製造業におけるRPAの有効性と活用事例まとめ

業務効率化のツールとしてRPA(Robotic Process Automation)が注目されていますが、製造業の場合はどのように活用したらよいのでしょうか。ここでは製造業におけるRPAの有効性と、RPAを有効に活用している実際の事例を紹介します。

RPAを定型業務の省力化にとどまらず、戦略的に活用している各社の事例を見て、自社のRPA導入を検討してみましょう。

 

製造業におけるRPAの有効性

RPAは、製造業において下記のような理由で有効性は高いと言えます。

  • 受注・製造・納品・販売の一連の手続き自動化による省力化・効率化
  • 顧客対応の品質と顧客満足度の向上アップ
  • 来るべき人材不足への備え
  • 省力化による基幹業務への注力
  • 緊急事態発生時のBCP(事業継続計画)対応
  • RPAによるデータ取得・活用による最適化
  • ユーザー開発による自社仕様の効率化が可能

モノづくりを主たる業務とする製造業にも、多くの事務作業があります。定型業務の多い受注処理や出荷・納品管理、販売にともなう会計処理にRPAを適用することで、かなりの省力化と効率化が望めます。特に照会業務を自動化すると、即時回答も可能になり顧客の利便に供します。

また、RPAは来るべき労働力不足に備えられます。導入にともなう業務プロセスの見直しや、省力化による主要業務への注力も可能となり、人材の有効活用に資してくれます。

近年、日本では大規模な自然災害が各地で見られるようになり、ある程度の拠点規模を擁する製造業各社において、BCP対応はひとつの経営課題となっています。社内業務の人員が不足しても、RPAに作業を代行させられるため、事業活動への影響を小さくできます。

RPAは大量の反復業務をミスなく正確に行います。人力では難しかった大量データの取得や集計、資料化ができるため、人は確認や判断といった本来すべき業務に対応できます。また、RPAはユーザー自身による開発が可能なため、自社の業務に即したRPAの構築ができるのも大きなメリットです。

続いて、製造業の企業がRPAを活用している事例を三つご紹介します。

 

BCP対応と今後の人材不足を見据えたRPAの導入と活用

モランボン株式会社は、BCP対応や深刻化する人材不足に備えてRPAを導入しました。

東日本大震災後の計画停電による混乱を経験した同社では、災害のような「何かあったとき」の対策を強く意識するようになったといいます。IT環境の面においては、基幹システムのオープン化やデータセンターへのサーバー移設を進め、安定的な運用体制を整備しているそうです。このときの縁がもとでユーザックシステムのRPAツール「Autoブラウザ名人」を導入することになりました。

製造業において、受注業務は生産や出荷の前提となる重要プロセスです。同社では年中無休で手作業による受注業務を行っていますが、日曜日は注文が少ないため対応する人員も少なめです。しかしここで万が一、担当者が出社できない事態が起こると非常に困ったことになります。このようなリスクに加え、仮に人材不足になるような状況が起こったとしても対応できる体制構築の一環として、RPAツールを活用したいと思うようになったといいます。

RPAによる業務自動化は、自社によるスクリプト開発の進展次第の面があるものの、順調に進んでおり、今後のマンパワー不足にも耐えられる体制が整備できそうとのことです。今後は開発体制を強化し、他部署でのRPA対象業務の選定を進めるなど、RPA利用を推進していく計画です。

RPAは、休日など少ない人数で業務にあたらなければならない状況下においても効果を発揮します。BCP対応や、来るべき人材不足に対応するひとつの解決策として、RPA導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

RPAによる膨大なPOSデータダウンロード作業の自動化

サッポロビール株式会社では、生産計画や営業活動、製品開発に生かすために、小売業者が開示するPOSデータを利用しています。

コンシューマー向けの酒類製造業では、売上データは戦略的に重要な資料といえます。しかし、日常消費される酒類の販売実績データの量たるや、規模が大きいほど膨大になるのは目に見えています。さらに酒類は、天候や地域性、店舗実施のキャンペーンなどで販売量が大きく変わり、正確な販売予測において、一部のデータを抜き出すだけでは無意味です。

そこで、同社は人力では難しい大量のPOSデータ取得を、RPAツール「Autoブラウザ名人」による解決をはかりました。現在、同社では百数十社の小売業者が開示するPOSデータを取得し、日々の営業活動や製品開発に生かしています。人による作業では長時間かかり、ミスが起こりやすい単調なデータダウンロード作業が短時間のうちに正確に行えるようになりました。また、対象期間や店舗、商品カテゴリーを指定してのデータ取得も容易で、サイト構成上、人力の取得が困難で今まではあきらめて埋没させていたデータの完全取得も可能になりました。

同社はRPAの導入コストが1年分の人件費でまかなえると試算しており、他業務への自動化ができないかを検討中です。

商品製造や販売企画に重要なPOSデータ取得の自動化の事例は、コンシューマー向け製品の製造業や卸業にとって参考になるのではないでしょうか。

 

製造業におけるRPA導入事例から見る成功のポイント

最後に、RPAの導入に成功するためにはどのようなポイントがあるか、昭和電機株式会社の事例を参考に見ていきましょう。

 昭和電機株式会社では特定業務の自動化ではなく、勤務時間の削減と顧客満足の向上、売上拡大を実現すべくRPAを導入しました。特定の業務プロセスの効率化・省力化を目指したものではないため、対象業務の選定から全社的なRPA推進をはかっています。

 同社では、まず勤怠管理という一部の業務の自動化を試み、成果が得られたことで全社展開を決定しています。本格導入にあたり、ユーザックシステム提供の技術講習を受け、開発に必要なシナリオ作成スキルを習得したといいます。RPA導入に際し、このようなベンダーによる支援サービスが受けられるとスムーズです。

 RPAツールの開発にあたっては、業務ごとに一つひとつのプロセスを把握して、各要素を入れ込む(シナリオを作成する)必要があります。昭和電機株式会社では現場へのヒアリングに加え、録画撮影を行って手順を漏らさず把握する工夫をしています。また、現場に対してRPAへの理解を得ること、摩擦回避のための配慮も欲しいところです。同社では現場の誤解を避けるため、「自動化」でなく「ロボット化」という言葉を使うなど、説明に工夫を心がけています。

 昭和電機株式会社では21業務のRPA化を完了し、月間140時間の時短を達成しています。計画中の38業務が安定稼働すれば年間10,500時間の削減が見込まれるので、顧客満足度向上と売上拡大に向けたいとのことです。

 RPA導入にはシナリオ作成や実際のプロセス把握が課題になります。ベンダー支援を活用し、現場との協力関係を築き、RPAの活用と目標達成の成果をつかみましょう。

 

製造業の現場はRPAでビジネス環境の変化に備えよう

RPAは事務処理の省力化と効率化に寄与するだけでなく、製造業において戦略的な活用もできます。例えば、今まで埋もれていたデータを取得して製造や企画に利用したり、非常時でも業務停止を回避できるBCP対応に役立てたりできます。

また、RPAは自社の事情に合わせて小規模な試験導入や拡大化が可能です。一般的なシステムと違い、ユーザーによる開発が可能なため、自社業務に応じて柔軟に適用ができます。AIのようなテクノロジーの発展や、労働人口の減少による人材不足など、市場環境が大きく変化していくと考えられる、これからの時代を乗り切る手段として、RPAの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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