ロボット追加、全社展開時の費用まで含めて試算する
- 操作性・開発生産性:設定ツールの分かりやすさ、保守性、属人化しにくい設計ができるか
- 拡張性・連携性:将来的に自動化対象を広げたとき、他システム連携や機能追加に対応できるか
- セキュリティ・ガバナンス:取り扱うデータの機密性に応じたアクセス制御、ログ管理、権限設計が可能か
- サポート体制:導入時だけでなく、運用・改修・展開フェーズまで支援が得られるか(問い合わせ対応範囲・速度など)
特にセキュリティは、RPAが扱うデータ(顧客情報、売上、個人情報など)の機密性に合わせて、運用ルールまで含めて設計できるかが重要です。
また、RPAは「導入して終わり」ではなく、全社への展開や安定運用が成果を左右します。導入後の展開フェーズでも伴走してくれるサポートがあるかは、ツール選定における重要な判断材料になります。
RPA導入を成功させるには、場当たり的に自動化を始めるのではなく、準備→小さく試す→全体に広げるという段階的な進め方が重要です。
導入範囲を見極め、効果測定の仕組みを整えながら、小規模テスト(パイロット)から本格運用へ移行する流れを押さえておきましょう。
導入時のステップ
一般的な流れは次の通りです。
- 目的の整理(なぜRPAを導入するのか)
- 対象業務の洗い出し・優先順位付け
- 小規模で試す(パイロット導入)
- 成果の検証(効果測定・改善)
- 本格展開(対象業務・ロボットの拡大)
- 運用・保守(継続改善)
最初から全社展開を狙うよりも、失敗しても影響の小さい業務から始めることで、リスクを抑えながら進められます。
ステップ1:目的整理と業務の洗い出し
まずはRPA導入の目的を明確にします。たとえば「残業削減」「入力ミス削減」「人手不足への対応」など、狙いが定まると優先順位をつけやすくなります。
この段階で、対象業務ごとに 使用システム・入力データ・例外対応の有無 を確認しておくと、後工程がスムーズに進みます。
ステップ2:業務設計とシナリオ作成
自動化する業務手順を整理し、RPAに実行させるシナリオを作成します。
特に重要なのは、例外パターン(イレギュラー処理)をどう扱うかです。ここを設計に織り込むことで、運用開始後の停止や手戻りを最小化できます。
必要に応じて、現場担当者・IT部門・支援ベンダーが協力しながら、安定稼働を意識した形に仕上げます。
ステップ3:パイロット導入と成果検証
いきなり対象業務を広げるのではなく、まずは1〜2業務で試験運用(パイロット導入)を行います。
実際に動かしながら、作業時間の削減量、エラー削減、運用負荷(修正頻度)を確認し、改善点を洗い出します。
ステップ4:本格展開と運用体制の整備
成果が確認できたら、対象業務や利用部門を段階的に広げます。
このタイミングで、次のような運用ルールを整えると定着しやすくなります。
- シナリオ修正の窓口(担当部署・担当者)
- トラブル発生時の対応フロー
- 実行ログの確認ルール
- 定期的な効果測定の進め方
ステップ5:運用・改善(継続的なメンテナンス)
RPA稼働後も、業務ルール変更やシステム画面(自動化対象の操作画面)の更新により、調整が必要になることがあります。
定期的にログを確認し、エラーが発生した場合は迅速に修正することで安定稼働につながります。
さらに、成功パターンを横展開することで、自動化の対象範囲を無理なく広げていけます。
導入スケジュールの目安
導入スケジュールは企業規模や業務範囲によって異なりますが、数カ月〜1年程度で段階的に進めるケースが多いです。
小規模から始め、結果を見ながら広げることでリスクを抑えられます。計画段階では、想定外の修正や追加コストも一定見込んでおくと安心です。
導入効果の測定指標(ROI・KPI)
RPA導入の成果を可視化するために、ROI(投資対効果)やKPI(重要業績指標)を設定してモニタリングします。
たとえば、以下のような指標がよく使われます。
- 作業時間の削減量(時間/月)
- エラー件数の減少
- 残業時間の削減
- 作業のリードタイム短縮
結果を現場と経営層で共有し、目標や運用方法を見直すことで、RPA導入を“導入して終わり”にせず継続的な成果につなげられます。
RPA導入をスムーズに進めるには、事前準備が重要です。
目的整理から運用・効果測定まで確認できる「RPA導入チェックリスト」を用意しました。
気になる方は、ぜひダウンロードしてご活用ください。
RPAの導入成功例は年々増えており、大企業だけでなく中小企業でも複数の業務が自動化されています。一方で、導入時の準備不足や過剰な期待により、思うような成果が得られないケースも存在します。ここでは、成功に導いた具体例と、事前に知っておくと役立つ注意点を解説します。
RPA導入の成功事例
RPAによる効果は対象業務や適用範囲によってさまざまですが、実際の現場では「定型業務を任せることで、人が本来注力すべき業務に時間を使えるようになる」という成果が多く見られます。ここでは導入効果のイメージとして、代表的な事例を紹介します。
| 自動化した業務 | 得られた効果 | KPIとして測るとよい指標(例) |
| 定型的な受注入力・在庫確認 |
・担当者が顧客対応や提案など付加価値業務に集中できる |
・受注処理にかかる作業時間(/日・/月) ・処理件数(/日) ・入力ミス件数/修正件数 ・問い合わせ対応の初動時間(一次回答まで) |
| システムへの手入力・転記作業 | ・作業時間を大幅に短縮できる ・単純作業の負担が減り、生産性と品質が安定する |
・転記にかかる作業時間 ・処理完了までのリードタイム ・入力エラー件数/差戻し件数 ・月末月初の残業時間 |
| 注文入力→製造指示→出荷など部門横断業務 | ・部門間連携がスムーズになり、連携ミスや手戻りを削減 ・待ち時間が減り、全体のリードタイム短縮につながる |
・工程間の待ち時間(滞留時間) ・処理のリードタイム(受注〜出荷) ・連携ミス件数(差戻し・再処理) ・納期遅延件数 |
| スタートアップのバックオフィス業務(請求・集計など) | ・少人数でも業務運用が可能になり、コア業務へ人員を集中できる ・作業の標準化が進み、属人化の抑制にもつながる |
・月次処理にかかる工数(時間) ・処理締め日までの所要日数 ・担当者依存の作業割合(属人業務数) ・繁忙期の対応遅れ件数 |
RPA導入では「業務選定」と「運用設計」が成果を左右します。最初から完璧を目指すよりも、定型業務で小さく試し、効果と運用負荷を確認しながら広げていきましょう。あわせて、KPIの設定とログ確認のルールを整えることで、導入効果を継続的に高められます。
注意点と導入時の課題
RPAの導入に際して、発生しやすい課題や注意点とその対策も事前に確認しておきましょう。
| 課題(注意点) | 起こりやすい問題 | 対策 |
| 根本的な業務フローに問題があると効果が薄い | 自動化してもムダが残り、期待した効果が出ない | 導入前に業務の要否・手順の見直しを実施し、可能なら簡素化・標準化してから自動化する |
| 運用ルールが不明瞭になりやすい | シナリオ修正が滞る/停止して放置される/担当者依存になる | 導入計画に運用体制の設計を含める (修正担当・窓口・ログ確認頻度・エラー対応フローを明確化) |
| 一度に多くの範囲へ適用すると複雑化する | 例外が増えてシナリオが複雑になり、保守コストが増大する | スモールスタートで開始し、成果と運用負荷を確認しながら段階的に展開する(まずは1〜2業務) |
| 導入後に現場から要望が多発する | 優先順位が崩れ、対応が場当たり的になる/期待値のズレが起きる | 対象業務の範囲・例外対応方針を事前整理し、RPAの役割を周知。要望は受付→優先順位付け→対応の流れを作る |
| 自動化した業務が属人化する | 担当者不在で保守できない/引き継ぎできず継続運用が難しい | 設定・運用手順、トラブル対応、変更履歴をドキュメント化し、チームで共有。バックアップ体制を整える |
RPAは「導入すること」よりも、運用を回しながら改善することが成果につながります。
RPAは導入障壁が比較的低く、効果を実感しやすい技術として幅広い企業で採用が進んでいます。一方で、さらなる自動化や高度な機能を実現するために、AIや機械学習との連携が盛んに検討されています。今後は、完全なバックオフィス業務の自動化だけでなく、複雑な判断や予測を伴う業務にも適用範囲が拡大していくでしょう。
AIとの統合による進化
RPAとAIを組み合わせることで、非定型的な作業や高度な判断を必要とする業務への適用が期待されています。たとえば画像認識や自然言語処理と連携すれば、書類の読み取りや問い合わせ内容の分類を自動化し、対応時間を大きく短縮できます。これにより、RPAが担う領域が一層広がり、業務効率化の可能性がさらに高まるでしょう。
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RPA市場の成長と中小企業の普及可能性
すでに大手企業での採用事例は豊富ですが、近年は中小企業でも導入が増加しています。比較的安価なクラウド型サービスの存在、サポートや伴走支援の充実により、導入・活用のハードルが下がってきたことが大きな要因です。人手不足と生産性向上の両面で意義が大きいため、今後も中小企業への普及は一層進むと予想されます。
DXの実現手段の一つとして、他のソリューションと組み合わせて活用
企業の大きな経営課題となるDXの推進においても、RPAは有効な課題解決手段の一つです。他のデジタル技術と組み合わせることにより、RPAは単なる部分的な自動化から、企業全体のビジネスモデルを革新する存在へと変化します。
業務の効率化と並行して、新たなサービスや価値提供につなげることで、企業の競争力はさらに高まるでしょう。これからもRPAは、働き方改革や業務最適化の中心的な柱となり、さまざまな分野でイノベーションをもたらすと期待されています。
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