流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)とは

 

経済産業省において、2003年度より「流通サプライチェーン全体最適化促進事業(流通SCM事業)」が推進されてきました。そして、2006年から「流通システム標準化事業」として引き継がれ、小売、卸、メーカーなど数多くの企業や団体が参加し検討を重ね、実証実験を通してまとめられたのが「流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)」です。

当サイトでは、流通BMSの用語解説から現在の普及状況、対応時のチェックポイントやセミナー情報など、流通BMSについて幅広く解説しています。

流通BMSの導入時に参考にしていただければ幸いです。

 

1. 流通BMSとは

流通BMSは、流通業界全体の業務効率化・コスト削減を目的とした新たなEDIのガイドラインです。大手小売業を中心に採用が進んでいます。


流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準の略)とは、経済産業省の「流通システム標準化事業」により、日本チェーンストア協会、日本スーパーマーケット協会などの業界団体が検討を重ねて作成された、EDIの新しいガイドラインです。

流通BMSの普及によって、流通業界全体の業務効率化・コスト削減につながると期待されています。

 

何が変わるのか?


通信インフラの標準化

通信手段が電話回線からインターネットに切り替わったため通信速度が向上。通信コストや送信時間の削減につながります。インターネットに切り替わったため、専用モデムも必要ありません。また、今まで実現できなかった画像データの送信も可能になりました。

 

メッセージフォーマットの統一

また、メッセージのフォーマットも小売業全体で標準化されました。これまでは、小売業ごとにフォーマットが異なっていたため、EDIの相手先が増えるたびにシステム開発が必要でしたが、今後はどの小売業にも同じシステムが使えるため、開発期間や開発コストが大幅に削減されることになります。これは画期的な出来事です。

 

検品レス、伝票レス

流通BMSは、通信時間の短縮、通信コストや開発コストの削減というメリットに加え、業界全体の業務改善を促進するという大きな狙いもあります。
それは、従来のEDIでも一部の小売企業で実施されてきた「検品レス・伝票レス」です。 流通BMSでは、伝票レスの取引を想定しており、納品書や受領伝票のやり取りもEDIに置き換える事で、紙の伝票を無くし、事務処理コストや伝票代の削減が可能になります。

 

2. なぜ流通BMSなのか?

すべての小売業のEDIメッセージを統一する画期的なプロジェクトで、JCA手順の課題を解決


JCA手順によるオンラインの課題を解決するため、小売・卸・メーカーが集結。通信回線がインターネットになり、各社バラバラであったEDIメッセージを統一しました。 40年近くにわたり利用されてきたJCA手順がいよいよ終結に向かいます。

1982年、日本チェーンストア協会に加盟する小売企業が中心となりオンラインを標準化、JCA手順が制定されました。1985年にはVAN事業が全面的に自由化され、これまで小売が自らおこなっていたデータの集配信をVAN事業者に委託し、JCA手順によるオンラインが一気に普及しました。

取り扱うデータも受注から出荷、請求、支払などに拡大しEDIと呼ばれるようになりました。しかし長年各企業にメリットをもたらしたEDIは、様々な問題点が浮き彫りになってきたのです。

 

これまでのEDIの問題点

(1)小売毎の対応が必要

やり取りするメッセージ(受注や請求データのこと)の内容が小売企業毎にバラバラで、注文を受ける企業では各社ごとのシステム開発が必要だった。

 

(2)モデムの入手が困難

電話回線を利用するために必要となるモデムが製造されなくなってきた。

 

(3)通信速度が遅い

データ量が増大した現在、通信速度が遅いため、出荷などの業務に支障をきたしている。

 

さらに近年、WebEDIといわれるインターネットを利用した受発注システムが普及しています。これはブラウザ操作により受注データをダウンロードするため手作業を伴います。各社毎に操作方法が違うばかりか、自動化が非常に困難です。

こうしたEDIの問題を解決するため、経済産業省は流通システム標準化事業を推進してきました。小売・卸・メーカーなど多くの企業や団体が参加し検討を重ね、実証実験を通してまとめられたのが「流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)」です。

ここで、流通BMSの特徴をもう一度ご紹介します。

 

流通BMSの特徴

(1)メッセージフォーマットの統一

小売毎バラバラであったメッセージを統一し、どこでも同じシステムの利用が可能になる。 流通BMSVer1.3の基本メッセージは、発注、出荷(3種)、受領、返品、請求、支払データが標準化され、食品、酒類、日用品などで利用されている。

 

(2)通信インフラの標準化

流通業界では日本独自のJCAや全銀、全銀TCP/IP手順が利用されてきた。流通BMSはインターネットによる通信手順 ebXML MS、EDIINT AS2、JX手順の3つが採用され、高速通信を実現している。

 

(3)検品レス、伝票レス

これまで小売が入荷をおこなうにはチェーンストア統一伝票と商品の検品が必要であったが、卸・メーカーが正確な出荷検品を行い、事前に出荷データを小売に送信することで、入荷検品および伝票発行を無くすことができる。

 

流通BMSの最大の特徴は、対象とする業務プロセスを明確に整理したことで、メッセージ種及びデータ項目の定義がより明確になったことです。

そして多くの業界・業態が参加して標準を策定したことも大きな意味を持ちます。
これにより小売とのEDIが統一され、個別開発から解放されるのです。

また、通信はインターネットを利用するため、通信速度が格段に向上しました。
そして「検品レス・伝票レス」を実現し、業界全体の業務の効率化を目指しています。

経済産業省から事業を引き継ぎ、流通システム標準普及推進協議会(流通BMS協議会)を運営する財団法人流通システム開発センターは「流通BMSは流通業界の共通インフラであり、より多くの企業に導入してもらいたい」とし、維持・普及に取り組んでいます。

 

流通BMSは流通業界のインフラ

 

流通BMSの制定は経済産業省の主導によって行われたと思われがちですが、発端はスーパー業界のニーズです。消費税の内税対応が一段落した2004年の暮れに主なGMSの情報システム部長が集まり、技術的な限界が見えていたJCA手順の後継となる標準EDIの必要性が話し合われました。
この流れは、2005年6月の日本チェーンストア協会と日本スーパーマーケット協会の合同情報システム委員会開催に発展します。
ここに両協会の情報システム委員会に所属する25社が集まり、次世代EDIの標準化について合意しました。
同年8月には、両協会加盟の12社が参加した「次世代EDI標準化WG」が発足し、イオン、イトーヨーカ堂、ダイエーなど、それまではお互いの業務内容を見せ合うことなど考えられなかったライバル企業同士が、各社のメッセージ項目を同じテーブルに持ち寄るという画期的な動きにつながったのです。

 

財団法人流通
システム開発センター
研究開発部 部長
坂本尚登 氏

 

検討の当初では「当面は通信手順の変更を優先し、その後にメッセージ標準化を行う」という議論もありましたが、「それでは各小売個別のデータフォーマットの変換という負担を取引先にかけ続けることになり、サプライチェーン全体の効率化は実現できない」という意見に一蹴されるという一幕もありました。

卸・メーカーの皆様もこのような経緯をご理解いただき、流通業界の共通インフラとして最大限の効果を発揮できるよう、小売業の流通BMS導入の要請には積極的に取り組んでいただきたいものです。

 

3. 果たして流通BMSは普及しているのか

流通BMSを導入済・導入予定の企業は、小売業201社、卸売業・メーカーで227社を数えます(2019年2月現在)。


2007年春に流通BMSが発表され、すでに10年以上が経過しました。注目されている流通BMSは果たして普及しているのでしょうか。 流通システム標準普及推進協議会(通称、流通BMS協議会)の調査によると、小売は200社、卸・メーカーは227社が導入済み、あるいは導入予定となっており、 年を追うごとに着実に導入企業が増加しています。

 

流通BMS導入・導入予定企業一覧(流通BMS協議会の調査で、社名公開に応じた企業 2019年2月23日現在)

●小売業
スーパー

北海道 アークス※、イオン北海道、マックスパリュ北海道
岩手県 イオンスーパーセンター、マルイチ
宮城県 ウジエスーパー、マックスパリュ南東北
秋田県 マックスパリュ東北、よねや商事
山形県 たかき、ヤマザワ※
福島県 鎌倉屋
茨城県 カスミ※、かわねや、サンユーストアー、スーパーマルモ、セイミヤ、結城ショッピングセンター
栃木県 ダイユー、ヤオハン
群馬県 フレッセイ、ペイシア
埼玉県 ベルク、マミーマート、ヤオコー、ヤオヨシ、与野フードセンター
千葉県 イオンリテール、おどや、尾張屋、セレクション、ナリタヤ、マックスパリュ関東
東京都 イトーヨーカ堂、いなげや、エコス、エネルギースーパーたじま、Olympicグループ※、サミット、三徳、サンベルク、信濃屋食品、島田屋、スーパーアルプス、西友、ダイエー、東急ストア、トップ、ニューヤヒロ、花正※、保土田、マルエツ、マルフジ、マルマンストア、三浦屋※、三越伊勢丹フードサービス、ヤマイチ、ライフコーポレーション
神奈川県 小田原百貨店、成城石井、たまや、やまか、百合ヶ丘産業、ロピア
新潟県 魚栄商店、カワマツ、ナルス、原信
石川県 鍛冶商店、マックスバリュ北陸、マルエー※
福井県 かじ惣、ハニー、ユース
長野県 マックスバリュ長野、マツヤ
岐阜県 バロー、ファミリーストアさとう
静岡県 ヒバリヤ
愛知県 えぷろんフーズ、カネス工、キシショッピングセンター、清水屋、マックスバリュ中部、ヤマナカ、ユニー、 義津屋
三重県 一号館、ぎゅーとら
滋賀県 フタバヤ、平和堂
京都府 なかむら
大阪府 イズミヤ、近商ストア、京阪ザ・ストア※、光洋、サンプラザ、ショッピングセンター池忠、スーパーサンエー、マルシゲ、万代※
兵庫県 主婦の店 赤穂店※、三杉屋※
奈良県 吉野ストア
和歌山県 オークワ、サンキョー、松源
島根県 キヌヤ、島根県農業協同組合ラピタ、みしまや、ヤマダヤ
岡山県 マルイ、天満屋ストア
広島県 イズミ、Aコープ西日本、三和ストアー、ニチエー、ハローズ、藤三、フレスタ、マックスバリュ西日本
山口県 中央フード、丸久、ユアーズ・バリュー
徳島県 オオキタ
香川県 マルナカ
愛媛県 大見屋、セブンスター、波止浜スーパー、フジ
高知県 くりはら、サンプラザ、末広、土佐山田ショッピングセンター
福岡県 イオン九州、Aコープ九州、トライアルカンパニー、西鉄ストア、マックスバリュ九州
長崎県 つばき屋、東美
大分県 サンライフ
宮崎県 マルイチ
鹿児島県 大丸、タイヨー、 山形屋ストア
沖縄県 イオン琉球、サンエー、丸大、リウボウストア

(※:導入予定)

 

百貨店

栃木県 福田屋百貨店
群馬県  高崎髙島屋
東京都 小田急百貨店、そごう・西部、丸井
岐阜県 岐阜髙島屋
大阪府 髙島屋
鳥取県 米子髙島屋
岡山県 岡山高島屋
福岡県 井筒屋※、コレット井筒屋※

(※:導入予定)

 

ドラッグストア

岩手県 薬王堂
宮城県 ダルマ薬局、マツモトキヨシ東日本販売
群馬県 クスリのマルエ
埼玉県 トウブドラッグ
千葉県 マツモトキヨシ
東京都 ウェルパーク、 トモズ、ぱぱす
神奈川県 力メガヤ
石川県 クスリのアオキ
山梨県 イタヤマメディコ
長野県 マツモトキヨシ甲信越販売
岐阜県 中部薬品、ユタカファーマシー
静岡県 杏林堂薬局
愛知県 杉浦薬品、スギヤマ品
大阪府 弘陽薬品
兵庫県 タキヤ
岡山県 ザグザグ、マツモトキヨシ中四国販売、ラブドラッグス
山口県 岩﨑宏健堂
福岡県 マツモトキヨシ九州販売

 

ホームセンター

青森県 サンデー
群馬県 カインズ
埼玉県 LIXILビバ
新潟県 コメリ
沖縄県 メイクマン※

(※:導入予定)

 

生協事業連合

愛知県 東海コープ事業連合
大阪府 コープきんき事業連合
広島県 コープ中国四国事業連合
福岡県 コープ九州事業連合

 

倉庫型会員制ストア

神奈川県 コストコ ホールセールジャパン

 

ボランタリーチェーン本部

東京都 全日本食品

 

ディスカウントストア

静岡県 マキヤ
兵庫県 ヒラキ
福岡県 ミスターマックス
大分県 アタックスマート

 

 

●卸売業・メーカー
食品飲料

北海道 シュレン国分、スハラ食品、日本アクセス北海道、北海道リョーショク
青森県 丸大堀内
宮城県 東北国分
山形県 山形丸魚
福島県 福島リョーショク、ボーキ佐藤
栃木県 関東国分
埼玉県 関東リョーショク
千葉県 ユアサ・フナショク
東京都 国分、国分フードクリエイト東京、東京国分、ナックスナカムラ、日本アクセス、日本酒類販売、廣屋国分、三井食品、三菱食品
神奈川県 神奈川国分
新潟県 新潟国分、新潟リョーショク
富山県 富山ヤクルト販売、北陸中央食品
石川県 カナカン、北陸リョーショク
福井県 北陸国分
長野県 マルイチ産商
岐阜県 岐阜リョーショク
静岡県 ヤマキ
愛知県 昭和、トーカン
三重県 東海国分
大阪府 飯田、伊藤忠食品、ゴールドエッグ、三陽物産、ヤタニ酒販
兵庫県 加藤産業、ヒメカン、兵庫国分
島根県 山陰国分
岡山県 東中国国分、藤徳物産
広島県 サンリック国分
山口県 西中国国分
香川県 四国国分、四国リョーショク
高知県 旭食品
福岡県 コゲツ産業、ヤマエ久野
長崎県 長崎国分
大分県 大分国分、大分リョーショク
鹿児島県 南九州国分

 

菓子

北海道 ナシオ
栃木県 関口※
東京都 国分菓子、コンフェックス、ハセガワ、美多加堂
新潟県 清野屋、田代コンフェックス
岐阜県 桑名屋
静岡県 大黒屋
愛知県 正直屋、杉秀コンフェックス、種清
京都府 相互
大阪府 エヌエス、山星屋、横山※
兵庫県 播磨物産※
鳥取県 えびす本郷
広島県 外林、ふたばコンフェックス
福岡県 イシカワ
熊本県 木村
大分県 大島屋
鹿児島県 セイカ食品※

(※:導入予定)

 

日用品化粧品

宮城県 東流社
埼玉県 麻友
千葉県 あらた、伊東秀商事、冨田屋商店
東京都 井田両国堂、エーアンドティー、花王グループカスタマーマーケティング、カネボウ化粧品、コーセー、資生堂販売、中央物産、東京堂、ときわ商会、柳屋
石川県 トゥディック
長野県 イシザワ
三重県 元三
大阪府 Paltac、 ピップ
兵庫県 エコートレーディング、ハリマ共和物産、 P&Gマックスファクター、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン
長崎県 長崎共和
大分県 大分共和
沖縄県 アサヒ化粧品販売

 

医薬品

東京都 アルフレッサヘルスケア、大木、佐藤製薬※、東邦薬品
愛知県 興和、中北薬品※
福岡県 リードヘルスケア
沖縄県 琉薬

(※:導入予定)

 

アパレル・靴・スポーツ用品

宮城県 弘進ゴム
東京都 アディダスジャパン、オーロラ、オンワード樫山、クロスロード、ゴールドウイン、三陽商会、昭和ドレス、トモエ商事、トリンプ・インターナショナル・ジャパン、ナイガイ、ブルーミング中西、へインズブランズジャパン、三鈴商事、レナウン、アマガサ※、イギン※、大塚製靴※、オギツ、サンエー・インターナショナル※、ツカモトコーポレーション、フェニックス※
神奈川県 アツギ
岐阜県 水甚、ラブリークィーン
愛知県 クロスプラス
京都府 ワコール
大阪府 アズ、グンゼ、シウラスポーツ用品、住金物産、山喜、ジョイックスコーポレーション※、ヒロウン※、ミズノ
兵庫県 アシックス

(※:導入予定)

 

食品メーカー

岩手県 銀河フーズ
茨城県 タカノフーズ
栃木県 滝沢ハム
群馬県 JA高崎ハム、富士食品工業
東京都 紀文食品、JA全農ミートフーズ、スターゼン、東京凬月堂、、プリマハム、ママダ商店、マルハニチロ、明治、森永乳業、モンテール、ヤクルト本社、山崎製パン
神奈川県 日本農産工業
新潟県 越後製菓
長野県 信州ハム
静岡県 米久
愛知県 東海漬物、富匡、丸越
大阪府 恩地食品、神戸屋、日本ハム、丸大食品
兵庫県 伊藤ハム
和歌山県 築野食品工業※
広島県 三島食品
福岡県 九食※
鹿児島県 いわきり

(※:導入予定)

 

家庭用品

東京都 貝印、コラムジャパン、ジェムコ、吉安
富山県 リッチェル
岐阜県 リス※
愛知県 G.R.S.、藤栄
大阪府 象印マホービン
兵庫県 ヒメプラ
和歌山県 アイセン

(※:導入予定)

 

包装資源

埼玉県 中央化学
千葉県 エフピコインターパック
東京都 オカベ、オカモト、石本、タツミ産業、テンタック
神奈川県 関口商事
石川県 七宝商事
福井県 北陸デラップス※
岐阜県 リスパック※
愛知県 折兼、種清、折武※
大阪府 オルディ
島根県 タカハシ包装センター※
岡山県 岡山食品容器
広島県 石田商店、エフピコ
山口県 ブンシジャパン
福岡県 アペックス、日野出

(※:導入予定)

 

玩具ホビー

東京都 石川玩具、タカラトミーマーケティング、ハピネット

 

家電

群馬県 吉井電気
東京都 オーム電機

 

その他

東京都 物流機器 ナンシン
大阪府 介護用品 幸和製作所

 

4.卸・メーカーにおけるメリット

(1)メッセージの統一化で開発コストが大幅に削減される

100社の取引先1社につき5年に1回プログラムを改修する場合、1回あたり10万円のコストがかかるとして10万円×20本/年=200万円/年の維持コストが削減可能。

 


(2)通信時間が短縮され通信コストが削減される

流通BMSはJCA手順に比べて約93%の時間短縮が実証されている。
1日60分×3回線通信した場合(通話料金は市内通話料金[8.5円/3分]で計算)8.5円/3分×180分/3分×20日×12カ月=12万2400円/年

通信コストの削減メリットも大きいが、1時間早く出荷業務に取りかかれる効果は計り知れない。


(3)伝票レスにより伝票発行時間とコストが削減される

複写式の伝票そのものは1枚当たり数円だが、一連の業務に関わる人件費を考えると、それぞれの企業で1枚当たり数十円のコストが発生しているという試算もある。
(伝票枚数 100枚/日の例) 50円×100枚×20日×12カ月=120万円/年


(4)出荷業務の品質向上につながる

小売にとっての「検品レス」は卸・メーカーに出荷精度の向上を求めている。


(5)売掛照合がタイムリーにおこなえる

受領データは小売から日々受信。 これまで月単位の売掛照合が毎日チェックできる。

5. 導入前のチェックポイント

「何を検討すればよいかわからない」企業のために、 流通BMS導入に失敗しないためのチェックポイント

「いざシステムを導入しようとすると、何を検討すればよいかわからない」 そんな企業のために、流通BMS導入に失敗しないためのチェックポイントをご紹介します。ぜひパッケージソフト検討の参考にしていただきたいと思います。

 

取引する小売りの増加に対応する


(1)小売りの追加に対応しやすいか

~小売ごとに異なる対応が必要と考えよう~

同じメッセ―ジ(たとえば受注データ)でも小売により利用する項目が異なる場合があります。 基幹システムとの連携も項目ごとにデータ変換するため、1社対応したからといって、そのまま他社の流通BMSに対応できるとは限りません。流通BMSといえども小売毎に対応するという考えが必要です。

 


(2)小売りの追加のコストは適切か、または自社開発可能か

~2社目以降の追加コストを事前に把握しておこう~

特定小売専用ソフトは2社目以降は対応できないものがあります。また追加できる場合でもそのコストはいくらかかるか、自社で簡単に開発できるか、あらかじめ把握しておきましょう。

 


(3)将来、拡張性のあるシステム構成か

~データ量に応じた機器を選定しよう~

1回で受信するデータ量に応じてシステムを選定する必要があります。データ量が多い場合はサーバーOSでの運用が望ましいと言えます。 またバックアップシステムも検討しておきましょう。

 

 

開発コストを抑える


(1)データマッピング機能は使いやすいか

~EDIの追加は自社でコストをかけずに開発しよう~

パッケージソフトの選定で確認したいのがデータマッピング機能の使いやすさ。新たな小売の追加や基幹システムと連携する際に必ず必要となります。 特にJCAの変換にも利用する場合は、その使いやすさが生産性に大きく影響します。

 


(2)基幹システムとの連携は容易か

~基幹システムと柔軟に連携できるパッケージを選定しよう~

パッケージソフトを導入してから気づくのが基幹システムの連携の必要性。特定小売専用ソフトは基幹システムとの連携が難しい場合もあるので注意が必要です。

 


(3)EDIシステムに各種メッセージを保管できるか

~基幹システムに手を加えず、EDIシステム側にデータベースを持とう~

小売により利用するメッセージ種別は異なりますが、それらをどこで保管するのが良いのか。流通BMSはJCAに比べ受信データの項目数がはるかに多くなっています。 極力基幹システムには手を加えたくないので、EDIパッケージ内にデータベースとして保持することをおすすめします。

 

 

EDI業務を柔軟に運用する


(1)拠点や複数端末からの処理は可能か

~複数の出荷拠点がある場合、データ操作は分散しよう~

営業拠点や物流拠点から分散して処理する場合や、同一拠点で複数端末からデータをメンテナンスする必要がある場合は、複数の端末で運用が可能なシステムが望ましいと言えます。

 


(2)データの新規、訂正入力や帳票出力は可能か

~受注データの新規作成や訂正が必要な場合、EDIで対応しよう~

本来すべての受注はオンライン化されるものですが、どうしても緊急の受注や訂正が発生します。
これまでは基幹システムで対応できましたが、流通BMSの膨大なメッセージを保持しない限り出荷や請求の送信データが作れません。 また基幹システムで帳票発行している企業も、緊急対応時にはEDIシステムでも発行できる体制が求められます。

 

 

センターに納品する


 

(1)出荷検品に対応しているか

~出荷梱包メッセージを作成しよう~

流通BMSは伝票レス、検品レスを実現するため、特に小売の物流センターに納品する場合は、正確な出荷情報の送信が求められます。 出荷梱包ナンバーと商品のヒモ付きデータを作成するための検品システム構築が、卸・メーカーで必要となります。

 

 

再構築する


 

(1)JCA、全銀、全銀TCP/IP手順も対応しているか

~EDIを汎用機、オフコンから移行しよう~

これまで構築してきたレガシーEDIの資産をどうするか。JCAや全銀、全銀TCP/IP手順に対応しているとシステムを再構築する際、流通BMSとレガシーEDIを統合することができます。

 

 

 

パッケージソフトの位置づけを確認


検討しているパッケージは、どういう位置づけのソフトなのか?
導入前によく理解することが大切です。

通販ツール EDI業務アプリ 検品アプリ 基幹連携
特定小売専用ソフト 可 可 可 不可
通信ソフト 可 不可 不可 あまり向かない
EDI汎用ソフト 可 可 可 可

6. 導入事例

Case1

流通BMS対応を機にEDIを再構築

株式会社ヤクルト様

 

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これまで、汎用機やUNIXで構築してきたEDIは、約250社500メッセージ。流通BMS対応を機にJCA手順も全面的にダウンサイジングし、導入、維持コストの大幅な削減に成功しました。

 

Case2

基幹システムの再構築を機にEOSも刷新

日本農産工業株式会社様

 

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日本農産工業様では、EOS端末の老朽化や、新規EOS先追加時のコストや納期、システムの分散化による運用負荷の増大などが課題となり、EDIシステムを刷新しました。

 

Case3

事業継続計画(BCP)を重視しつつ流通BMSに対応

アシックス商事株式会社様

 

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スーパー イズミとの流通BMSに対応することになったアシックス商事様では、一時はEDIのアウトソーシングを検討するも、将来を見据え、自社開発を基本としたパッケージシステムの導入を決定しました。

 

Case4

流通BMSへの対応を機に、EDIシステムを再構築

株式会社ちふれ化粧品様

 

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ちふれ化粧品様の基幹システムはIBMのAS/400(当時)。既存システムでは流通BMS対応が困難だったため、新たに流通BMS用システムを構築しました。パッケージの選択条件はデータベース機能の有無でした。

 

Case5

シジシージャパンとの流通BMSに対応

恩地食品株式会社様

 

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関西CGCから流通BMSへの対応要請が来た恩地食品様。それにはオフコンでは対応不可能と判断。そこで新たに流通BMS用EDIをクライアントPCで構築しました。

 

Case6

JCA手順や流通BMSによるEDIへの対応を実現

扇町運送株式会社様

 

>>詳細はこちら

近畿・中四国エリアへの物流サービスを得意とする扇町運送様は、新たに量販店向けの出荷業務を受託したことから、JCA手順や流通BMSによるEDIへの対応が必要になりました。

 

7. 成功のカギは物流品質向上にあり

出荷梱包メッセージの要請は積極的に対応しよう


卸・メーカーのあるべき姿は、正確な出荷体制にあり

流通BMSは伝票レスを目指しているため、小売側の入荷検品作業も大きく変わります。
卸・メーカーの出荷検品が正しいと判断し、梱包に貼付されたSCMラベルのバーコードをスキャンするだけで入荷検収とするのです。そのため、卸・メーカーでは物流品質の向上が求められることになります。

つまり、誤出荷を防止するため、ハンディターミナルなどを用いたバーコード検品の体制と出荷梱包データの作成が必要となります。

これは一見小売の都合であり、小売にしかメリットがないように思われます。
しかし出荷精度の向上を実現するのは卸・メーカーの本来あるべき姿であり、正確な商品管理につながるのです。

小売の要請のあるなしにかかわらず、物流品質向上は常に意識すべき経営課題と考えましょう。

8. 流通BMS対応パッケージ「EOS名人」

卸・メーカー向け流通BMS対応パッケージEDI業務に必要な機能をオールインワンで提供


出荷実績2500本を誇るEOS名人、流通BMSからレガシーまで中堅企業のEDI業務をトータルでサポート

小売業と取引する卸・メーカー向けに開発・サポートしてきたEOS名人の出荷実績が約2500本になりました。

大手量販店、食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなど様々な小売とのオンラインをワンシステムで実現するため、通信機能(JCA、全銀、全銀TCP/IP、流通BMS=JX手順)だけでなく、追加入力やデータ訂正、さらに帳票発行機能まで実装。 流通BMSの基本形9メッセージをデータベースで提供します。

基幹システムとの連携で欠かせないのがデータマッピング機能。直感的な操作性が好評で、入出力項目間の演算やマスタ参照にも対応しています。さらにJCAのデータ変換にも威力を発揮し「プログラム開発から解放され、生産性が一気に向上した」(ヤクルト本社 石川所長)と、EDI再構築にも適したパッケージです。

流通BMS、レガシー対応 EDIシステム「EOS名人.NET」

運用に合わせ柔軟に選べるラインナップも魅力

ひとことで卸・メーカー向けといっても規模や運用形態は様々です。
そのためEOS名人は運用に合わせ柔軟にシステムが選択できます。

最小構成はStandard版で、パソコン一台で複数社とのオンラインが可能。複数端末からの処理やデータ量の増加に対応する場合はEnterprise版となります。
また、通信機能が必要のないクライアント用として拠点用ソフトウェアが用意されています。出荷検品オプションは、出荷梱包メッセージに必要な機器とソフトがセットされた商品で、複数小売のラベルが発行できます。

 

拡張性 -モデルケース-

導入ステップ1

PC1台によるスタンドアロン運用

・JCAオンライン先は10社あり、基幹システム(オフコン)で行っている。

・流通BMSの対応のためEOS名人Standard版を導入。

小さく入れて、大きく育てる

導入ステップ2

サーバー運用による大規模システム

・基幹システムのオープン化に伴い、EDIも再構築。

・EOS名人をEnterprise版にアップグレード。JCAのオンラインを統合し、データ量の増加に対応。

・さらに物流センターなど他拠点からの出荷にも対応。

 

ラインナップ

EOS名人.NET Enterprise版 1回で受信するデータ量が多い場合や、複数端末で処理したい場合など、クライアント/サーバーで運用するタイプ
EOS名人.NET Standard版 パソコン1台でのスタンドアロン運用
拠点用ソフトウエア 通信機能を省いた拠点用ソフト
流通BMS出荷検品オプション ハンディ、ラベルプリンタおよび出荷検品ソフトのセット
百貨店オプション 高島屋と丸井が採用している百貨店メッセージ
通信ソフト 各手順に対応した通信ソフト

9.流通BMSトピックス