出荷業務を最大限に効率化する最新業務改善

ネットショッピングが普及した現在では、物流に関する業務はより煩雑化しています。企業を相手としたB to B物流では、少品種・大ロットが基本であり、例えば、1梱包につき1,000個入った商品の場合には、梱包単位での出荷作業を行います。しかし、消費者個人に対するB to C物流の場合では、先の例えでいえば1,000個分の商品を、それぞれ個別に発送するということになります。B to C物流は、単純にB to B物流の1,000倍の労力がかかります。

しかも、商品の品揃え、納入スピード、コストなど、顧客から求められる要望は日増しに高くなり、現在では当日配送というサービスも大きな負担になってきています。

このように複雑化した状況では、手作業による出荷業務が限界なのは明らかです。送り状の作成という作業だけでも、1枚作成するのと1,000枚作成するのでは、労力と時間は雲泥の差があります。今回は、物流の出荷業務に関わる業務改善についてご紹介します。

 

出荷業務とは

出荷業務とは、顧客から注文を受け、商品を顧客に納品するまでの一連に関わる業務です。単純に商品を発送するだけではなく、倉庫の在庫管理や検品等の業務が含まれる場合もあります。

顧客からの注文に対して、受注管理システムから出荷指示が出ます。その出荷指示をもとに担当者はピッキング作業を行います。ピッキング作業とは注文伝票に基づいて倉庫から商品を選び出す作業です。人によるピッキング、フォークリフトを使う、自動ロボットを利用するなど、扱う商品や業態によって実際のピッキングの仕方はさまざまです。

次に検品をします。商品に破損や欠陥がないかを最終点検します。割れ物なら破損はないか、衣類なら破れ、サイズ間違い、カラー間違いはないかというように伝票の発注個数を確認し、注文どおりにピッキングされているかを確認します。

最後に出荷を確定します。顧客の注文どおりに納品書、売上伝票を発行します。納品書や銀行振り込みの振替用紙を商品とともに梱包。送り状を作成し、荷物を運送業者に引き渡します。送り状は、出荷物が多かったり、注文数が急激に増えたりすると、作成時間のコストや誤配送につながります。

 

出荷業務で頻度の高いトラブル

出荷業務は現在でも人手に頼っている部分が多く、トラブルの原因はヒューマンエラーであることがほとんどです。最近では、人員不足という問題も生じており、誤出荷、在庫差異、入荷・出荷遅延などのトラブルにつながっていることがあります。

このような問題を解決するためには、過去のトラブルの傾向を分析し、ヒューマンエラーが発生しやすい部分にはシステムを導入する、トラブルが発生した場合に大きな事故につながらないような仕組みづくりをするなどがポイントです。

過去のデータを分析すると、発生頻度の高いトラブルとして「誤ピッキング」と「送り状の誤貼付」が上がってきます。この2つが出荷業務における事故の大半を占めています。

誤ピッキングは、注文伝票とは違う商品や個数をピッキングしてしまうトラブルで、送り状の誤貼付は、複数の商品を1つの梱包にまとめるときに、送り状や納品書等の伝票類と出荷する商品を間違えてしまうトラブルです。

この2つのトラブルを減らす解決策は、業務工程自体を簡素化し、そもそも人が行う作業をできるだけ減らすことがポイントとなります。送り状などの正確性を求められる書類作成は、システム化するなど、省人化していくことで、トラブルを回避する企業が近年では増えています。

 

出荷業務の業務改善事例

ヒューマンエラーをはじめ、さまざまなトラブルが発生する可能性のある出荷業務において、どのような業務改善が考えられるでしょうか。各企業が行っている出荷業務に関わる業務改善をご紹介します。企業規模の大小にかかわらず、ロボットやソフトウェアなどのテクノロジーを導入して、できるだけ人を介在させずに自動化する方針が推し進められています。

 

  • Amazon.com
    2019
    3月、世界最大級のECサイトであるAmazon.comは、大阪に新たな物流拠点を稼働させています。「アマゾン・ロボティクス」と呼ばれる自動搬送システムを導入し、台車型のロボットが倉庫内を自由に移動、ピッキング作業をロボットに任せるシステムです。このシステムは、アメリカのロボットベンチャー企業であるキバ・システムズが開発したものです。それをAmazon2012年、650億円で買収したことによりアマゾン・ロボティクスとして本格導入しました。業務の効率化やヒューマンエラーの軽減を目的とし、出荷業務に人間を使わないことで改善を図ろうという方針の表われです。

 

  • 日本通運
    日本企業でも出荷業務のロボット化・自動化は着々と進んでいます。日本通運は、2019年度内にAIや自走式ロボットを活用した本格的な物流センターを稼働させることを発表しています。人手不足の解消を目的とし、ピッキング作業の省人化を狙っています。物流センターで行われた事前テストによれば、ピッキング作業にかかる時間を20%程度減少させることに成功したとのことです。
    この自走式ロボットは、倉庫内の配置やベルトコンベアーなどの設備投資をせずに導入できるメリットもあります。ロボットを制御するクラウドシステムと既存の業務システムを連携させれば、商品の出荷・在庫データを管理するシステムを回収する必要もありません。作業員とロボットの連携をうまく取り、いかに協働体制を作るかという課題はありますが、将来的には30%40%程度の作業時間短縮を目指しているそうです。

 

  • 株式会社エーワン
    AI
    や自動ロボットなどの大規模な設備投資ができない場合でも、出荷業務の業務改善を行うことはできます。例えば、送り状の発行や商品の追跡業務をソフトウェアで自動化することによって業務改善ができます。株式会社エーワンでは、送り状や荷札、納品書の作成業務が複雑化しており、業務に負担がかかっていました。業務が複雑である場合、通常は誤出荷の発生確率も上がってしまいます。そこで、出荷業務の支援システムを導入することで、問題解決を図ったのです。
    送り状等のセット作業に時間がかかっている部分を、送り状と荷札を兼ね備えた荷札ラベルを導入することで業務を簡素化。複数の運送会社と契約していても、同一のシステムで業務をすることができるので、作業効率がぐっと上がりました。さらに、手持ちタイプのバーコードスキャナーを利用した検品システムを導入することで、出荷ミスを抑え、作業時間や人員を大幅に削減することができました。
    その結果、誤出荷率を0.055%から0.006%に、約1/10にまで抑えることに成功しています。出荷業務の工程は12工程から7工程、それに関わる事務作業は12工程から4工程まで簡素化。全体の作業時間は9.75時間の短縮を達成しています。また、出荷作業に関わる業務を効率化することで、作業に慣れたベテラン社員でなくても業務遂行が可能になったのも、大きなメリットとなっています。

 

物流テックで業務改善

物流とITテクノロジーを融合した物流テックが急速に普及しています。在庫管理、出荷業務、配送など、物流に関わる業務をより効率化するには、テクノロジーの導入が欠かせません。現在の出荷作業は、人からロボットを活用した完全無人化への過渡期といえるでしょう。大規模なインフラ投資ができなくても、納品書や送り状の作成をソフトウェアで自動化するなど、スモールスケールで業務改善を進めることはできます。最新テクノロジーを用いた業務改善で、企業としての生産性を上げていきましょう。

 

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