送り状発行業務を効率化するには?複数運送会社のシステム・CSV加工・手入力を見直す

物流現場では、人手不足への対応や出荷品質の向上が求められています。なかでも、毎日繰り返す送り状発行は、一件ごとの作業が短くても、出荷件数が増えるほど負荷が積み重なる業務です。
特に複数の運送会社を利用する現場では、運送会社ごとに異なるシステム・データ形式・操作手順を人がつなぐことで、送り状を発行する前後に多くの手作業が残っていないでしょうか。
複数運送会社の送り状発行作業は、前後工程が負担に
関西物流展(2026年4月)で当社がお客様46名から伺った出荷現場の課題では、「複数運送会社・システムの使い分け」が23件と最も多く挙がりました。ほかにも、バーコードやハンディターミナルを使った現場発行への要望、帳票・プリンターの切替やセット作業、属人化、再発行など、送り状発行に関連するさまざまな課題が見られました。※複数回答あり
たとえば、次のような作業です。
- 運送会社ごとに異なるシステム・PC・プリンターを使い分ける
- 基幹システムやWMSから出力したCSVを、列の並べ替え・コード変換・分割などで加工する
- 出荷条件を見て利用する運送会社を判断し、届け先や個口数を複数のシステムへ入力する
- 送り状・納品書・荷札を取りそろえ、商品や届け先と目視で照合する
- 梱包後の個口変更などに対応して、送り状を訂正・再発行する
なぜ、送り状発行業務は複雑になりやすいのでしょうか?
送り状発行業務が複雑になる大きな理由の一つは、運送会社ごとに送り状発行システムや必要なデータ形式が異なることです。販売管理システムやWMSに出荷データがあっても、そのまま各社の送り状発行に利用できるとは限りません。
そのため、CSV加工、運送会社の判断、各社システムへの取り込み、送り状番号や出荷実績の転記などを担当者が担うことになります。利用する運送会社が増えるほど操作や例外対応も増え、経験のある担当者へ業務が集中しやすくなります。
送り状発行業務の複雑さは、異なるシステムや工程の間を人がつないでいる運用の仕組みに原因があることが少なくありません。
改善のポイントは、送り状発行を一連の出荷業務として見ること
送り状発行を効率化しようとすると、印刷時間の短縮に目が向きがちです。しかし、発行前にCSV加工があり、発行後にも帳票の取りそろえ、転記、目視確認、再発行が残っていれば、業務全体の負荷は大きく変わりません。
見直す際は、次の4つの視点で業務を整理します。
- データをつなぐ:基幹・販売管理・WMSの出荷データを送り状発行に利用する
- 運送会社ごとの違いを吸収する:異なるデータ形式や操作を一つの仕組みにまとめる
- 出荷帳票をまとめる:送り状・荷札・納品書などを出荷単位で発行する
- 検品・実績まで連携する:商品との照合、出荷確定、送り状番号・出荷実績の連携までを一連で考える
まずは「どこで手作業が発生しているか」「どこでデータが分断されているか」「どの判断や作業が担当者に依存しているか」を書き出すと、改善対象と優先順位を関係部門へ共有しやすくなります。
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送り状発行業務を効率化する6つの方法
送り状発行業務の課題は企業によって異なりますが、主な改善方法は次の6つに整理できます。
1.基幹システムやWMSの出荷データを利用する
基幹システム、販売管理システム、WMSなどに登録されている届け先、商品、個口数、出荷日などの情報を、送り状発行にも利用します。
同じ情報を送り状発行システムへ手入力したり、システムごとに入力し直したりする運用では、作業時間が増えるだけでなく、入力ミスも発生しやすくなります。
既存システムの出荷データをそのまま利用できれば、二重入力を減らし、基幹システムから送り状発行までの流れをつなげられます。
ただし、基幹システムからCSVを出力できても、運送会社ごとに必要な項目やデータ形式が異なる場合があります。CSV出力の有無だけでなく、出力後にどのような加工や判断が発生しているかまで確認することが重要です。
2.複数運送会社の送り状発行を一元化する
複数の運送会社を利用している場合、それぞれの送り状発行システムを個別に操作する運用になりがちです。
運送会社ごとに操作画面、取込形式、プリンター、送り状の種類が異なると、担当者は出荷条件を確認しながら、使用するシステムや端末を切り替えなければなりません。
複数運送会社の送り状発行を一つの仕組みにまとめることで、次のような作業を共通化できます。
- 基幹システムやWMSから出荷データを取り込む
- 出荷条件に応じて運送会社や送り状種別を決定する
- 運送会社ごとの形式にデータを変換する
- 送り状・荷札を発行する
- 問い合わせ番号や出荷実績を管理する
操作方法を統一することで、運送会社ごとのシステムに詳しい担当者へ業務が集中することも防ぎやすくなります。
3.CSVの加工や取込作業を自動化する
CSVを利用していても、列の並べ替え、項目名の変更、コード変換、不要データの削除、運送会社別のファイル分割などを人が行っている場合は、十分に自動化されているとはいえません。
日常的に行っているCSV加工は、一つひとつの操作が短くても、出荷件数や運送会社が増えるほど負担が大きくなります。また、加工ルールが担当者の記憶や個人用のExcelファイルに依存していると、引き継ぎも難しくなります。
データ変換のルールをシステムに登録し、取り込みから運送会社別データの作成までを自動化することで、作業時間と属人化の両方を減らせます。
4.送り状・納品書・荷札を出荷単位でまとめる
送り状、納品書、荷札などを別々のシステムやプリンターから発行すると、印刷後に同じ出荷先の帳票を探して組み合わせる「カルタ取り」が発生します。
出荷件数が多い現場では、帳票を取りそろえるだけでも時間がかかり、組み合わせを間違えると誤出荷につながるおそれがあります。
基幹システムの出荷データをもとに、必要な帳票を出荷単位で連続発行したり、送り状と納品書を一体型の帳票にしたりすることで、帳票の仕分けや目視照合を減らせます。
5.検品と連動して出荷直前に送り状を発行する
送り状を梱包前にまとめて発行すると、梱包時に個口数や商品の組み合わせが変わった場合、訂正や再発行が必要になります。
そこで、商品のバーコードや出荷指示書を読み取り、検品・梱包が完了したタイミングで送り状を発行する方法があります。
出荷直前の確定した情報を使って発行することで、個口数の変更などによる再発行を抑えられます。また、検品結果と送り状をひも付けることで、商品と送り状の取り違え防止にもつながります。
6.問い合わせ番号と出荷実績を自動連携する
送り状発行後は、配送状況の確認や顧客への案内に使用するため、問い合わせ番号を基幹システムや販売管理システムへ登録する必要があります。
この番号を送り状から読み取って転記したり、運送会社のシステムからCSVを出力して加工したりしている場合、出荷後にも手作業が残ります。
送り状発行時に取得した問い合わせ番号や出荷実績を基幹システムへ自動的に戻すことで、転記作業や入力ミスを減らせます。問い合わせ番号を一元管理できれば、配送状況の確認や顧客からの問い合わせ対応も行いやすくなります。
運送会社別の送り状発行システムと一元管理システムの違い
運送会社が提供する送り状発行システムは、送り状を作成・発行するための有効な選択肢です。利用する運送会社が1社で、出荷件数もそれほど多くない場合は、運送会社別のシステムで対応できることもあります。
一方、複数の運送会社を利用する企業では、各社のシステムを個別に運用することで、データ加工や操作の切り替えが増える場合があります。
主な違いは次のとおりです。
|
比較項目 |
運送会社別の送り状発行システム |
一元管理型の送り状発行システム |
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対応する運送会社 |
原則として提供元の運送会社 |
複数の運送会社 |
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操作方法 |
運送会社ごとに異なる |
一つの操作方法に統一できる |
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データ形式 |
各社の形式に合わせる |
データ変換を共通の仕組みにまとめられる |
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基幹システム・WMSとの連携 |
運送会社ごとに対応する |
出荷データの連携を一元化できる |
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送り状・荷札 |
各社のシステムから発行する |
複数社の帳票を一つの仕組みから発行できる |
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問い合わせ番号 |
各社のシステムで管理する |
一元管理や基幹システムへの連携ができる |
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適している企業 |
利用する運送会社が少なく、出荷件数も比較的少ない企業 |
複数運送会社を利用し、出荷件数や拠点数が多い企業 |
どちらが適しているかは、運送会社の数だけでは決まりません。
各社システムへのデータ投入、CSV加工、帳票の取りそろえ、問い合わせ番号の登録などを含め、送り状発行の前後にどれだけ手作業が発生しているかを確認して判断します。
送り状発行システムを選ぶ7つのポイント
送り状発行システムを比較する際は、「送り状を発行できるか」だけでなく、自社の出荷業務全体に対応できるかを確認する必要があります。
1.利用している運送会社に対応しているか
現在利用している運送会社だけでなく、得意先指定の運送会社や地域運送会社にも対応できるかを確認します。今後、運送会社を追加・変更する可能性も考慮します。
2.必要な送り状・荷札・指定帳票を発行できるか
運送会社の送り状に加え、荷札、納品書、現品票、得意先指定帳票など、出荷時に必要な帳票を整理します。帳票ごとに別のシステムを使用すると、印刷後の仕分け作業が残る可能性があります。
3.基幹システムやWMSと連携できるか
既存システムからどのデータを受け取り、発行後にどの情報を戻せるかを確認します。CSV連携だけでなく、CSV加工やデータ変換をどこで行うかも重要です。
4.運送EDIに対応しているか
運送会社と出荷情報を電子データでやり取りする「運送EDI」に対応しているか確認します。対応する運送会社や運用条件によっては、複写式の送り状を使わず、荷札ラベルだけで出荷する運用も可能です。
5.検品や梱包工程と連携できるか
送り状を発行するタイミングは、再発行や誤出荷の発生に影響します。バーコード検品や梱包完了と連動して、確定した出荷情報から送り状を発行できるかも確認項目になります。
6.問い合わせ番号と出荷実績を管理できるか
送り状発行後の問い合わせ番号を、基幹システムや販売管理システムへ連携できるか確認します。配送状況の確認方法や、顧客への出荷案内に利用できるかも検討します。
7.出荷データの修正や実行結果の確認ができるか
出荷業務では、届け先や個口数などの変更が発生することがあります。取り込んだ出荷データを修正できるか、変更内容を送り状発行に反映するためにどのような操作が必要かを確認します。
また、送り状発行の処理を自動実行する場合は、実行結果を確認できることも重要です。日々の運用を想定し、担当者がどの画面で処理状況や結果を確認するのかまで確かめておきましょう。
送り状発行業務の改善効果を確認する方法
システム導入による効果を検討する際は、送り状の印刷時間だけでなく、発行前後の作業時間も含めて算出します。
主な確認項目は次のとおりです。
- 出荷データの抽出・CSV加工にかかる時間
- 運送会社を判断する時間
- 各社システムへの取込・手入力にかかる時間
- 送り状・納品書・荷札を取りそろえる時間
- 訂正・再発行にかかる時間
- 問い合わせ番号を転記する時間
- 配送状況の確認や問い合わせ対応にかかる時間
- 誤出荷や再配送への対応件数・費用
年間の削減時間は、次のように試算できます。
年間削減時間 = 1日あたりの削減時間 × 年間稼働日数 × 対象拠点数
繁忙期と通常期で出荷件数が大きく異なる場合は、それぞれの期間を分けて算出すると、実態に近い効果を把握できます。
また、時間だけでなく、送り状の再発行件数、入力ミス、誤出荷、担当者数、教育期間なども導入前後で比較すると、業務品質や属人化の改善効果を説明しやすくなります。
送り状発行業務の改善事例
フクシマガリレイ株式会社様では、基幹システムの刷新に伴い、出荷業務全体を見直しました。
従来は、梱包前に送り状を発行していたため、梱包時に個口数が変わると、1日30~50件の送り状再発行が発生していました。また、送り状に印字された問い合わせ番号を、1日約500件、基幹システムへ手入力していました。
そこで、検品・梱包が完了した後に送り状を発行する流れへ変更し、問い合わせ番号も基幹システムへ自動連携する仕組みを構築しました。
その結果、送り状の再発行と問い合わせ番号の入力ミスをゼロにし、年間2,440時間の業務時間削減につながりました。
送り状発行のタイミングだけを見るのではなく、基幹システム、検品、梱包、問い合わせ番号管理まで含めて見直した事例です。
このほかにも、送り状と納品書を一体型帳票にまとめ、出荷時の帳票セット作業を削減した事例があります。
繁忙期に2時間以上かかっていた帳票セット作業の改善事例はこちら
送り状発行業務の見直しにつながるチェックポイント
次の項目に複数当てはまる場合は、送り状発行システムだけでなく、その前後を含めた出荷業務の見直しをおすすめします。
- 複数の運送会社を利用している
- 運送会社ごとに異なるシステムやPCを使っている
- 基幹システムやWMSから出力したCSVを手作業で加工している
- 届け先や個口数を送り状発行システムへ手入力している
- 担当者が出荷条件を見て運送会社を判断している
- 送り状・納品書・荷札を手作業で取りそろえている
- 梱包後の変更により、送り状の訂正や再発行が発生している
- 問い合わせ番号を基幹システムへ転記している
- 運送会社ごとの操作方法が特定の担当者に依存している
- 複数拠点で送り状発行の方法が統一されていない
利用する運送会社が1社で、出荷件数が少なく、基幹システムとの連携も必要ない場合は、運送会社が提供する送り状発行システムで十分でしょう。
自社の出荷件数や運用の複雑さ、現在発生している手作業を整理したうえで、適切な方法を選択します。
送り状発行業務に関するよくある質問
送り状発行システムとは何ですか?
届け先、出荷日、個口数などの出荷データをもとに、運送会社の送り状や荷札を作成・発行するシステムです。製品によって、基幹システムやWMSとの連携、複数運送会社への対応、問い合わせ番号管理、運送EDIなどの対応範囲が異なります。
複数の運送会社の送り状を一つのシステムから発行できますか?
複数運送会社に対応した送り状発行システムを利用すれば、一つのシステムから各社の送り状や荷札を発行できます。対応している運送会社や帳票はシステムによって異なるため、導入前の確認が必要です。
基幹システムやWMSと連携できますか?
連携機能を持つ送り状発行システムでは、基幹システムやWMSから出荷データを受け取り、送り状を発行できます。また、発行後の問い合わせ番号や出荷実績を既存システムへ戻せる場合もあります。
運送会社が提供する無料システムとの違いは何ですか?
運送会社が提供するシステムは、原則としてその運送会社の送り状を発行するために使用します。複数運送会社対応の一元管理システムでは、各社の送り状発行、データ変換、基幹システムとの連携などを共通の仕組みにまとめられます。
運送EDIとは何ですか?
運送EDIは、荷送人である企業と運送会社の間で、出荷情報や配送に必要な情報を電子データでやり取りする仕組みです。対応する運送会社や運用条件によっては、送り状を荷物に貼付しない送り状レス運用も可能です。
送り状発行業務を効率化すると、どのくらいの効果が見込めますか?
改善効果を検討するには、現在の送り状発行業務にかかっている工数・コストを把握することが第一歩です。送り状の作成・印刷だけでなく、CSV加工、帳票の取りそろえ、問い合わせ番号の転記など、前後の作業も含めて確認します。
現状の把握には、無料の「出荷業務の工数・コスト見える化診断」をご活用ください。把握した工数・コストをもとに、削減できる作業とシステムの導入・運用費用を比較することで、費用対効果を検討しやすくなります。
自社の送り状発行業務を整理してみませんか?
送り状発行業務の負担は、送り状を印刷する作業だけでなく、その前後にあるCSV加工、運送会社の判断、帳票の取りそろえ、再発行、問い合わせ番号の転記などから生じています。
改善を進めるには、まず現在の業務フローを可視化し、どこに手作業やデータの分断があるかを把握することが大切です。
無料ダウンロード資料『複数運送会社の送り状発行業務を効率化する方法』では、展示会で伺った現場の声をもとに、送り状発行業務の課題、改善前後の業務フロー、改善の進め方を具体的にまとめています。
複数運送会社の送り状発行業務を効率化する方法
この資料でわかること
- 展示会アンケートから見えた、送り状発行・出荷業務の課題
- 発行前から発行後までを確認できる12項目の課題チェック
- 送り状発行業務を改善する4つの視点と、改善前後の業務フロー
- 年間2,440時間の業務削減につながったフクシマガリレイ株式会社の事例
- 改善を進める5つのステップと、作業時間の棚卸し方法
- 送り状発行システムを選定するときの確認項目
自社の状況を整理し、送り状発行・出荷業務の改善を検討するために、ぜひご活用ください。


