フライスター株式会社 様
現場に負荷をかけず、最小限の運用からKnowfaを「現場で育てながら」受注自動化を進める方法


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〜人に教えるように、一歩ずつ育てるAI活用〜
パン粉業界のリーディングカンパニーであるフライスター株式会社(本社:横浜市港北区)は、受注AIエージェント「Knowfa」を活用し、月15,000件にのぼるFAX受注の自動化に挑戦しています。
2025年10月のUCHIDAビジネスITフェアでの発表から半年以上。「人に仕事を教えるように、AIに覚えさせればいい」という発想で、現場スタッフに無理をさせることなく着実に自動化を広げてきたフライスターの営業部業務課長 都丸 寿雄様と部内メンバーの皆さまに 、その進め方と背景にある考え方をお聞きしました。
過去の取り組みの全体像については、セミナーレポート(2025年11月公開)もあわせてご覧ください → https://knowfa.jp/seminar_event/20251110-2/
Knowfaが行う「判断」とは何か
受注業務の自動化というと「FAXを読み取る」というイメージが先行しがちですが、Knowfaが実際に担っているのは、それ以上の「判断」の連続です。
これらはすべて、かつては熟練スタッフが「経験と知識」で処理してきた判断です。Knowfaはその判断ロジックを引き受けることで、現場の負担を減らしています。
Q Knowfaに判断させるためのルール設定は難しくないですか?
都丸様:確かに最初は難しく感じることもありました(笑)。でも、Knowfaの場合はAIへの指示が日本語で書けるんです。プログラムを書く必要がないので、私たちのような技術者でない人間でも対応できています。
たとえば「この得意先からの注文は、数量欄の上段の数値だけ読み取って、下段は無視してください」といった具合に、日本語で条件を書くと、AIがそれに従って動いてくれます。最初は「本当にこれで動くの?」と思っていましたが、実際に試してみると、きちんと意図どおりに処理してくれました。
Q 主力商品のパン粉で商品名が似ているものが多いかと思いますが、Knowfaはどうやって商品を特定しているのですか?

都丸様:確かにそうですね。弊社の商品は名前が似ているものが多く、例えば「フライスターセブンソフトパン粉180g」「フライスター細目150g」「フライスター北海道産小麦を使ったパン粉150g」「フライスターセブンゴールド北海道産小麦使用180g」、それから「生パン粉G荒目2kg×5」「生パン粉G中目2kg×5」といった具合です。パッと見、紛らわしいラインナップです。
商品特定のプロセスとしては、いくつかアプローチがあります。
② 発注書にJANコードの記載があればJANを読み取って商品マスタを参照する。
②先に得意先(および納入先)を特定し「過去受注データ」を参照する――納入先が特定されるとある程度商品も絞られます。
③発注書に規格(容量:180gなど)の記載があればそれを判別材料に利用する。
④「フライスター」という文字は判別に不要なので読み取らない。
⑤そして「荒目」「中目」「ゴールド」といったキーワードに加点して、判断材料として重視する。これらを単独、あるいは複合的に活用して商品を特定しています。
面白いのは、人間が商品を特定するときも、「荒目・中目・ゴールド」といった言葉に着目したり、過去の受注を頭の中で思い出したりして判断するんですよね。人もAIもやっていることはほぼ一緒です。
現時点ではPCで入力された発注書なので、商品名・JAN・容量といった情報がある程度揃っていて、特定は比較的やり易い状況です。同じ容量(180g)の商品が複数ある場合は不一致が発生することもありますが、そのときは「ゴールド」「荒目」といった特定キーワードへの加点でヒット率を上げています。
「人に教えるようにやればいい」という発想
Knowfaの設定作業に慣れてきた都丸氏が気づいたのは、AIへの指示の書き方が「新しいスタッフへの引き継ぎ」とほとんど変わらないということです。
Q 実際の設定作業のイメージを教えていただけますか?
都丸様:熟練スタッフが新人に教えるときって、「この得意先はこういう注文の仕方をするから、こう対応してね」って言いますよね。それをそのままKnowfaに日本語で書けばいいんです。
AIの設定作業を行っているのは実際に受注入力をしている業務課スタッフの為、自分の知識をそのまま伝える事が出来ています。
例えば、
「この納入先はリードタイム中1日だよ」
「この得意先は納品先から直接注文が来る場合がある」等。
そういう一社一社の個別ルールを丁寧に設定していくことが、Knowfaをうまく動かすコツだとわかりました。
難しく考える必要はなくて、「人に教えるようにやればいいんだな」という感覚がつかめると、ぐっとハードルが下がりますよ。
ユーザックシステムのカスタマーサクセスチームの方にも丁寧にサポートしていただいているので、一人で抱え込まずに進められています。
対応先を広げるための判断基準
Q 対応得意先を倍以上に広げてきたとのことですが、広げていく上での判断基準はありますか?
都丸様:主に二つのポイントで判断しています。一つは、注文書のフォーマットや記載内容が比較的安定していること。もう一つは、Knowfaが判断しやすいよう、過去の受注データが十分に蓄積されているかどうかです。
まずテスト運用として一定期間Knowfaで処理してみて、確認・修正の手間が少ない状態が続けば、正式な自動化対象として切り替えています。感覚的には、「修正が週に数件以下に落ち着いてきたら合格」くらいのイメージでしょうかね(笑)
急に全部の得意先に適用しようとすると、問題が起きたときの対応が追いつかなくなる。一社一社しっかり検証しながら広げていくことで、現場の信頼も積み上がっていくし、Knowfaの判断精度も着実に上がっていきます。
現場スタッフの意識が変わってきた
Q 現場スタッフの方々の反応は、この半年でどう変わりましたか?
都丸様:最初のころは、やっぱり「AIって本当に使えるの?」という雰囲気がありました。長年手入力でやってきた方ほど、「自分が見た方が早い」という感覚がある。それは当然のことだと思っています。
ただ最近は、毎日確認画面を見ていると「ほとんど直さなくていいじゃないか」という日が増えてきて、少しずつ信頼してもらえるようになってきました。「昨日は全部自動で通ったね」という声が出てくるようになると、雰囲気が変わってくるんですよね!
熟練者の知識が「頭の中だけ」にある、そのリスク
Knowfaへのノウハウ落とし込みを進める中で、都丸氏が改めて実感したのが、熟練スタッフの経験知が組織にとってどれほど大きなリスクになり得るかということです。
Q 熟練スタッフとの協力関係についてはいかがですか?
都丸様:長年積み上げてきた経験知って、本当に細かくて深いんですよ。
「この得意先は入数(30入→15入)が半分で注文が来るよ。だから出荷数量を記載の半分(10ケース→5ケース)にして入力するよ」
「この納入先の商品はこっちの倉庫から出荷するよ」等。
AIに覚えさせるためには、まずそれを言語化してもらう作業が必要で、これが一番時間がかかっています。でも、その作業をしっかりやっていくことが、将来的な知識継承につながっていくと思っているので、急かさずに丁寧に進めています。
本格稼働までの目標
Q 「本格稼働」とは、具体的にどういう状態を目標にしているのでしょうか?
都丸様:私たちが考える本格稼働は、対象としているFAX受注の大部分が「人の手を介さずに自動処理され、確認はするけれど修正がほぼ不要な状態」が安定して続くことです。
目指しているのは、確認はするけれど修正が必要なケースが限りなく少ない状態。2026年内に対象範囲を現状よりさらに広げられると思っています。ただ、「いつまでに完全に終わり」という性質のものでもなくて、対応できる得意先を広げながら、Knowfaの判断精度を磨きながら、継続的に改善していくイメージですね。
Q 「段階的に進める」という方針は変わっていませんか?
都丸様:変わっていないですね!むしろより確信が強まっています。長年変えられなかった業務が変わっていくのを目の当たりにしていると、焦る必要はないと感じています。確実に前に進んでいるという感覚がありますから。
受注業務の先を見据えて
Q 受注以外の業務へのAI活用については、どんなイメージをお持ちですか?
都丸様:受注業務でKnowfaを使ってきたことで、「AI、使えるじゃないか」という実感が社内でも広がってきました。たとえば、問い合わせへの一次対応や、社内の書類処理といった定型業務にもAIを活用できるんじゃないかという話が出てきています。受注業務での経験が、次の一歩を踏み出す自信につながっていると感じています。
Q 最後に、今後のKnowfaへの期待を聞かせてください。
都丸様:今でも十分に助かっているんですが、より多くの得意先の多様な注文パターンにも対応できるようになってくれたら、さらに自動化できる範囲が広がります。
ユーザックシステムさんも積極的に改善を続けてくださっているので、一緒に育てていく感覚で使っています。フライスターにとって、Knowfaはもう「業務課員の一人」になっていますから、これからも長くお付き合いしていきたいですね。
取材を終えて
「変えられなかった常識が変えられる」——前回のセミナーレポートでも印象的だった都丸様のこの言葉が、今回の取材でより具体的な形で実現されていることを感じました。
Knowfaの活用で浮かび上がってきたのは、自動化の成否は「AIに何ができるか」より「人がAIに何を教えられるか」にかかっているという事実です。熟練者の暗黙知を言語化し、AIに渡し、検証し、育てていく——そのプロセスは、組織の知識継承という長年の課題を解決する道でもあります。
本格稼働まであとどのくらいか、という問いへの都丸様の答えは「終わりではなく、継続的な改善の積み重ね」でした。それは、AI活用が「導入して終わり」ではなく「使いながら育てていくもの」であることを、改めて教えてくれています。
フライスターの今後の歩みに、引き続き注目していきたいと思います。
フライスター株式会社について
本社:横浜市港北区新横浜3-6-1 新横浜SRビル7F
代表者:代表取締役社長 関 全男
1947年創立。食感カンパニーとして、パン粉専用のパンを焼くところから始まるパン粉製造のリーディングカンパニー。
https://www.frystar.co.jp/

