経理業務をRPAで効率化!RPA導入メリットと活用事例とは?

近年、人が行っている業務を自動化する手段として「RPA」が注目を集めています。
RPAとは「Robotic Process Automation」の略称で、パソコン上で行う業務を自動化するソフトウェアロボットです。
特に経理業務のような定型作業が多い現場で活躍が期待できます。

しかし、経理業務では社員の給与や会社の経費など重要な内容を扱うため、RPAで自動化しても大丈夫なのか不安を抱える方もいるのではないでしょうか。

そこで、本記事では経理業務でRPAを導入するメリット・デメリットや、実際の導入事例について解説・紹介します。

「電帳法(電子帳簿保存法)などの法対応業務が増えた」
「経理業務にかけるコスト削減ができないかな」
「経理業務でもRPA導入できるの?」
このように考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

経理業務でも使えるRPAとは?

前述したとおり、RPAはパソコン上で行う業務を自動化する仕組みのことです。
データの登録・転記、情報収集やシステムの連携・管理など、定型化できる業務内容であればRPAで自動化することができます。
これにより、数人で行っていた経理業務の一部をRPAだけで代行できる場合もあるのです。

近年は、労働人口の減少による人手不足や生産性の低下が問題となっていますが、RPAによる業務効率化によって人手不足問題の解決と生産性の向上が期待できます。

経理業務でRPAを導入するメリット・デメリット

ここからは、経理業務でRPAを導入するメリットとデメリットを紹介します。

経理業務でRPAを導入するメリットは、以下の4つです。

● コスト削減
● 人手不足の改善
● 業務の効率化
● 作業の正確性の向上

コスト削減

RPAは、人とは違って24時間365日稼働できます。常に高いパフォーマンスで業務をこなせるため、残業時間も減り結果的に人件費などのコスト削減につながります。

RPAの導入にはコストがかかりますが、新たな人材採用やその後の育成のことも考慮すると、トータルでRPA導入の方がコストを抑えられる場合もあるのです。

人手不足の解消

近年では、少子高齢化による労働人口の減少により、人手不足が問題となっています。しかし、RPAで業務を自動化できれば、定型化された業務はすべてRPAに任せることで人手不足を解消できます。

これまで単純作業も担っていた社員の負担が減ることで、離職率の減少も期待できます。

業務の効率化

経理部門の担当者は細かな処理業務が続き、なかなかコア業務に専念できないことも多いのではないでしょうか。

自動化できる定型化した業務や単純作業はRPAに任せることで、社員は人にしかできないコア業務に集中できるようになります。これにより業務効率化につながり、生産性の向上も期待できます。

また、業務の効率化で作業スピードもアップすることで、作業納期を短縮する効果も期待できるのです。

作業の正確性の向上

RPAはロボットなので人のように休憩時間も必要なく、常に高いパフォーマンスを維持することが可能です。設定された業務を忠実にこなすため、よくありがちなケアレスミスを防ぎ、作業の正確性が向上します。

経理業務は会社のお金が直接関わる業務なので、小さなミスも許されません。RPAの活用で業務を自動化すれば作業の正確性も向上し、経理担当者の精神的負担を減らす効果も期待できます。

一方、デメリットは?

経理業務でRPAを導入するデメリットは、以下の2つです。

● 導入コストがかかる
● エラーによるシステムの停止

RPAの導入にはコストがかかります。クラウド型であれば数万円程度、デスクトップ型で数十万円程度、サーバー型であれば100万円以上の導入コストが相場です。

コストだけを見ると割高に感じるかもしれませんが、導入によって得られる業務効率化や人手不足の解消などのメリットを鑑みると、トータルではコストの削減が可能と言えます。

経理業務をRPAで自動化した場合に限りませんが、RPAは、システム障害やサーバーダウン、ブラウザのバージョンアップなどによってエラーが発生する可能性があります。エラーが起きるとRPAの動作が止まってしまったり、間違った動作を続けたりして経理業務に支障が出る可能性もあります。

日々のメンテナンスを欠かさず、万が一のエラー発生時に迅速に対応できるよう管理体制を整えておくことで、迅速なシステム復旧が可能になります。

経理業務におけるRPA導入事例

RPAは、以下のような業務を自動化することが可能です。

● 請求書処理業務
● 支払い・請求照合業務

ここからは、それぞれの業務でのRPA導入事例を紹介します。

請求書処理業務の事例

電子帳簿保存法の対応を機に、取引先から送られる請求書の処理業務をRPA導入で自動化した事例です。

国内最大級のIT専門商社であるダイワボウ情報システム(DIS)株式会社では、電子データをやり取りする「EDI(電子データ交換)」の導入により、請求書処理業務の多くを電子化していました。

しかし、EDI化が難しい仕入れ先もあるためメールでの取引も残っており、電子帳簿保存法対応に手間がかかる状態が続いていました。

そこで、ユーザックシステムの「Autoメール名人」を導入。メール経由で取得した請求書を適切なフォルダに保存し、リネームして格納する処理の自動化を実現しました。

人による業務のミスも減少し、顧客サービスの向上、業務改善にも役立っています。

請求書処理業務におけるRPA導入事例の詳細はこちら→

支払い・請求照合業務の事例

グループ会社の事務処理代行サービスを行うA社が、RPA導入でメールの明細情報のCSV化に成功した事例です。

A社のある取引先は、支払情報を添付データではなく、メール本文に記載して送付してくる状態でした。
本文には支払番号・支払日・支払金額などの情報が記載されており、多い日には10,000明細以上もの目視確認が必要で、大きな業務負担がかかります。
また、本文に記載されている明細情報には規則性がないため、一般的なメール業務自動化ツールでは安定したデータ取得ができないことも課題となっていました。

作業時間は月に10日ほど要するため業務効率化を検討した結果、メールをWebブラウザ上で受信する設定に変更し、ブラウザ操作を自動化するために「Autoジョブ名人」を導入。

導入により、テキスト情報を取得することが可能になったことで、メール本文に記載された明細情報のCSV化に成功しました。

そして基幹システムから請求情報を取り出し、2つのファイルを入金消込サービスへ連携することによって、今まで膨大な時間がとられていた業務を自動化できました。

その結果、ヒューマンエラーがなくなり精度の高い消込を実現しています。

経理にRPAを導入しても上手くいかないことがある?

せっかくRPAを導入したにもかかわらず、「運用が上手くいかない」と感じられる方がよく見られます。

RPAは有用なツールですが、導入に向けて事前にしっかりと準備しておくことが必要なのです。具体的に必要な要素は、主に以下の3つです。

● 目的を明確にする
● 業務の棚卸
● 運用体制を明確にする

まず、RPA導入の目的を明確にしなければいけません。たとえば、「コストの削減」や「業務の効率化」「社員の負担軽減」「生産性の向上」などがあげられます。
目的を明確にして、やりたいことを実現できるRPAツールを選定する必要があります。RPAの導入自体が目的にならないように注意が必要です。

また、RPA導入時には業務フローの可視化が必要不可欠と言えます。業務内容や必要工数などを洗い出す(業務の棚卸)ことで、RPAで自動化すべき業務を把握できます。

そして、RPAの運用体制を明確にすることも大切です。万が一のエラー発生時や日々のメンテナンスは誰がどのように対応するのかを明確にしておきましょう。
開発担当や現場担当など、役割をあらかじめ分担しておくと運用体制を整えやすいです。

経理業務担当者は、まず伝票への記帳や会計管理システムへの入出金データの取り込みといった定型作業の自動化によって「人為的ミスの削減」など、RPA導入の目的を明確にする必要があります。
その後、経理業務の棚卸しを行って自動化すべき業務を洗い出します。
そして、RPAの開発や運用などのサポートをシステム部門と連携して進めていくとスムーズな導入が可能です。

経理業務をRPAで効率化するために

RPAは、経理業務に導入することで高い費用対効果が得られます。
ただし、しっかりとRPA導入による効果を実感するためには、導入前の事前準備や導入後の運用体制を整える必要があります。

RPA導入の経験がなければ、「どのように事前準備や運用について考えればいいかわからない」と感じる方もいるのではないでしょうか。

国産RPAベンダーのユーザックシステムでは、RPA導入から運用まで、一貫してサポートできる体制を整えています。RPA導入で業務の効率化やコスト削減、人手不足を解消したい企業様は、まずはお気軽にご相談ください。

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