
【事例あり】受注業務効率化の課題や具体的な対策方法を詳しく解説

受注業務は、転記や確認などの定型作業が多く、細心の注意を払ってもミスや納期遅延を招きやすい業務です。受注管理システムやRPAを活用して入力・確認・連携を自動化し、正確性と処理速度を高めることが重要です。
本記事では、受注業務に残るアナログ作業の課題と企業への影響、効率化の方法、RPAの活用事例を解説します。自社に合う対策を検討する際の参考にしてください。
アナログ作業が残る受注業務が招く課題
受注業務は、細かな転記や書類整理など、人の手による作業が多く発生するため、業務効率と正確性の両面で大きな問題を抱えがちです。煩雑な入力や確認作業が増えると、担当者の負担が大きくなり、繁忙期には納期遅延のリスクも高まります。
ここでは、アナログ中心の受注業務が招く3つの課題について解説します。

システム入力の手間がかかる
アナログ中心の受注フローでは、FAXや電話で受け取った注文情報を、Excelや基幹システムに転記する作業をしなければなりません。
例えば、1件の注文につき複数の項目(商品名、数量、納期など)を入力しなければならない場合、1日に数十件から数百件の処理が発生することも珍しくありません。
特に、1,000件単位の注文が集中する繁忙期では、入力待ちが発生して処理が追いつかず、顧客対応が遅れる原因になることも多いです。
処理ミスのリスクが高まる
受注件数が多いほど、手入力によるヒューマンエラーが起こりやすくなります。数字の入力間違いや商品コードの取り違えは、在庫管理や出荷手配に影響し、顧客への誤出荷を招くおそれがあります。
FAXや電話を使ったやり取りは、メモの解釈違いなども生じやすく、気づかないうちに誤った情報を伝えてしまうリスクが高まります。こうしたミスが繰り返されると、クレーム対応に追われるだけでなく、企業の信用失墜にもつながるため、早めの対策が重要です。
情報の連携にタイムラグが生じる
アナログ中心の受注業務環境では、担当者間で情報を共有するときに紙の注文書を回覧したり、メールで転送したりするケースが多く、リアルタイムの連携が困難です。
特に、在庫数や生産状況が頻繁に変動する業界では、最新のデータを共有できないまま受注を進めてしまい、後から在庫不足が判明して現場が混乱することもあります。
こうした在庫情報のタイムラグは、顧客への回答の遅れや納期遅延につながるだけでなく、競合他社との差別化ポイントになり得る「対応の速さ」を損ねる原因となります。
受注業務の効率化が求められている代表的な業種

受注業務の効率化はさまざまな業種で求められています。特に製造業、卸売業、物流業など、日々多くの注文を受け、商品数や手続きが複雑になりやすい業種では、アナログ作業に頼る弊害が顕著に表れます。
それぞれの業種の特徴を把握し、自社に合った効率化対策を検討することが重要です。ここでは、受注業務の効率化が求められている代表的な3つの業種を紹介します。
製造業(食品・日用品・部品等)
製造業では、受注・在庫・生産情報をリアルタイムに連携し、定型処理を自動化することが重要です。近年は多品種少量生産への対応が増え、受注1件ごとの処理が複雑になっています。在庫切れや生産計画の変更に対応するためにも、最新情報を部門間で共有できる仕組みが求められます。
しかし、アナログ作業のままでは、注文内容の変更や欠品、注文数の急増などへの迅速な対処が困難です。結果、ミスや納期遅延につながるおそれがあります。
特に、賞味期限や使用期限がある製品では、在庫情報の誤りが廃棄ロスにつながるおそれがあります。受注管理システムやRPAを活用し、受注から在庫・生産までの情報を正確かつ迅速に連携できる体制が必要です。
卸売業
卸売業では、複数の受注チャネルから届くデータを一元管理し、入力や連携を標準化することが重要です。FAX、電話、メール、オンライン注文など、取引先ごとに受注方法や入力形式が異なるため、担当者はそれぞれのチャネルに合わせて作業しなければなりません。
このようなマルチチャネル対応では、属人化が進みやすく、担当者が不在時に他の人がスムーズに対応できない状況が生まれがちです。受注データが統合管理されていないと、在庫状況の反映や納期管理の遅れが発生し、販売機会を逃すリスクも高まります。
物流業
物流業では、受注データをピッキングや送り状発行などの後続業務へ速やかに連携し、一連の処理をデジタル化することが重要です。一方で、紙を使った受注作業が残る企業もあります。受注後にはピッキングリストや送り状など多くの帳票を作成するため、受注処理の遅れが出荷や運送スケジュールにも影響します。
特に、年間を通じて荷量に波がある業界では、繁忙期の一時的な大量受注に対応しきれず、作業ミスや顧客への納期遅延が生じやすいです。受注業務のデジタル化を推進し、業務効率を向上させることは、従業員の負担を減らすだけでなく、コスト削減や顧客満足度の向上につながります。
受注業務の遅延と企業への影響
受注業務がスムーズに進まないと、ビジネスの成長機会を逃すだけでなく、顧客満足度の低下や従業員の離職リスクなど多方面にわたり、深刻な影響を受ける可能性があります。
受注業務の遅延が企業にもたらす主な影響は、次の3点です。
- 納期遅延による顧客満足度と信用の低下
- 担当者の負担増加と離職リスク
- 新規施策やDX推進の遅れ
納期遅延と顧客満足度と信用の低下
受注から配送・納品までの流れが滞ると、商品を必要とするタイミングで顧客の手元に届けられなくなります。
BtoBの取引においては、取引先の生産計画や販売計画にも影響を及ぼすおそれがあり、「納期が守られない」と判断されれば、信頼を失って他社へ乗り換えられるリスクが高まります。
納期のトラブルが続くと、単に売上が減るだけでなく、市場での評価も下がり、新規顧客の獲得が難しくなります。結果として、ブランドイメージが悪化し、長期的な企業の競争力にも悪影響が及ぶ可能性があります。
担当者の負担増加と離職リスク
アナログ中心の受注業務は、膨大な事務作業を担当者に強いることになります。繁忙期が長引くと残業や休日出勤が常態化し、心身の負荷が増大します。
さらに、作業が属人化している場合、担当者が離職するとノウハウが一気に失われ、業務が回らなくなるリスクが高まります。新人育成にも時間とコストがかかるため、結果的に受注体制が立ち直るまでの間に、顧客を逃したりミスが増えたりするリスクもあります。
属人化を解消して担当者の負担を減らすためにも、業務を標準化する仕組みづくりを進めることが大切です。
新規施策やDX推進の遅れ
受注業務に工数を取られすぎると、新製品開発や新規マーケティング施策へのリソース配分が難しくなります。
結果として、データ活用やDX推進といった戦略的な取り組みも後回しになり、他社が先行して新技術や新サービスを導入している間に競争力の差が開いてしまうリスクがあります。
安定的に事業を拡大し続けるためには、コア業務に注力できる環境が不可欠です。受注業務の効率化を実現すれば、浮いたリソースを新たな戦略の展開や、顧客満足度向上の施策に振り向けられるようになります。
受注業務の効率化を図る方法
受注業務をスムーズにするためには、デジタルツールの活用や業務フローの見直しが不可欠です。具体的な効率化施策としては、受注管理システムやRPAの導入、アウトソーシングなど、企業の規模やリソースに合わせたいくつかの選択肢があります。
受注管理システム、アウトソーシング、RPAは、対象範囲や導入方法が異なります。自社の課題、既存システム、社内リソースを踏まえて選ぶことが重要です。まず、3つの方法の違いを比較します。
| 比較項目 | 受注管理システム | アウトソーシング | RPA |
|
特徴 |
受注情報を一元管理し、在庫・出荷などの周辺システムと連携する |
受注処理の一部または全部を外部の専門事業者に委託する |
パソコン上の定型操作をソフトウェアロボットが自動実行する |
|
向くケース |
情報が分散し、受注業務全体の仕組みを刷新・統合したい企業 |
人員やノウハウが不足し、早期に処理体制を整えたい企業 |
既存システムを大きく変えず、反復作業から段階的に自動化したい企業 |
|
メリット |
情報共有を迅速化し、入力精度や在庫・出荷連携を高められる |
短期間で処理能力を確保し、社内担当者をコア業務へ振り向けられる |
作業時間と人的ミスを削減し、既存システムを生かして導入できる |
|
注意点 |
初期費用や導入期間が必要。既存システムとの連携設計も欠かせない |
委託範囲、費用、品質管理、機密情報の取り扱いを明確にする必要がある |
対象業務の標準化と例外処理の整理、運用・保守体制が必要 |
受注管理システムの導入
受注管理システムを導入すると、注文情報の入力やデータの集計・分析を一元化し、担当者間での情報共有もリアルタイムでできるようになります。
在庫や出荷状況と自動連携させることで、欠品や納期遅延のリスクを最小限に抑えることも可能です。イニシャルコストがかかったとしても、長期的に見ると作業負担の削減と正確性の向上により、投資対効果が見込めます。
アウトソーシングを活用する
社内にシステム導入を進めるための十分なリソースがなかったり、短期間で受注業務を効率化したりしたい場合には、外部サービスを利用する方法があります。
受注処理を専門とする事業者に委託すれば、蓄積されたノウハウや業務システムを活用でき、比較的短期間で処理体制を整えられます。社内の人員を増やさず、早期に処理量を確保したい場合に適しています。
事前に業務の進め方を綿密に打ち合わせておくことで、自社の運用フローに合った形で最適な効率化を実現できます。
RPAで受注業務を自動化する
RPAを活用すれば、定型的かつ大量の処理をソフトウェアのロボットに任せられます。例えば、FAXやメールで受け取った注文データを基幹システムへ入力する作業や、在庫状況のチェックや更新など、手動だと負担が大きい業務を自動化できます。
RPAで業務を自動化すれば、これまで受注業務に時間を取られていた担当者は、顧客対応や新商品の提案など、より創造性の高い業務に専念できるようになるため、社内全体の生産性が向上します。
また、ロボットが自動的に処理することで、人的ミスの削減が期待できるのもメリットです。
RPAで受注業務を効率化した事例
RPA導入に成功した企業は、どのように業務を改善し、生産性を向上させているのでしょうか。
ここでは、実際に受注業務の効率化やコスト削減、働き方改革を実現した事例を紹介します。これからRPAの導入を検討している方は、具体的な活用方法の検討や業務フローの構築にお役立てください。
手間だったWeb-EDIのデータダウンロードを自動化
食品卸のG社は、Web-EDIからの受注データ取得とシステムへの取り込みをRPAで自動化し、担当者の手作業を大幅に削減しました。
- 課題:複数のWeb-EDIサイトから受注情報を手作業でダウンロードしていた
- 施策:「Autoジョブ名人」でデータのダウンロードとシステムへの取り込みを自動化した
- 効果:手作業の負担を大幅に削減し、自動化する業務の拡大を検討できる体制を整えた
G社では、レガシーEDIや流通BMSのデータは自動取得できていましたが、ブラウザ操作が必要なWeb-EDIは手作業で処理していました。そこで、安定稼働やメンテナンス性などを比較し、「Autoジョブ名人」を採用しました。
導入後は、Web-EDIの操作からEDIサーバーへの取り込みまでを自動化しました。今後は、蓄積したシナリオ作成のノウハウをほかの事務処理にも展開する予定です。
365日出荷・納品可能なメール受注~納品自動処理システムを構築
あるパン生地製造企業は、メール受注から出荷システムへの登録までを自動化し、休日対応をなくして365日運用できる体制を構築しました。
- 課題:365日稼働の発注体制に対し、担当者の休日出勤が必要になる見込みだった
- 施策:「Autoメール名人」と「xoblos」で受注データの抽出、確認、加工、登録を自動化した
- 効果:休日対応と人員負担を減らし、安定して出荷指示を行える体制を整えた
同社は、大手コンビニエンスストア向けの冷凍パン生地を供給するにあたり、365日届く注文への対応を検討していました。当初はFAX受注を予定していましたが、休日を含むシフトの確保が難しいため、メール受注へ切り替えました。
「Autoメール名人」とExcel加工ツール「xoblos」を導入し、メールからの受注データ抽出、エラーチェック、出荷システム用データの加工・登録を自動化しました。
エラー発生時の対応方法もあらかじめシステムに組み込むことで、担当者が不在の日でも処理を継続できる運用を実現しています。
→メール受注から納品までを365日自動処理した事例を詳しく見る
人員を増やさず業務を効率化し、働き方改革を推進
埼玉県魚市場冷蔵部は、オンライン受注から納品伝票発行までをRPAで自動化し、作業時間を約2時間短縮して残業を解消しました。
- 課題:取引量の増加に伴い、オンライン受注処理の手作業と残業が常態化していた
- 施策:「Autoブラウザ名人(現Autoジョブ名人)」でデータ受信、確認、CSV出力、納品伝票発行を自動化した
- 効果:作業時間を約2時間短縮し、残業の解消と勤怠管理の効率化を実現した
同社では、取引先からの発注データ受信、受注データの確認、CSV出力、納品伝票の発行などを繰り返し手作業で行い、残業が常態化していました。取引量の増加に対応するため、RPAによる自動化に着手しました。
「Autoブラウザ名人(現Autoジョブ名人)」の導入後は一連の処理を自動化し、約2時間の作業時間短縮を達成しました。今後は、ペーパーレス化による履歴管理や、ほかの工程への展開も検討しています。
→オンライン受注から納品伝票発行までを自動化した事例を詳しく見る
FAXで受領していた大量の注文書処理業務をRPAで自動化
ファシリティマネジメント企業A社は、FAX受注を定型フォーマットのメール受注に切り替え、基幹システムとの連携まで自動化して、処理時間と人的ミスの削減につなげました。
- 課題:50店舗の4部門から毎日約200枚届くFAX注文の処理に時間がかかり、人的ミスも発生していた
- 施策:「Autoメール名人」で店舗・部門の判定、受注データ作成、基幹システム連携を自動化した
- 効果:受注処理を効率化し、定型フォーマットの採用によってデータ精度も向上した
A社は、新たに受託した食品スーパーチェーンの資材調達業務で、50店舗の4部門から届く注文を処理する必要がありました。FAXでは毎日約200枚を扱うことになり、処理時間と人的ミスが課題となっていました。
そこで、Excelファイルを添付したメール受注に切り替え、「Autoメール名人」を導入しました。メールアドレスと件名から店舗・部門を判定し、受注データの作成から基幹システムへの連携までを自動化しています。
メール本文とExcelファイルを定型フォーマットにしたことで、自動化の精度も高まりました。A社では、ほかのデータ転記作業へのRPA展開も検討しています。
受注業務をRPAで効率化して現場の負担を軽減しよう
受注業務を効率化するには、自社の課題と既存システムを整理したうえで、受注管理システム、アウトソーシング、RPAを使い分けることが重要です。複数の手段を組み合わせる場合も、対象業務と期待する効果を明確にして進めましょう。
データ入力や照合、システム間の転記など、手順が決まった反復作業はRPAによる自動化に適しています。業務を標準化し、対象を限定して導入すれば、処理時間や人的ミスを抑えながら、段階的に自動化の範囲を広げられます。
受注業務の自動化を検討している方へ
受注業務の定型作業を自動化したい場合は、「Autoジョブ名人」や「Autoメール名人」の無料トライアルで、自社の業務に適用できるかを確認できます。製品の詳細や導入方法については、以下のページをご覧ください。





