フクシマガリレイ株式会社 様
基幹システムの再構築を機に送り状発行システムも刷新。
検品システムとの連動で送り状発行を自動化し、年間2,440時間の導入効果を創出。


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事例概要
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●専任担当者1名が「カルタ取り」などに1日中追われ、繁忙期には月40時間以上の残業が発生していた。
●梱包前の送り状発行により、梱包後の個口数変更による「送り状再発行」が1日30~50件発生していた。
●1日500件の問合せ番号入力の手作業や、用紙の差し替えに伴うヒューマンエラーが発生していた。

●送り状発行作業が自動化されたことで、正社員1名の上流工程へのシフトに成功。
●業務フロー改善により「送り状再発行」が0になり、業務のムダを排除。
●入力業務を排除できたことでミスが0になり、円滑な業務を実現。
大阪市に本社をかまえるフクシマガリレイ株式会社は、2026年に創業75周年を迎えた業務用冷蔵庫・冷凍冷蔵ショーケースのリーディングメーカーです。製品の開発・製造・販売から店舗への据え付け工事、さらには保守・メンテナンスまでを一貫して手掛ける体制を強みとしています。2026年現在、グループ従業員数は約2,600名、売上高は1,000億円を突破。業務用冷蔵庫では国内シェア約30%、スーパーなどで利用されるショーケースでは約35%を占め、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、飲食チェーンなど、全国の食を支える現場で同社の製品が活躍しています。近年では、長年培ってきた「冷やす技術」を医療・理化学分野やコールドチェーン全体へと展開。大阪本社を拠点に全国47都道府県へ営業網を広げるとともに、東南アジアを中心とした海外市場にも積極的に進出しています。
一方、同社は20年以上にわたり自社開発の基幹システムを運用してきました。機能追加を重ねながら活用してきたものの、拡大する事業規模や取引形態の変化に伴い、システム全体を抜本的に見直す時期を迎えていたのです。そこで2024年、全社横断の基幹システム刷新プロジェクトがスタート。その中でも送り状発行業務は、Microsoft Accessで構築したシステムの保守・改修が限界を迎えつつあり、将来を見据えた仕組みへの刷新が大きなテーマとなっていました。しかし、自社開発による大規模な基幹システム刷新プロジェクトを進めるなかで、送り状発行システムまで自社で開発・保守するには、開発リソースの確保が大きな課題となりました。そこで、保守性や拡張性も考慮し、送り状発行業務にはパッケージソフトを採用する方針を決定。各社のパッケージソフトについて比較検討を重ねた結果、岡山・滋賀の2つの部品センターにユーザックシステムの「送り状名人」を導入しました。導入後は、検品システムと連携した送り状発行の自動化により、年間2,440時間もの業務削減を実現。現場の負荷軽減だけでなく、今後のシステム運用・保守の効率化にもつながっています。
本稿では、情報戦略部 システム2課 課長として基幹システム刷新プロジェクトを主導された朝原 徹 様と、岡山工場 部品センターの小山 雄三 様(「送り状名人」導入当時のセンター長)に、プロジェクトの背景や導入までの経緯、そして現場にもたらされた具体的な成果について詳しくお話をうかがいました。


出荷管理の業務フロー改善が急務となっていた

―――「送り状名人」の導入を検討された背景には、どのような全社課題と現場の課題があったのでしょうか?
朝原 徹 氏(以下、朝原 氏):当社では、20年前に開発された古い基幹システムを全面刷新する大規模なプロジェクトが立ち上がりました。そのなかで、当社独自の複雑な業務に対応するには、基幹システムを自社開発で作り直す必要があったのです。当初はシステム全体をパッケージソフトに置き換えられないかとも考えました。しかし、当社独自の業務に対応可能なパッケージソフトを見つけることはできませんでした。というのも、当社の業務にはどうしても”臨機応変な対応”が必要です。たとえば、在庫がない部品は工場へ製作を依頼するか、外部から調達しお客様に出荷するというプロセスが発生します。これらの業務は、一般的なパッケージソフトでは対応しきれない複雑さがあります。
また、調査を進めるなかで、送り状発行の業務フローについても課題があることが明らかになりました。運送会社は5社を超え、特殊な出荷伝票も約10種類にのぼります。当時は、Microsoft Accessで開発した送り状発行システムを利用していましたが、システムの機能上柔軟な対応が難しく、メンテナンス負荷の肥大化も問題でした。また、岡山と滋賀の部品センターでは、出荷業務の流れが大きく異なっており、システムを刷新するにあたっては、双方の運用を照らし合わせて業務を標準化するところから着手する必要がある、という課題もありました。
とはいえ、プロジェクトでは新しい基幹システムの開発にリソースを集中したい。そこで、オープン化による今後のメンテナンスや改修の容易さにも考慮したうえで、送り状発行のシステムは基幹システムの開発から切り離して、外部の専用パッケージを導入しようと考えました。

小山 雄三 氏(以下、小山 氏):送り状発行業務の具体的な課題として、まずは出荷伝票の管理に人手と時間がかかっていました。当時は1件の出荷に対し、送り状・ピッキングリスト・納品書をセット組みする作業、いわゆるカルタ取り作業をおこなっていました。
岡山工場では、夏の繁忙期になると1日500件(滋賀では1日200件)もの出荷があり、専属の担当者が一日中張り付いて出荷伝票発行やカルタ取り作業をおこなっていました。さらに、この業務が1人の担当者に依存し、属人化を招いている状態でした。時間でいえば、50件分の帳票を印刷してカルタ取りをするのに1時間以上を要していました。そもそも、ドットプリンターは印刷に時間がかかります。そのため、印刷待ちのロスも生じていたのです。
また、その日の作業が終わったら、翌朝すぐに作業が始められるように、前もって翌日分の帳票類の発行作業をおこなっていました。その結果、繁忙期には毎日2~3時間、月に40時間以上の残業が発生し、遅い日は21時頃まで作業に追われる日々でした。

朝原 氏:送り状再発行のムダが日常的に発生していた点も大きな課題でした。当時はピッキングの前に送り状を発行していたため、梱包が終わったあとに事前に想定していた個口数から変更が生じることがありました。個口数に変更が生じたら、変更後の個口数にて送り状を再発行せざるを得ません。結果的に、1日の出荷数の約1割にあたる、30〜50件程度で送り状発行業務に関する手戻りが発生しており、効率化の妨げとなっていました。
小山 氏:他にも、細かなミスが発生していました。カルタ取りの際に組み合わせを間違えるミスが月に1件程度発生し、誤出荷の要因ともなっていました。それぞれに代品を発送する手間やコストがかかるだけでなく、伝票類を1枚ずつ確認して該当するものを探すといった調査や、お客様への謝罪にも多くのリソースを奪われていました。
また、当時は運送会社5社の送り状を2台のドットプリンターで打ち分けていたため、送り状の架け替え作業も効率化を妨げる要因となっていました。
他には、ドットプリンターが故障すると、復旧するまで半日ほど、業務に支障が生じてしまうことも課題でした。

運送会社との調整など、ユーザックシステムの”サポート力”に期待
―――送り状発行業務にどのパッケージを導入するか、ご検討のプロセスを教えてください。
小山 氏:まずは、Webサイトで「送り状 印刷」と検索するなどして情報収集しました。送り状名人のWebサイトには、機能がわかりやすく表示されていました。現場目線で必要な機能が網羅されていたため、私としてはWebサイトを見た時点で最有力候補だと感じていました。たとえば『問合せ番号採番機能』です。以前は、発行済みの送り状に印字された問合せ番号を、基幹システムへ手作業で入力する手間が発生していました。こうした手入力は1日数百件と積み重なることで作業負荷が高くなるうえに、誤入力のリスクもはらんでいました。しかし、この機能があれば、運送会社から事前に提供された問合せ番号を自動で割り当て、基幹システムと連携させることが可能です。手入力そのものが不要になるため、作業負担の軽減はもちろん、ミスの防止につながることが明確にイメージできました。
朝原 氏:5社を超える運送会社に対応できること、自社開発のシステムとの連携が技術的に可能であることを大前提に調査し、送り状名人と大手運送会社のグループ企業(以下、A社)が提供する送り状発行システムの2製品に絞り、比較検討することにしました。
―――比較検討ののち、なぜ送り状名人をご導入いただけたのでしょうか?
小山 氏:A社の製品はあくまで「送り状を発行するための仕組み」であると感じました。一方、送り状名人は、送り状を印刷するだけではなく、出荷業務全体の課題解決やメリットを追求するソフトウェアだと感じ、非常に魅力を感じました。
今回私たちが求めていたのは、送り状発行機能だけではありません。出荷業務全体のフロー改善でしたので、この違いが最終的な決め手の一つになったと感じています。
朝原 氏:さらに、決め手となったのはサポート面です。5社を超える運送会社との調整を丸投げできることに大きなメリットを感じました。A社のシステムでは、基本的に運送会社との調整をすべて自社でおこなう必要があります。具体的には、ファイルフォーマットや帳票の見た目といった、送り状のレイアウトの調整や、自社仕様の荷札への対応可否の確認、さらに各社との動作テストなどです。
また、新しい基幹システムとの連携が可能であることも確認しました。それによって思い描いていたのは、現場では「送り状名人」というシステムの存在を意識させることなく、裏側でデータのやり取りがすべて完結している状態です。現場は梱包が終わったことをシステムに伝えるだけで、あとは基幹システムと送り状名人の間で必要な連携がすべて自動的に処理される——そのような仕組みがイメージできました。
加えて、想定していた予算内に収まるという費用面も重要なポイントでした。A社の場合、各運送会社との調整を依頼するとなると別途それぞれで費用が必要となり、トータルの費用が膨れ上がってしまいます。対して送り状名人は、予算内で調整業務を丸投げできました。
二度手間、ミスが発生しない業務フローへの転換に成功

―――送り状名人の導入で、出荷管理における業務フローはどう変化しましたか?
朝原 氏:以前の業務フローは、各帳票を発行し、カルタ取りをおこなったあと、ピッキングや梱包作業に移るという手順でした。
しかし、基幹システムを刷新し、送り状名人を導入したことで、この手順は大きく変わりました。
小山 氏:受注後、ピッキングリストはペーパーレス化されたため、端末の情報を基にデジタルピッキングをおこないます。検品後、梱包し、梱包作業終了の旨をシステムに送信したタイミングで、自動的に送り状と納品書が発行される手順になりました。
必然的に、帳票類の発行業務は大幅に削減され、カルタ取りはなくなっています。
岡山配送センター(部品センター)における、送り状名人導入後の出荷作業の業務フロー

①ピッキングと検品
受注後、ピッキングリストはペーパーレス化され、端末と棚のバーコードを使ってデジタルピッキング・検品をおこなう。

②梱包、個口数の確定
梱包作業をおこない、1出荷あたりの個口数を確定する。
通常、この時点ではまだ送り状を発行していないため、個口数の変更による送り状再発行は発生しない。

③情報送信と送り状発行
端末に個口数を入力するとシステムにデータが送信され、自動的に送り状が発行される。
各運送会社の対象プリンターを事前に設定しているため、適切なプリンターから送り状が出力される。用紙の差し替えは不要。

④送り状の貼り付け
出力された送り状を荷物に貼りつける。
作業後発行になったため突き合わせ(カルタ取り)作業は発生しない。

⑤出荷
運送会社が集荷に訪れ、配送する。
作業員による帳票類への書き込みや問合せ番号の読み込み作業は発生しない。
年間2,440時間を超える正社員1名の業務時間を創出
―――送り状名人導入の成果を教えていただけますか?
小山 氏:以前は、正社員1名が「発行員」として、これらの作業に一日中つきっきりで対応しており、繁忙期には21時頃まで残業していました。しかし、送り状名人導入後は、これらの作業がなくなりました。結果として、この正社員1名分のリソースを創出できたことは大きな成果です。今では繁忙期でも18時頃には帰れるようになっています。月40〜50時間の時間外労働削減につながったと解釈できます。
朝原 氏:これにより、その担当者を複雑で人の対応が必須である工程にシフトさせることができました。具体的には、在庫のない部品の製造・調達指示や、部品センターを介さない出荷の調整などです。
小山 氏:特定の担当者に依存していた出荷業務がなくなったことで、属人化を解消したともいえます。以前は、その担当者が席を外している間、周囲の作業者が送り状の発行を待たなければならない場面もありましたが、そうした待ち時間も解消されています。
また、社内の業務フロー改善という点では、送り状の再発行がゼロになったことも大きな成果です。以前は1日30~50件発生していたムダな作業を排除できました。
加えて、入力ミスなどのヒューマンエラーをなくし、円滑な業務を実現できたことも導入の成果です。
朝原 氏:さらに、送り状の発行後、自動的に問合せ番号が基幹システムへ送信される仕組みになりました。これにより問い合わせ番号の入力作業そのものがなくなり、入力ミスの撲滅と、出荷情報のタイムリーな反映を実現しています。

現場の笑顔が増える業務改善

―――他に送り状名人導入の効果を感じたことはありますか?
小山 氏:これまでにお話しした内容以外にも、現場レベルで実感している効果がいくつかあります。
まず、送り状控えの管理が不要になったことです。以前は1日に数百枚発生する送り状控えを1年間保管しており、かなりの量になっていました。送り状名人導入後はすべてデータとして管理されるようになり、保管の手間とスペースが大きく削減された状況です。
印刷スピードが格段に速くなった点も導入のメリットとして挙げられます。以前は1枚あたり1分ほどかかっていましたが、今は数秒で出力されるため、ドットプリンターで抱えていた印刷待ちの悩みが解消されました。紙詰まりなどのトラブルもほぼ発生していません。
プリンターの保守対応についても、以前は業者が来るまで半日近く業務が止まることもありましたが、導入から半年が経過した時点では、保守対応はわずか1回で済んでいます。
さらに、ドットプリンター特有の稼働音が1日中鳴り響いていたのですが、それがなくなり、現場の騒音が軽減されたのも良い変化といえます。
また、プリンター自体の台数こそ2台から4台に増えていますが、新しいプリンターはコンパクトなため設置スペースはそれほど変わっていません。一方で、以前使用していたパソコンや突き合わせ用の作業台が不要になったことで、全体の作業スペースはおよそ半分以下に。区画一つ分がまるごと空いた状態になっています。
加えて、あらかじめシステム上で送り状(運送会社)ごとに指定のプリンターから出力されるように設定しておくことで、運用時の送り状の架け替え作業がなくなりました。用紙のセット間違いによる印刷ミスも防げるため、再発行のロスも発生しなくなっています。
大小さまざまな効果をお伝えしましたが、なによりも作業者の負担が減ったことで、現場に笑顔が増えたように感じています。
まずは業務全体の見直しから
―――送り状名人導入を検討する企業様へのメッセージをお願いします。
朝原 氏:当社は、自社の基幹システムを1から構築し直すなかで、「送り状名人」というプロダクトを一つのシステムとして組み込むことで、スムーズな全体最適を実現できました。
実現にあたり、複数の運送会社との複雑な調整作業をユーザックシステムに”丸投げ”できることなど、手厚いサポート力には大変助けられました。おかげで我々は、コア業務である基幹システムの開発に集中することができたのです。
実際にセンター長からも、「刷新の効果が大きく出ており感謝している」といった喜びの声をもらっています。以前はそもそも業務フロー自体に課題があったため、その流れを変えるための刷新をおこなった結果が、現場の働き方改善や業務効率の向上につながったのです。
まずは自社のオペレーション全体を見直してから、必要に応じて送り状名人などのプロダクトを導入していくアプローチをおすすめします。

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