医療法人 英仁会 大阪ブレストクリニック 様

乳がん治療で大阪No.1のクリニックが語る、
10年先を見据えた業務改善とRPA導入効果

ソリューション:
  • RPA
対象製品:
  • Autoジョブ名人
業種:
  • サービス

事例(PDF)

事例概要

  • 悩み
    • 医事会計システムから診療実績明細データを抽出し、経営会議用の資料を作成する作業に時間がかかっていた。
    解決
    • データ抽出から資料作表までRPAで自動化し、月間4~6時間の効率化を実現した。

乳がんの手術数で大阪府下トップのクリニック

乳がんの手術数で大阪府下トップを維持する大阪ブレストクリニック様

「ホスピタル水準以上の治療を提供する」をミッションとして掲げ乳がん治療に携わる大阪ブレストクリニック様は、乳腺専門医をはじめ、形成外科専門医、病理診断医、婦人科専門医、乳腺治療に精通した看護師、薬剤師などがチーム一体となって、日々患者さんと向き合っています。設備面でも、リニアック装置、トモシンセンス(3D)マンモグラフィーなど最新の設備を導入。大きな病院にも勝るとも劣らない医療品質と心地よいホスピタリティが支持され、2011年以来、乳がんの手術数では大阪府下でトップを維持。また、「手術数でわかるいい病院2022(2022年3月発行、週刊朝日MOOK)」や「名医のいる病院(2021年12月発行、医療新聞社)」などにも掲載されており、マスコミ各社からも注目されています。

同クリニックは、2021年9月にRPAツール「Autoジョブ名人」を導入。医療業界ではRPAを導入するケースが少ないと言われるなか、どのような業務にRPAを適用し業務の効率化を図っているのでしょうか。また、導入にいたった背景は何か。同クリニック 事務長/理学療法部 部長の山下 堅志さんにうかがいました。

――「Autoジョブ名人」どのような業務でご利用ですか?

山下:
当クリニックは、診療報酬の算定業務などをおこなうため医事会計システムの「MLA」を導入しています。「Autoジョブ名人」は、医事会計システムから診療実績の明細データを抽出する作業と、抽出したデータから医師別診療項目別に回数や金額をExcelで集計する作業を自動化するために利用しています。
この作業は毎月実施していますが、当クリニックに在籍する医師12名分の集計をするために私と事務の担当者とで毎月約4~6時間を費やしており、非常に負荷がかかっていました。現在は集計作業がすべて自動化できており、最後の確認だけおこなえば完了です。
この作業を手作業でおこなうには医事会計システムでいくつかの画面操作が必要で結構複雑です。そのため、正直に言いますと、最初は自動化できるとは思っていませんでした。しかし、実際に開発されたスクリプトを動かし、医事会計システムから自動的にデータを抽出できた時はびっくりしました(笑)。

――スクリプト(=自動化シナリオ)の開発は、どうされたのですか?

山下:
スクリプトの開発はユーザックシステムに依頼しました。まず、効率化したい業務を決め、ユーザックシステムの専任担当者に作業内容を詳しく伝えました。その後、数度の打合せを経て2021年11月から本稼働を開始しました。

――「医師別診療実績表」を作成する目的を教えてください。

山下:
初診や再診、処方、検査、画像診断などの項目別に集計することで、医師別の診療内容が見えてきます。この情報は毎月おこなうクリニック内の会議や、定期的に実施している院長、私、医師との面談でも利用しています。
どの業界でも同じだと思いますが、医療業界も今、非常に厳しい経営環境にあります。集計したデータは、クリニック経営のための判断材料のひとつとして活用しています。

「自動化に取り組んだ背景には、労働人口の減少がある」と語る山下さん

――なぜ、自動化したいとお考えになられたのですか?

山下:
昨今、労働人口の減少が危惧されていますが、医療現場も同様です。今後、ますます医師や看護師、スタッフの採用が難しくなってくることは間違いありません。このことについて、当クリニックの院長が非常に危機感をいだいていることが導入の背景にあります。
医療というのは人対人の関りですから、どうしても人間がやる必要があります。しかし、それ以外の業務についてはできるだけ省力化・機械化をすすめ、現場への負担を軽くしていきたい。今回のRPA導入も、このような考えのもとで進めました。

また、当クリニックではRPA以外でもIT化を進めています。例を挙げますと、2019年からは本院や分院(学園前、梅田イーマ)の予約をインターネットでおこなえるようにし、患者さんの利便性向上や院内業務の効率化を図りました。また、2020年には勤怠管理システムを導入し、これまで人手でおこなってきた集計作業から脱却しました。

そして、2021年にはクリニック内に診療経営委員会を発足させ、部門別の検査実績や残業時間などの情報を見える化する試みをスタートさせています。これには、職員にもデータを公開することで、経営感覚を磨いて欲しいとの思いも込めています。
さらに、現在取り組もうと考えているのは、クリニックへの電話について、自動応答するシステムの導入です。また、クリニック内で使用する資材を自動的に補充発注する仕組みについても検討を進める計画です。常に各資材の重さを測定しておき、一定の重量を下回ったら自動発注する。この方法なら、いちいち在庫を調べる必要はありませんし、発注作業そのものも不要です。そして、まだ構想段階ではありますが、患者さんに送付する検査結果の封函作業も自動化できないかと考えています。実現できればスタッフの負担は軽くなります。その分、患者さんと向き合う時間をより多く取ることができるのではないかと考えています。

――RPAの活用も拡がりそうでしょうか。

山下
自動発注システムや自動封函機器などを導入した際は、「Autoジョブ名人」によるデータ連携が効果を発揮しそうですね。また、請求業務や支払業務の自動化や、支払予定データと売上データの照合などにRPAを利用することも考えています。

――医療業界においては、RPAを導入して業務の効率化を図っているケースは、まだまだ限られていると聞きます。
ぜひ、そのような病院に向け、メッセージをお願いいたします。

山下:
医療業界では、ここ10年、15年ほどで医事会計システムや電子カルテの導入が進みました。一方、事務作業に関しては、まだまだ手作業が中心だと思います。どちらかと言うと、あくまでも医療が中心で、その他の業務は二の次、三の次になっているのかもしれません。
当クリニックの院長が「10年くらい先を見て」とよくいいます。繰り返しになりますが、これからますます労働人口が減っていくわけですから、省力化や機械化をできるだけ早く進め、経営に活かしていくべきではないでしょうか。

ありがとうございました。
(2022年3月取材。記載の内容は取材時の情報です)

企業プロフィール
会社名 医療法人 英仁会 大阪ブレストクリニック
本社 〒553-0007 大阪市福島区大開1丁目13-8
院長 芝 英一
開設 2005年9月
診療内容 乳腺外科・婦人科・形成外科・放射線治療科・放射線科・リハビリテーション科・麻酔科・病理診断科
Webサイト https://www.osaka-breast-clinic.com/

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