RPA導入活用の今。Japan IT Week 関西で見えた、
RPA導入前・導入後の「課題と解決策」とは

Japan IT Week 関西で見えた、RPA導入活用の今

人手不足に始まり、働き方改革、コロナ禍、DX。業務の効率化を求める声は高く、一時のブームが過ぎたとはいえ、RPAのニーズもまだ高いものがあります。その中で、ユーザックシステムは2023年1月に開催された「Japan IT Week関西|AI・業務自動化展」にRPA「Autoジョブ名人」を出展、多くのお客様と接し、RPA導入前や導入後の「ホンネ」に迫ることができました。

業務効率化の課題に対する答えは一通りではなく、企業・部署・業務によりさまざま。本コラムでは、Japan IT Week関西で見えた「RPA導入活用の今」と、課題解決の糸口を紹介します。

来場者とRPA

RPAの導入状況について聞いたところ、導入済みは29%、導入予定は14%と、RPAに「関わっている」回答の割合は全体の43%という結果でした。
RPAは普及しているようで実は、「(導入の)予定はない」「わからない」など、ネガティブ寄りの回答が半数以上を占めています。さまざまなメディアで述べられているRPAの導入状況は、「大企業はほぼ導入済み、中小企業が導入進行中」というものと比較すると、意外な比率の結果となりました。

RPA導入における課題

「自動化すべき業務の洗い出し」については、半数近くの方が課題であると感じていることがわかります。
RPAに興味があり、さまざまな業務にRPAを適用したいとは思うが、どこから先に手を付けるべきか?で悩むようです。そこでおすすめしたいのは、「得たい効果・目的」を明確にすることです。

自動化する業務の選定は、RPAを導入して得たい効果や目的を明確にすることから始まります。RPAを導入するということは、人の作業をロボットに置き換えること。時間短縮、工数削減、人件費削減、ミスの削減など、数値で表せるものが多くあります。RPA導入により、余裕ができた時間・工数・コストを把握し、他の業務に振り向けていくのです。

効果や目的を明確にできるのが「業務の棚卸し」です。以下に「業務の棚卸し」エクセルシートを提供していますので、ぜひ利用してください。

また、自動化する業務の選定には、導入事例を参考にするのもよいでしょう。
Autoジョブ名人の導入・活用成功事例は下記リンクからご覧ください。

<参考事例>
日本リビング保証株式会社
業務担当者が自らRPAを構築。社内キャンペーンで他の業務への導入も促す
https://www.usknet.com/jirei/jlw/

医療法人 英仁会 大阪ブレストクリニック
乳がん治療で大阪No.1のクリニックが語る、10年先を見据えた業務改善とRPA導入効果
https://www.usknet.com/jirei/breast-clinic/

丸善株式会社
5年後、10年後を見据え、業務の自動化を推進。丸善のRPA導入成功はチーム戦が鍵だった
https://www.usknet.com/jirei/maruzeng/

<参考リンク>
RPA導入前に読む、投資対効果の考え方
https://www.usknet.com/rpa/rpa_success/12995/

そして、「RPA導入への理解(40%)」、「RPAの運用体制(38%)」についても多くの方が課題に挙げています。

RPAの導入に成功した企業の特長として、トップダウンとボトムアップの双方向からのアプローチによって、プロジェクトを推進している点が挙げられます。トップダウンで行うメリットは、経営層や幹部をリーダーとすることで、組織全体としての視点から、あらゆる業務を横断的に棚卸しすることができます。RPAの導入効果が高いと考えられる業務を取捨選択し、業務時間といった客観的な数字をもとに順序付けして選定することが大切です。

ボトムアップだけでシステム導入を進めると、組織の制度やルールまで変更するのは難しく、できたとしても時間がかかります。また、RPA導入への理解が得られないまま進めても、プロジェクトが途中で頓挫してしまう可能性があります。そのため、トップダウンでもRPA導入を進める必要がありますので、ぜひ参考にしてください。

<参考コラム>
RPAで業務改善!成功するRPA導入法
https://www.usknet.com/rpa/rpa_success/10487/

RPA導入で、何を重視するか?

「導入コスト」を6割以上の方が重視するという回答を得ました。RPAに期待するのが、業務効率化や生産性向上であることを考えると、コストにシビアになるのは当然の結果です。RPAに限らず、システム導入の際は、費用対効果(ROI)がどうか、導入前にしっかり検証しておく必要があります。

定量的効果の具体的な値は、以下の計算式で求めることができます。
削減できた人件費(年)=1件の処理にかかる時間(単位:時間)×1年で処理できた件数×担当者の時給

処理担当者が複数いる場合は、処理にかかる時間や時給は全担当者の平均値から算出します。ポイントは、現在その業務にはどの程度の時間が必要なのか、RPAの導入によってどの程度業務時間を削減できるのかを正確に予測・計測することです。
削減できた人件費から、RPAのライセンスや保守運用にかかる費用を差し引くことで、定量的効果による投資対効果を測定することが可能です。

RPA導入効果においては、定量的効果だけでなく、定性的効果も無視できません。自動化することによって、業務内容や業務のスタイルによい変化をもたらすことができるのも、RPAの特長の一つと言えるからです。心理的負荷がかかる単純作業の繰り返し業務から解放され、より付加価値の高い業務へシフトすることができ、働く人のモチベーションが維持できます。もちろん、人的作業によるミスの発生を抑制したり、365日24時間の稼働が可能な点も効果として挙げられます。

また、サポート体制やトライアル(導入前の試験運用)の有無、自動化シナリオの開発方法、機能、安定性についても、検討の際には重視したいとの回答が多かった選択肢でした。

サポート体制については、どのような問合せ手段があるか(メール、電話など)、有償無償、回数制限、専属の担当者をつけてもらえるかなどをチェックしておきましょう。

多くのRPAベンダーでは、トライアルを無償提供していますが、ぜひ、自動化したい業務を定めたうえで、申し込むことをおすすめします。その業務において、RPAの開発のしやすさはもちろん、サポートの範囲やベンダーとの相性などもしっかり見極めておきたいところです。

ユーザックシステムもトライアルを受け付けています。 RPAベンダーの多くは、トライアル用のインストール媒体を提供するのみですが、ユーザックシステムのトライアルはちょっと違います。それは、トライアル中の企業1社1社を、専属のカスタマーサクセスプランナーがサポートさせていただくことです。業務の棚卸から開発体制や導入プランの検討、業務選定などをカスタマーサクセスプランナーが一緒になって考えます。ぜひ、お気軽にトライアルをお申し込みください。

<参考リンク>
RPAによる投資対効果はどれくらい?コスト削減だけではなく業務改革も
https://www.usknet.com/rpa/rpa_success/11026/

価格や機能だけではない!?RPA選定の際に考えたいベンダーのサポート体制
https://www.usknet.com/rpa/rpa_success/10468/

RPA導入時【コピーして使える】Autoジョブ名人 企画・稟議書ポイント集
https://www.usknet.com/rpa/rpa_success/12960/

RPA導入後の課題

半数以上の方が、「他部署への横展開」を課題として挙げていることがわかります。

RPAの導入・展開は、一般的に次のような形で進めます。

1.RPAを導入しやすい部門において、「モデル業務」を選定する
2.「モデル業務」で試験的にRPAを導入する
3.一定期間経過後にRPAの導入効果や自社システムへの適用を検証する

他部署への横展開が課題だ、と挙げた方は、3.まで進めてはみたものの、期待ほどの効果を見いだせなかった可能性があります。その場合は、対象業務を見直したうえ、再度試験導入と検証を実施するとよいでしょう。
また、期待する効果が得られたにもかかわらず、他部署への展開が進められていない場合は、同じ部門で自動化対象業務を増やし、自動化のノウハウを蓄積していきます。その後、当該部門と業務を連携することが多い部門に対象を広げていく方法がおすすめです。

他部門にRPAを展開する際には、どのような業務を自動化して、どのくらい効果があったのかという検証結果を公開すると、積極的に取り組んでもらいやすくなります。

また、二番目に多く挙げられているのが「安定性」でした。「安定性」が阻害される要因の一つとして、自動化対象項目の指定方法があります。一般的に、RPAツールで自動化対象項目を指定する方法としては、
①座標指定
②キーボード操作による指定(Tabキーなど)
③タグ指定
などの方法があります。このうち、①の座標指定は設定が簡単ではあるものの、画面レイアウトの変化や画面環境が異なる場合、目標とした画像などの座標がすれることによって、誤作動し安定性に欠ける傾向があります。一方、③のタグ指定は安定性が高いと言われています。画面レイアウトの変化、解像度の違いに影響されにくく、自動化対象を確実に指定できるからです。自動化対象業務に安定性を期待する場合、自動化対象項目の指定方法に着目することも非常に重要です。

<参考リンク>
RPAを全社展開するメリットは?全社展開の障壁は何か
https://www.usknet.com/rpa/rpa_success/11402/

RPAはなぜ不安定なのか、その原因と対策とは
https://www.usknet.com/rpa/rpa_guide/479/

なぜWebEDIのRPA化はむずかしいのか
https://www.usknet.com/rpa/rpa_automation/17773/

人とRPAの協働に向けて

RPAはPC業務を人の代わりに自動でこなし、人手不足を解消するだけでなく、業務効率向上をもたらす便利なツールです。ユーザックシステムでは、多くの人が当たり前に使っているエクセルやワードのように、RPAを自在に扱い、業務の負担を軽くすることを支援したいと考えています。
導入前の課題「自動化すべき業務の洗い出し」や、導入後の「他部署への横展開」という課題も、導入実績が豊富なユーザックシステムに安心してお任せいただければと思います。
オンライン相談や、本導入時と同様のサポートを提供しているRPA無料トライアルを、ぜひ一度ご利用ください。

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https://www.usknet.com/rpa/rpa_service/autojob/trial/

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