
保険業界の業務効率化とは?RPA導入で見積時間75%削減した成功事例も紹介

少子高齢化や人手不足、商品・チャネルの多様化など、保険業界を取り巻く環境は大きく変化しています。
その中で、現場の負荷が集中しやすいのが「バックオフィス業務」です。
本記事では、保険業界におけるRPA(Robotic Process Automation)の活用領域と事例を整理しながら、保険代理店がバックオフィス業務を効率化した具体的な方法を、REAL LIFE株式会社様の事例を交えて解説します。
保険業界を取り巻く環境変化と「業務効率化」の必要性
保険業界では、ここ数年で次のような変化が見受けられます。
- 人口減少・高齢化による営業人員・事務人員の確保難
- 対面だけでなく、オンライン相談・Web申込・チャットなど顧客接点の多様化
- 新しい商品・特約の登場により、商品知識のキャッチアップ負荷の増大
- 事故対応や保険金支払いに対するスピード・透明性への期待の高まり
- 既存の基幹システムや紙文化が残る中でのDX推進プレッシャー
こうした状況のしわ寄せは、多くの場合、バックオフィス業務に集まります。
- 契約内容や見積のチェック
- 各種帳票の作成・送付
- 保険会社や関係先とのやり取り
- データ入力・集計・レポート作成 など
人手だけで支え続けるには限界が見え始めており、「ミスなく・早く・少ない人数で回す仕組みづくり」が、保険会社・保険代理店共通の課題になっています。
その現実的な打ち手の一つとして、既存システムを入れ替えずに、画面操作や定型作業を自動化できるRPAが選ばれるケースが増えています。
保険業界でRPAが活躍しやすい業務領域
保険業務の中には、ルールが明確で、決まった手順で進む定型作業が数多く存在します。こうした業務は、RPAと非常に相性が良い領域です。
契約・申込処理(新契約・異動・保全)の自動化
- Webや紙で受け付けた申込情報を、基幹システムに転記・登録する作業
- 不備チェックや、必要書類の有無確認
- 契約情報の更新・異動処理
いずれも、
- 「特定のシステムにログイン」
- 「該当の画面を開く」
- 「項目ごとにデータを入力」
- 「完了ボタンを押す」
といった画面操作の繰り返しが中心であり、RPAで代替しやすい業務です。
保険金支払い・クレーム処理の効率化
保険金支払い・クレーム対応では、次のような定型作業が発生します。
- 事故受付内容の登録
- 必要書類のチェック結果の入力
- 支払い条件の判定結果の転記
- 支払い処理後の帳票作成・社内システムへの登録
判断そのものは人が行うとしても、「システムへの入力」「帳票の作成・保存」といった事務処理部分のみをRPAに任せることで、担当者はお客様とのコミュニケーションに集中できるようになります。
保険契約一覧・レポート作成の自動化
- 契約件数・保険料・解約状況などの定期レポート作成
- 営業別・支社別の実績集計
- キャンペーン対象者リストの作成
複数システムからデータを抽出し、Excelで加工してレポートを作るような業務は、担当者の工数を大きく圧迫しがちです。
RPAであれば、
- 各システムにログインしてデータダウンロード
- 所定のExcelテンプレートに貼り付け
- グラフやピボットを更新
といった処理を決まったスケジュールで自動実行できます。
代理店支援・バックオフィス事務の自動化
保険代理店のバックオフィス業務も、RPAが活躍しやすい典型的な領域です。
- 満期更新の案内リスト作成
- 各社システムをまたいだ契約状況の確認
- 見積作成や帳票出力
- 顧客情報のシステム登録・更新 など
特に、複数の保険会社システムを相手にする乗合代理店の場合、「同じ内容を何度も入力する」ことが日常的に発生しており、RPA導入の効果が出やすい業務と言えます。
保険代理店のバックオフィス業務とよくある課題
保険代理店のバックオフィスでは、次のような課題がよく見られます。
複数保険会社への見積・申込手続きの手間
乗合代理店では、お客様のご意向に応じて複数の保険会社から見積を取り寄せることが当たり前になっています。
しかし実際には、
- 各社のWeb見積システムにそれぞれログイン
- お客様情報・物件情報など、同じ内容を何度も入力
- 条件変更やパターン比較のたびに再入力と再計算
といった、手間のかかるプロセスになりがちです。
紙・FAX・メールが混在する情報管理の煩雑さ
- 紙の申込書
- メールで届く見積依頼
- FAXで来る問い合わせ など
情報の入口がバラバラなため、
- どこに最新情報があるのか分かりづらい
- 担当者しか状況を把握できない
- 情報が散在し、ミスや抜け漏れが発生しやすい
といった問題も起きやすくなります。
属人化・残業前提になりがちなバックオフィス運営
「この案件はあの人しか分からない」といった属人化や、繁忙期の残業前提の業務設計も、大きな課題です。
- 一部のベテラン担当者に業務が集中
- 教育・引き継ぎに手が回らず、業務がブラックボックス化
- 採用難の中で、増え続ける業務に追いつけない
こうした状況が続くと、人材の定着にも悪影響が出てしまいます。
事例紹介|大手保険会社4社の見積もりをRPAで自動作成した保険代理店 株式会社 REAL LIFE
ここからは、こうした課題をRPAで解決した事例として、独立系総合保険代理店であるREAL LIFE株式会社様の取り組みを紹介します。
導入前の課題:火災保険見積業務がボトルネックに
REAL LIFE様では、生命保険・損害保険合わせて多数の保険商品を取り扱っています。
中でも負荷が高かったのが、火災保険の見積業務でした。
- 各保険会社の見積システムへ個別ログイン
- 顧客・物件情報を、会社ごとに何度も入力
- 条件を変えて複数パターンを試算する場合は、さらに入力と確認が増える
営業担当者を支えるクラークチームでは、日々大量の見積依頼を、人手で処理せざるを得ない状況が続いていました。
また、将来的な法改正や業界動向も踏まえ、
- 更新契約においても、複数社の見積提示が求められる可能性
- 営業社員の増加に比例して、バックオフィスの負荷も増えること
が予測されており、「人員を増やすか、業務プロセス自体を見直すか」の判断が必要になっていました。
RPA導入の概要:Web申込から4社分の見積を自動生成
そこでREAL LIFE様が採用したのが、ユーザックシステムのRPAツール「Autoジョブ名人」をベースに、株式会社アイリックコーポレーションが乗合保険代理店向けにカスタマイズした「火災保険RPA見積システム」です。
このシステムでは、次のような流れで見積作成が自動化されています。
- 専用のヒアリングシート(またはWebフォーム)に、お客様・物件情報を入力
- RPAがヒアリング内容を読み取り、
- 大手4社の火災保険見積システムに自動ログイン
- 各社の画面に必要項目を自動入力
- 見積結果を取得し、一覧化して出力
これにより、これまで人が行っていた
- ログイン
- 画面遷移
- 項目入力
- 見積実行
といった操作を、RPAが代わりに実行します。
導入効果:見積作業時間75%削減と営業支援・採用へのプラス効果
REAL LIFE様では、火災保険見積のRPA化により、見積作業にかかる時間を約75%削減できたといいます。
単に時間が短縮されたというだけでなく、次のような波及効果も生まれています。
- クラークチームが、見積入力ではなく「提案内容の検討」や「お客様へのご案内内容のブラッシュアップ」に時間を使えるようになった
- 営業担当者は、「損保が苦手」な状態から、「本社クラークとRPAに支えられて提案できる」状態になり、提案の幅が広がった
- RPA導入の取り組みをホームページ等で情報発信することで、「仕組み化された働き方」に魅力を感じる人材の採用にもプラスに働いた
REAL LIFE様では、RPAを単なる「便利ツール」ではなく、クラークチームの“仲間の一員”として位置づけているのが印象的です。
「煩雑な作業を任せることで、人は人にしかできない価値提供に集中する」そのための土台としてRPAが機能している好例と言えます。
使用したソリューション:Autoジョブ名人 × 火災保険RPA見積システム
この取り組みを支えているのが、
- 画面操作の自動化を担うRPAツール 「Autoジョブ名人」
- 乗合保険代理店向けにカスタマイズされた 「火災保険RPA見積システム」
の組み合わせです。
Autoジョブ名人は、
- 既存の保険会社システム・Web画面に手を加えず
- 人が行っている操作をそのまま「ロボットに置き換える」形で
自動化できるのが特長です。
保険代理店においても、まずは火災保険見積など一つの業務から試し、効果を確かめながら適用範囲を広げていく使い方がしやすいツールです。
事例全文はこちら→株式会社REAL LIFE バックオフィス業務自動化事例
保険業界全体で進むRPA活用の代表的なパターン
REAL LIFE様のような乗合代理店での活用だけでなく、生命保険会社・損害保険会社を含め、保険業界全体でRPA導入は広がりつつあります。
代表的なパターンとしては、次のようなものがあります。
- 新契約・保全・支払いなどの業務プロセスの一部を自動化する
- 営業支援やマーケティング業務の中で、データ集計やリスト作成を自動化する
- 既存の基幹システムに手を加えず、RPAを「外付け」のDX手段として組み合わせる
これらを見て共通しているのは、「既存システムを入れ替えるのではなく、人の画面操作をRPAに代行させることで、業務を止めずに効率化する」というアプローチです。
レガシーシステムが多く残る保険業界において、RPAは「いまある仕組みの上に適用するDXの第一歩」として選ばれやすい技術だと言えるでしょう。
保険代理店・保険会社がRPA導入を成功させるためのポイント
保険代理店・保険会社がRPAを導入する際のポイントをまとめます。
- まずは1〜2業務から始める「スモールスタート」
いきなり全社導入を目指すのではなく、
- 火災保険見積
- 満期更新案内リスト作成
- 定期レポート作成
など、効果が分かりやすい1〜2業務に絞って試すことが重要です。
- 業務標準化・マニュアル整備とセットで進める
RPAは「決まった手順」を自動化する技術です。
そのため、
- 手順が人によってバラバラ
- 例外対応が暗黙知になっている
ような状態では、RPA化が難しくなります。
RPA導入は、業務フローやルールを見直し、標準化するきっかけにもなります。
REAL LIFE様のように、「業務プロセスを整理しつつRPAを組み込む」という発想が重要です。
- 現場部門と情シス・外部ベンダーの役割分担を明確に
- どの業務を自動化するか
- どの画面・システムをロボットが操作するか
- 例外が発生した時に誰が対応するか
といった設計には、現場の業務知識と、技術的な知見の両方が欠かせません。
- 現場部門:業務フロー・ルール・例外パターンの洗い出し
- 情シス・外部ベンダー:RPAシナリオの設計・実装・運用支援
など、役割分担を明確にすると、導入後の運用もスムーズになります。
- 保守・メンテナンスを見据えたツール選定とサポート体制
保険会社や代理店のシステムは、商品改定・法改正などにより、画面構成や入力項目が変更されることも少なくありません。
そのたびにRPAシナリオの修正が必要になることも考えられることから、
- 自社で手を入れやすいツールかどうか
- ベンダーによる伴走支援・サポート体制があるかどうか
というのは、非常に重要なポイントです。
Autoジョブ名人では、導入〜活用〜運用まで無償の伴走支援を提供しており、RPA専任者がいない企業でも、現場と一緒に進めていける体制が用意されています。
まとめ|保険業界の業務効率化、DXの一歩としてRPA活用を視野に
保険業界は、人手不足や商品・チャネルの多様化を背景に、バックオフィス業務への負荷が高まっています。その業務の中には、契約・支払・レポート作成や代理店事務など、RPAと相性のいい定型業務が多く存在しています。
事例で紹介したREAL LIFE様のように、火災保険の見積業務をRPAで自動化することで、見積作業時間を大幅に削減しつつ、営業支援や人材採用にもプラスの効果を生んだ事例も出てきています。
- 「複数保険会社への見積作成に時間がかかっている」
- 「バックオフィスの残業が慢性化している」
- 「損保・火災保険の提案をもっと強化したい」
といったお悩みがあれば、一度RPA活用の可能性を検討してみてはいかがでしょうか。
自社の保険業務のどこを自動化できるかを知りたい方は、RPA「Autoジョブ名人」の資料やオンライン相談をご利用ください。






