RPAとマクロ(VBA)の違いを解説!向いている業務が丸わかり

RPAやマクロ(VBA)を活用した業務自動化に興味はあるものの、「実際にどちらを導入すべきか判断できない」と悩んでいる業務責任者や担当者の方も多いでしょう。

どちらも定型作業の効率化に役立つツールではありますが、自動化できる範囲や初期導入コスト、操作の難易度、社内リソースとの相性などに明確な違いがあります。

本記事では、RPAとマクロの基本的な特徴を比較しながら、それぞれに向いている業務を詳しく紹介します。これから自動化に取り組みたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

RPAは業務プロセスを自動化するための切り札

RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウェアロボットを活用して人間の代わりに特定の操作を繰り返す自動化技術です。

単なるExcel上のマクロ処理にとどまらず、Webシステムやクラウドサービス、業務用アプリケーションなど、異なるプラットフォームをまたいだ業務プロセスの自動化に対応しています。

例えば、Web上での顧客情報の取得、クラウドサービスへのデータ入力、さらにはPDFファイルのダウンロードから保存といった一連の処理を、すべて自動で行うことが可能です。

近年では、ノーコードで扱えるツールやクラウド型のRPAサービスも充実してきており、IT部門に依存せずとも現場の業務担当者が自らシナリオを作成・運用できるようになってきました。これにより、導入のハードルが格段に下がり、中小企業でも採用が進んでいます。

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マクロ(VBA)とはExcelの自動化に特化した内蔵プログラム

マクロ(VBA)とは、Microsoft ExcelやAccessなどのOffice製品に内蔵されているプログラム機能で、業務における定型的な操作を自動化できるツールです。

例として、繰り返し発生する入力作業、集計処理、複雑な計算、レポートの作成、セルのフォーマット調整など、手作業では時間のかかる工程を一括で実行できます。

Excelを既に業務で使用している企業であれば、追加のライセンス費用や新たなツールの導入なしに、マクロ機能をそのまま活用できる点が大きなメリットです。

ただし、マクロを記述するには「VBA」と呼ばれる専用のプログラミング言語の理解が不可欠です。そのため、社内にVBAに精通した人材がいるか、外部リソースの活用が可能かどうかを見極めたうえで、導入を検討することが重要です。

RPAとマクロ(VBA)の5つの大きな違い

「業務を自動化したい」というニーズに対し、マクロとRPAはどちらも有効な選択肢ですが、適用範囲や運用負荷、導入コストには大きな違いがあります。目的や組織体制によってどちらが適しているかは変わるため、自社に合った方法を選択することが大切です。

ここでは、RPAとマクロ(VBA)の違いを5つの観点から紹介します。

自動化できる範囲

マクロ(VBA)は、主にExcelやAccessなどOffice製品内の作業を自動化するのに適しています。例えば、定期的なレポート作成や、特定セルへの入力作業など、Excel内で完結する業務に強みを発揮します。

一方、RPAはWebシステムからのデータ取得、メールの送受信、クラウド上の業務アプリとの連携など、複数のソフトウェアをまたいだ処理が可能です。例として、ECサイトからの受注情報を取得し、会計ソフトへ転記するような一連の流れもRPAなら実現できます。

プログラミングの知識が必要かどうか

マクロの作成には、Visual Basic for Applications(VBA)というプログラミング言語の理解が不可欠です。そのため業務担当者が自らメンテナンスするには一定のスキル習得が求められるほか、属人化のリスクもあります。

一方、RPAはノーコードまたはローコードで利用可能なツールが多く、ドラッグ&ドロップや画面操作の記録で自動化シナリオを構築できます。これにより、非エンジニアの業務担当者でも導入・運用が可能であり、チーム全体の生産性向上につながります。

処理可能なデータ量・速度

マクロは、Excel上で扱うデータ量が増加すると、動作が重くなることがあります。大量データの処理には限界があり、ファイルが破損するリスクもゼロではありません。

一方、RPAは複数アプリケーションを横断しながら安定的に動作します。さらに、データベースやBIツールと連携させれば、大規模データも効率的に処理できます。

ただし、システム負荷を最小限に抑えるためには、適切なスクリプト設計が求められます。

たとえば、大規模データを処理する場合、データ処理の分割や並列処理の導入が効果的です。また、トリガーやスケジュール管理を工夫することで、システム全体に過剰な負荷がかかる事態を回避できます。さらに、処理結果のログ記録やエラーハンドリング機能を組み込むことで、効率的で安定した運用が可能になります。

導入方法やコスト

マクロは、既にOffice環境が整っていれば追加のコストはかかりません。ただし、業務に応じたプログラムを自作するには工数が発生し、保守・運用の負担も社内で担う必要があります。

一方、RPAはライセンス費用や導入支援のコンサル費用が発生することがありますが、対象業務の拡大に応じて工数削減効果も比例して拡大します。特に、将来的に部署横断での活用を視野に入れている企業にとっては、RPAは高い投資対効果をもたらします。

メンテナンスと拡張性

マクロは作成者に依存しやすく、担当者が異動した場合にブラックボックス化するリスクがあります。また、他の業務に流用するには手動での改修が必要です。

一方、RPAは多くのツールが可視化されたフロー管理やログ機能、バージョン管理を備えており、属人化を回避しやすい設計になっています。さらに、OCRやAI機能との連携も可能なため、将来的な拡張性を重視する企業には特に適しています。

どんな業務を自動化すべき?RPA向き・マクロ向きの事例

業務の自動化を進めるうえで、最初に立ちはだかるのが「どの業務をどのツールで自動化すべきか?」という課題です。RPAとマクロでは自動化の得意分野が異なるため、選定を誤ると、かえって非効率や追加の作業負担を生むこともあります。
ここでは、RPAとマクロそれぞれが真価を発揮する業務の具体例を紹介します。現場の課題と照らし合わせながら、適切な自動化手段を見極めていきましょう。

RPAを活用した自動化に向いている業務

RPAが得意とする業務は、Web受注データの取り込み、複数のクラウドサービス間でのデータ転送、さらにはAI-OCRを使った紙資料のデジタル化などです。また、定型レポートの作成やデータの整形といった業務もRPAで対応可能です。

特に、複数アプリケーションを連携させる必要がある業務や、作業量の変動が大きい業務においてRPAの導入効果が顕著に表れます。業務効率化と属人化リスクの排除を同時に実現したい企業に最適な選択肢といえるでしょう。

マクロを活用した自動化に向いている業務

マクロは、Excel内で完結する繰り返しの作業に最適です。例えば、定期的な数値集計やレポート出力、帳票の一括作成などに広く活用されています。

また、複雑な数式処理や条件分岐を用いた計算処理にも強みがあります。処理対象のファイルが多い業務でも、VBAで効率化を図ることができます。ただし、業務が他システムと連携する場合や、作業フローが複雑な場合はRPAとの併用が望ましいです。

RPA×マクロのハイブリッド運用も可能

近年では、既に構築・運用しているマクロ資産を有効活用しつつ、RPAを段階的に導入していく「ハイブリッド運用」のスタイルも注目されています。

マクロはExcel内の高度な計算や集計処理に特化しており、長年にわたり蓄積されたノウハウが活かせる反面、システム連携やクロスアプリケーションの操作には弱点があります。

RPAを組み合わせることで、こうした制約をカバーしつつ、より広範囲の業務を自動化できます。

例えば、マクロがExcel上で数値集計やグラフ作成を行い、そのファイルをRPAがメール添付で自動送信したり、基幹システムに登録したりすることで、処理の一連の流れを人手を介さずに完了させられるようになります。

マクロとRPAそれぞれに役割を持たせて連携させることで、より柔軟な業務改善を実現でき、企業全体の生産性向上や属人化リスクの軽減にも貢献します。

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初期コストを抑えつつ、小規模な組織から段階的に導入可能な点も魅力です。豊富な知識と経験を持った専門家が導入開始まで伴走しますので、RPAに対する不安や疑問を解消しながらスムーズに自動化を進められます。

ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽に無料トライアルへお申し込みください。

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自社に合ったツールを選び、業務改革を加速させよう

RPAとマクロ(VBA)は、どちらも業務効率化に大きく貢献するツールです。それぞれの得意分野や導入・運用コスト、メンテナンス体制を理解したうえで、自社にとって最適なツールを選定することが重要です。

業務内容がExcel中心であればマクロが有効ですが、複数システムにまたがる処理や将来的な拡張性を重視するなら、RPAの導入が効果的です。自社の環境を十分に考慮しながら適切なツールを選定し、業務改革を加速させましょう。

 

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