株式会社丸冨士 様

FAX送信の自動化にも成功!受発注から入金消込までの業務を「Robo派遣」サービスで自動化。

コア業務に時間が使える中小企業の理想像がここに。その秘訣とは?

ソリューション:
  • RPA
対象製品:
  • Robo派遣
  • Autoジョブ名人
業種:
  • 卸売業

事例(PDF)

中小企業におけるDX推進では、ERPの代わりに複数の独立したシステムを導入するケースが多く、システム同士をどうつなぐかが課題として取り上げられがちです。また、取引先の都合に合わせてFAXによる受発注を仕方なく続けている企業は少なくありません。

長野市に本社を置く従業員数20名の株式会社丸冨士は、1957年創業の食品業界向け専門商社です。同社は受発注管理システムを導入して受発注業務をデジタル化し、販売管理システムをクラウドに移行するなど、段階的にDXを進めていました。
システム間の連携に課題を感じていた同社は、Autoジョブ名人「Robo派遣」サービスを導入し、受注データの取り込み、発注伝票データの作成やFAX送信、入金消込などの業務を自動化します。
その結果、ひと月当たり140〜280時間の削減に成功し、人的ミスがなくなって、担当者の心理的負担が軽減されました。

同社代表取締役の倉石匡啓氏は、「限られた人員で成果を上げるために、システム活用は最重要課題だと認識しています」と語ります。
倉石氏に、「Robo派遣」サービス導入に至るまでの経緯や自動化による効果、成功するコツをお聞きしました。

自社内に備え付けられたオーブン。ここで取扱商品の勉強会が度々開催されている

システム同士を連携して受発注業務を自動化する目的で「Robo派遣」サービスを導入

代表取締役 倉石 匡啓 氏

―――御社の概要と事業内容、ご自身のお立場を教えてください。

倉石匡啓氏(以下、倉石氏)当社は、主に製菓・製パン業界に向けて、原材料・包材の卸販売から厨房機器の販売・設置、店舗開業支援、OEM製造まで幅広く事業展開しています。
長野県を拠点に「食を支えて地域を照らす」という理念の下、地域の食産業全体の価値向上に貢献することを目指しています。
近年では、地元産米粉を使ったグルテンフリー商品などの企画・製造にも注力しています。

品質の高い商品を数多く取り揃えている

私は大学を卒業してすぐに家業に入り、今から10年ほど前に3代目社長に就任しました。代表取締役として経営全般を見つつ業務改善に注力し、最近はバックオフィスの最善形を追求しています。
限られた人員で成果を上げるためにシステム活用を最重要課題と認識し、全てに積極的に関与しています。

―――「Robo派遣」サービスを知ったきっかけや導入までの経緯を教えてください。

倉石氏:2024年の夏に販売管理システムをクラウドに移行したタイミングで、販売管理システムへの受注データの入力作業を自動化したいと考え、大手受発注管理システムの担当者にユーザックシステムを紹介していただきました。当社は既に複数の受発注管理システムを導入して受発注業務をデジタル化するなど段階的にDXを進めていましたが、販売管理システムへのデータ入力に時間や労力がかかる上、ミスが多発することが悩みでした。
SAPのような高機能なERPを導入できない中小企業の場合、複数の独立したシステムを使わざるを得ません。その結果、システムとシステムをどうつなぐかが最大の課題になっていました。また、中小企業は、限られた人員でどれだけ成果を出せるかが勝負です。業務の多くがルーティンである以上、自動化によって人的リソースを創造的な領域へシフトさせ、生産性を上げなければなりません。
「Robo派遣」サービスは、こうした部分を柔軟に補完してくれるサービスであり、「これだ!」と感じました。

FAX送信を含む受発注業務の自動化を実現

RPAを動かしているPC

―――「Robo派遣」サービスで具体的にどのような作業を自動化していますか?

倉石氏:受注から発注までの幅広い作業を自動化しています。受注データの取り込み、発注伝票データの作成とFAX送信、入金消込などです。
当社は受発注管理システムの「クロスオーダー」と「Bカート」を活用しており、クロスオーダーとBカートから受注データをダウンロードして販売管理システム「FLAM」用にデータを変換し、売上伝票データとしてFLAMにアップロードする作業と、納品書と受領書を印刷する作業を自動化しています。
また、Bカートからダウンロードした受注データを発注伝票データに変換してFLAMへアップロードしてリスト化し、上から順番にFAX送信する作業も一部自動化しています。あらかじめFLAMに仕入先マスタを整備し、仕入先への発注時にAutoジョブ名人がFAX番号を参照してFAXを送信する仕組みです。
加えて、Bカートから領収書データをダウンロードしてメールで送信する作業も自動化しています。

また、入金情報データをダウンロードして入金伝票データを作成し、FLAMにアップロードする作業も自動化しています。

Robo 派遣イメージ(入金消込の流れ)

―――FAXを使う業務は時間や手間がかかり、やめたいと考えている企業は多いですが、簡単ではないようです。

倉石氏:FAXという文化そのものが、いわば“ガラパゴス日本”の象徴だと思っています。正直、完全にやめたいというのが本音ですが、相手の都合に合わせざるを得ないので、現時点では適応するしかありません。だからこそ省力化できるところは徹底的に省力化する必要があり、「Robo派遣」サービスの導入は大きな前進でした。

―――自動化による定量的な効果や定性的な効果を教えてください。

倉石氏:FAXによる発注は、同じ取引先に複数回発注するケースもあり、1日あたり40〜50件に上ります。1件の送信に平均3分かかっていたとすると、1日あたり120〜150分、時給を1,500円とすると、毎日3,000〜3,500円相当のコストがかかっていた計算になります。それが自動化によって不要になり、すぐに投資回収ができると確信しました。
領収書の自動送付と入金の自動消込についても、本当に素晴らしい成果が出ています。
当社は業績の拡大に伴って入金件数が増えており、金額や振込名を確認しながら消込作業をするのに非常に時間がかかっていました。最初のうちは自動化がうまくいかない部分もありましたが、何度もスクリプトを修正していただき、現在は問題なく稼働しているので非常に助かっています。

2025年8月時点で14スクリプトが稼働し、1スクリプトあたり10〜20時間を削減できています。合計で140〜280時間の作業時間が削減でき、人的ミスがなくなって、担当者の心理的負担も軽減されました。
また、受注が増えると人を増やさなければならないのが普通ですが、自動化によって人件費を気にする必要がなくなり、売上を伸ばすための施策に集中できるようになったことも大きいですね。

―――「Robo派遣」サービスは、低コストで自動化体制を維持でき、開発や運用のための人材を確保する必要がないため、中小企業でも気軽に導入できる点が特徴です。導入のハードルは低かったですか?

倉石氏:非常に低かったです。買い切りのサービスだと、何かあったときの対応にコストがかかるため導入に慎重になりがちですが、「Robo派遣」サービスは、月々の料金に開発や運用の費用まで含まれていて、困ったときにすぐに対応をお願いできます。
既に元は取れていると思いますし、ITベンダーとの付き合い方として理想的だと考えています。

―――ユーザックシステムの担当者の対応はいかがでしたか?

倉石氏:非常に良かったです。営業担当者だけでなく開発担当者とも直接やり取りでき、自動化の前に業務フローを可視化しながら、開発側の視点から的確な提案をいただけた点は大きな安心材料でした。
こちらの業務を理解した上で仕様に合わせた提案をしてくれるケースは、過去に例がなく新鮮でした。また、やり取りがとてもスムーズで、結果的に自動化までのスピードが速く、品質も高くなりました。

まずは自動化を「始めてみる」ことが大事

ペーパーレス化が進んでおり、棚に紙やファイルがほとんどない

――― 今後どのような業務に「Robo派遣」サービスを活用していきたいと考えていますか?

倉石氏:現時点で受発注に関連するほとんどの業務を網羅的に自動化していただいたため、当面は新たな領域での活用予定はありません。ただ、社内業務が変化する中で、新たなニーズが出てくると思いますので、その際にはまた相談したいと考えています。

――― 「Robo派遣」サービスに対応しているAutoジョブ名人のバージョン(7.0)以降は、業務の自動化状況をクラウドで一元管理する「Pixis Cloud」と連携しています。「Pixis Cloud」はパソコン以外のデバイスからもスクリプトのエラーや導入効果が可視化できる点が特徴です。

倉石氏:
スマートフォンからもスクリプトの稼働状況が確認できるのはいいですね。当社は働き方改革の一環で将来的にテレワークを導入する予定なので、場所を問わずに現状が可視化できる仕組みはありがたいです。

―――中小企業の場合、「RPAに興味はあるが、コストや人材不足がネックになって導入に踏み切れない」「導入したものの効果を実感できない」企業が少なくありません。こうした企業に向けて何か一言頂けますでしょうか。

倉石氏:
かつてのような「人余り」は過去の話で、今後はさまざまな局面でインフレが続き、最低賃金1,500円時代・人手不足時代に突入していきます。中小企業が生き延びるためには、RPAのような自動化ツールを“レバレッジ”として活用し、競争優位性を保ちながら、付加価値を生み出していかなければなりません。
重要なのは「業務にシステムを合わせる」のではなく、「システムに業務を合わせる」こと。業務を棚卸し、再定義し、定型業務にまで設計し直せば、自動化は必ず実現できます。
逆に捉えれば、それができない業務を「ムダ」だと捉えられるかどうかなのです。RPA導入に踏み切れないのは、技術ではなく発想の問題ではないでしょうか。

まずは”相談して始めること”です。始めなければ生き残れない、と言っても過言ではありません。当社は過去にさまざまな製品やサービスを導入し、失敗もしてきましたが、そうした経験から言えるのは、「不安があってもとりあえず試してみるべき」だということです。
仮に失敗しても、「Robo派遣」サービスは非常に低コストですし、いくらでもやり直しがききます。

出荷する商品を保管している倉庫

―――ユーザックシステムは、物流業務の自動化に関するノウハウやソリューションを持っているところが強みです。
今後、ユーザックシステムに期待することをお聞かせください。

倉石氏:
物流業界は人手不足など課題が多いため、自動化できる業務は自動化すべきです。当社はお客様のお困りごとに積極的に応える姿勢を大切にしており、こうした姿勢はなくしてはならないと考えています。
むしろテクノロジーの発達によって、人にしかできない仕事がより重要になってくるのではないでしょうか。
今後も省力化できるところは徹底的に省力化し、お客様と向き合う時間を大切にしていくつもりです。
ユーザックシステムには、これからも中小企業の現場に寄り添ったソリューションを継続的に提供していただくことを期待しています。

――― 本日はお忙しいところ、貴重なお話をありがとうございました。

企業プロフィール
会社名 株式会社 丸冨士
本社 〒380-0918 長野県長野市アークス 8-20
設立 昭和36年2月
資本金 10,000,000円
事業内容 製菓製パンの原材料、包装資材、専門器具の販売 厨房機械の販売・メンテナンス ベーカリー・洋菓子店・和菓子店・喫茶店等の独立開業支援 食品製造・リパック作業
Webサイト https://maru-fuji.biz/

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