株式会社ソルト関西 様

【Knowfa導入事例】AI-OCRからAIエージェントへ。新入社員に教える感覚で確実に「間違わない」受注業務の自動化精度を向上し本番稼働へ期待

ソリューション:
  • 受発注
対象製品:
  • Knowfa 受注AIエージェント
業種:
  • 卸売業

まずは御社について教えてください

Q 貴社の事業内容と歴史についてご紹介いただけますか?

西島様:はい。当社は塩製品を中心とした食品の卸売業を営んでおります。扱っている商品は塩だけでなく、砂糖、グルタミン酸ナトリウム、醤油などの調味料、そのほかにも食品外製品まで幅広く取り扱っています。2001年に創業して、今年でちょうど25周年を迎えます。
実は当社の前身は、もっとずっと長い歴史があります。100年以上にわたって各地で塩の元売業を営んでいた会社が集まって設立されたのが当社なんです。ですから、塩のビジネスについては本当に長い積み重ねがある会社です。

Q どのようなお客様とお取引されているのでしょうか?

西島様:お客様の幅は非常に広いですね。工場関係や製造業の方々から、スーパーマーケット、食品卸業者さんまで多岐にわたります。売上ベースで見ると、塩が約6〜7割を占めていて、残りの3割程度が醤油を含むその他の食品調味料や関連製品となっています。
顧客層が幅広い分、注文書のフォーマットも本当にさまざまでして…それが長年の課題でもありました。

営業体制・受注体制について

Q 受注業務はどのような体制で行われているのですか?

西島様:営業担当者はあくまで営業提案がメインの役割です。実際の受注処理は、受注業務を担当する部署が行っています。そちらには10数名が所属しており、毎日届くFAXや注文書の処理を担っています。
営業担当者が受注業務に関わるのは、新しい商品が決まった際に仕様を確認するなど、イレギュラーな場面に限られています。日常的なやり取りはほとんど受注担当者だけで完結していますね。定期的にご注文いただくお客様が多いので、業務の流れ自体はある程度安定しているのですが、それでも複雑なケースへの対応が担当者の大きな負担になっていました。

Q IT活用やDX推進については、現在どのような状況ですか?

西島様:正直に申し上げると、IT活用やDXについてはまだこれからという状況です(汗)。会社全体として「これからしっかり取り組んでいこう」というフェーズにあります。今回のKnowfa導入は、その意味でも当社にとっての先駆けと位置づけています。
私自身も2016年に入社してからずっと営業担当で、ITやシステム部門に来たのは2年ほど前なんです。だから最初はわからないことだらけで(笑)、ベンダーさんとのやり取りも手探りで進めてきた感じです。

AI-OCR時代の課題と限界

Q Knowfa以前はどのようなシステムを使われていたのですか?

西島様:ユーザックシステムさんの製品との出会いは、まずRPAの「Autoジョブ名人」からでした。それがきっかけでAI-OCRも導入して、約2年間使っていました。
AI-OCRを入れる前は、お客様からの注文書を確認しながら受注処理をすべて手作業で入力していました。月末や連休前——例えば、ゴールデンウィークや年末年始など長期休暇前に受注業務が逼迫することが多く、AI-OCRにかかる期待は大きかったと思います。

Q AI-OCRを使ってみて、どのような課題が生じましたか?

西島様:定型的な注文書に関しては確かに効率化できました。ただ、それ以外の部分で問題が続出してしまって…。
たとえば、FAXの紙が少し傾いていたり、枠がわずかにずれていたりするだけで読み取り精度が落ちてしまったり、手書き文字が枠外に書かれていたりするなど、イレギュラーな注文書の場合だと、そもそもOCRがうまく認識できない。数字の「4」の左上が空いていたりすると、記号と誤認識してしまうこともありました。
結局、AI-OCRが読み取ったデータを人がもう一度確認する「二重チェック」が必要になってしまって…。これでは手作業と変わらないというか、むしろチェック作業が増えてしまったケースもあって、効率化の恩恵を十分に受けられなかった部分が少なからずありました。

Q AI-OCRとKnowfaの違いを一言で言うとしたら?

西島様:AI-OCRは「読み取る」ツール、Knowfaは「考えてくれる」ツール——そんなイメージです。
AI-OCRは確かに文字を読んでくれるのですが、「この注文はどういう意味か」「このルールをどう適用するか」という判断は人がやらなければいけませんでした。ですが、Knowfaはそこまで踏み込んでくれるところが大きな違いだと思います。

Knowfa導入で見えてきた可能性

Q Knowfaを導入しようと思ったきっかけは何でしたか?

西島様:今まで利用していたAI-OCRを使っているときに、ユーザックシステムさんから「AIエージェントの提供を始める」というお話を聞いたのがきっかけです。「これはもしかしたら今の課題を解決できるかもしれない」と思いまして、テスト導入をお願いしたんです。
まだ本格稼働はしていないんですが、テスト環境で実務データを処理してみると、手応えを感じる部分が多くて。特に、AI-OCRでは対応できなかった「ベテランでないと分からない細かいルール」に対応できている点は、正直驚きました。

Q 「ベテランでないと分からないルール」とは、具体的にどのようなものですか?

西島様:当社にはさまざまなお客様がいらっしゃるので、注文の仕方も十人十色です。たとえば、お客様の注文書には「kg」で書いてあるのに、当社の在庫管理は「個数」で管理している場合があります。これは自動的に変換しないといけません。
また、お客様のマスター登録では「ケース」単位で、当社のマスターでは「ボール」単位になっているケースもあります。こういった単位の変換ルールって、ベテランの担当者は体で覚えているのですが、新入社員に口頭で全部教えるのは大変ですし、引き継ぎが難しい状態です。
Knowfaにはプロンプトでルールを設定できるので、「このお客様の注文はこのルールで変換してください」と指示することで、ちゃんと対応してくれるようになりました。これが本当にありがたかったです。

Q 1枚の注文書に複数の納品日が指定されるケースはいかがでしたか?

西島様:これが一番劇的に改善された部分かもしれません。テスト段階で特にうまくいった事例として、1枚の注文書の中で明細ごとに異なる納品日が指定されているケースがありました。
今まで手作業でやっていたときは、その注文書1枚を処理するために、納期が明細ごとに異なっている場合、明細ごとに受注入力をする必要がありました。お客様の注文1件に対して、担当者が何度も入力作業をやっていたわけです。それがKnowfaでは1回読み取るだけで、明細ごとに納品日が異なる複数の伝票を自動的に分けて出力して、基幹システムへの取り込みまで自動化できるようになりました。
これをうまく活用することができれば対応できる件数も増えていくと考えています。

「新入社員に教える感覚」という気づき

Q Knowfaにルールを設定するとき、何か気づいたことはありましたか?

西島様:こちら、実は面白い話がありまして、Knowfaのプロンプト入力をやっているうちに、「ああ、これって新入社員に仕事を教えるのと同じ感覚だな」と気づきました。
新入社員に業務を教えるとき、「だいたいこういう感じで」ではなくて、「このお客様の注文書が届いたら、まずここを見て、この数字をこう変換して、この場合はこうする」というふうに、一つひとつ丁寧に具体的に教えますよね。Knowfaへの指示も全く同じで、広い範囲でざっくり教えるのではなく、細かい部分まで突き詰めて具体的に指示することが精度を上げるポイントだと実感しました。
逆に言えば、Knowfaにルールを入力するプロセス自体が、業務の棚卸しになっているとも思います。「このルールって、なぜそうしているんだっけ?」と立ち止まって考えるきっかけになりましたので、暗黙知が明文化されていく感じがしています。

Q テスト対象とするお客様はどのように選んでいますか?

西島様:効率化の効果が大きいところから優先しています。毎日注文がある方、2日に1回は必ず注文がある方など、発注頻度の高いお客様を中心にテストしています。
頻度が高いお客様ほど自動化の恩恵を大きく受けられますし、プロンプトの精度を高めるためのデータも集まりやすいです。今はテスト環境で月間約100枚の伝票を処理していますが、これを本格稼働させると、もっと大きなボリュームになります。

本格稼働への道のりと現在地

Q 現在、本格稼働に向けてどのような状況ですか?

西島様:受発注担当部署との擦り合わせは、すでに完了しています。特定のお客様については、いつでも本番業務へ引き渡せる状態になりつつあります。ただ、まだ完全に本格稼働には至っていないのが現状です。
テストを重ねながら、プロンプトの精度を高めている段階です。「このパターンはOK、でもこのパターンはまだ調整が必要」というのを一つひとつ確認して進めています。急ぎたい気持ちもありますが、確実に使えるようにしてから本番に移行したいと考えています。

Q Knowfaを使ってみての手応えはいかがですか?

西島様:テスト段階でも、手入力と比べて時間短縮し、処理できています。これが本格稼働すれば、受注担当者の業務時間が大幅に変わると思います。
もう一つ大きいのは、「均一化」です。これまではベテランが処理する場合と、まだ経験の浅い担当者が処理する場合とでは、処理にかかる時間も違っていました。でも、Knowfaを通すことで、誰が処理しても同じ品質・同じスピードで受注入力ができるようになる。これは業務運営の観点からも非常に重要なことだと思っています。

ミス削減とスタッフへの影響

Q 手入力のミスについては、どのような課題がありましたか?

西島様:手入力により打ち間違いは、人の手で作業を行う限りなくなることは難しいと思います。人間がやる以上は仕方ない部分もあるのですが、受注業務でのミスはお客様に直接影響するので、担当者のプレッシャーも大きかったです。
たとえば、よく似た商品の打ち間違いであったり、数量の誤入力。こういったミスが発生すると、確認・修正の作業が発生して、その分の時間もかかるし、担当者も精神的に消耗してしまいます。
Knowfaでシステム的に受注処理を行えば、こういった手入力由来のミスが大幅に減少します。担当者のストレス軽減という意味でも、Knowfa導入の効果は大きいと期待しています。

今後の展望——削減した時間をどう活かすか

Q 受注業務の時間が短縮されたとして、担当者はその時間をどのように使っていくことを想定されていますか?

西島様:これはよく考えていることなんですが、受注担当者が「処理する人」から「考える人」になっていってほしいなと思っています。
今は毎日届く注文書の処理に追われていて、なかなか一歩引いて業務全体を見る余裕がない状態です。でも、受注業務の定型処理をKnowfaに任せられるようになれば、担当者が受注以外に使用できる時間が増えると考えますので、その分営業のフォローだったり、他の業務効率化を図れたりするのではないかと思っています。
また、業務の効率化について自分たちで考えることで「この業務フローはもっとこうできるんじゃないか」というアイデアを出し合って、さらなる改善につなげていき、好循環を作っていきたいですね。

Q 経営層としては、この取り組みにどのような期待を持っていますか?

西島様:経営層は、AI化・自動化を将来的な人手不足への対策として強く期待しています。食品業界も例外ではなく、少子高齢化による影響で人材の確保がこれからどんどん難しくなっていく。今は人手でなんとか回っている部分も、10年後・20年後を見たら同じようにはいかないかもしれません。
その意味で、「仕組みで業務を回せるようにする」というのは、会社としての重要な課題です。Knowfaがそのための基盤の一つになってほしいと、経営層も期待を寄せています。

Q RPAサービス「Autoジョブ名人」との連携についても、今後の展望を教えてください。

西島様:はい、Autoジョブ名人はすでに使っていますので、Knowfaと組み合わせることでより一層の自動化が実現できると期待しています。
Knowfaで注文書を処理してデータを出力した後、Autoジョブ名人がそのデータを基幹システムへ自動的に取り込む——という流れを整備できれば、受注業務の最初から最後まで、ほぼ自動化できる体制が整います。最終的には「担当者がチェックするだけ」という姿を目指したいですね。

現場から見た改善要望

Q Knowfaに対して、今後実装されると嬉しい機能はありますか?

西島様:2点あります。1点目は、注文書一覧で「どの担当者がこの注文書を処理したか」(※)という担当者IDを表示する機能です。複数のスタッフが作業する場合、何かエラーが発生したときにどの担当者の処理かを追跡するのが現状では大変なので、トレーサビリティが向上すると助かります。
2点目は、利用状況の可視化機能(※)です。「今月は何枚の注文書を処理した」という件数が一目で分かるようになると、担当者のモチベーション向上にも繋がります。処理した枚数が指標として見えると、『今日はこれだけ処理できた』という達成感が生まれますよね。管理する立場からも、どれだけの業務量をシステムが担っているかが分かって、費用対効果を説明しやすくなります。(※)2026年夏対応予定です。

 

Q 最後に、導入を検討されている方へメッセージをお願いします。

西島:まず、AIは「魔法の道具」ではないという点を理解した上で使ってほしいと思います。プロンプトを丁寧に設定しなければ、精度は出ません。でも逆に言えば、ちゃんと教えれば、ちゃんと動いてくれます。
「新入社員に業務を教えるようなイメージで、一つひとつ丁寧にルールを伝えていく」——これが私たちの実感です。最初は手間がかかるかもしれませんが、一度設定してしまえば、それが会社の財産になる。ベテランの頭の中にある暗黙知が、プロンプトという形で組織の知識として蓄積されていきます。
受注業務のような定型業務を抱えている会社さんには、ぜひ試してみてほしいですね。私たちもまだ本格稼働の途中ですが、確実に「やってよかった」と思える取り組みになっています。

株式会社ソルト関西について

株式会社ソルト関西は、塩製品を中心に砂糖・グルタミン酸ナトリウム・各種調味料・食品外製品まで幅広く取り扱う食品卸売企業です。100年以上の歴史を持つ塩元売各社の系譜を受け継ぎ、2001年に設立。2026年に創業25周年を迎える現在も、工場・製造業・スーパーマーケット・食品卸業者など多様な顧客に向けて、安定した食品流通を支え続けています。現在、IT活用・DX推進を積極的に進める段階にあり、Knowfaをはじめとするデジタルツールの導入によって、業務効率化と将来的な人手不足への対応を図っています。
https://www.salt-kansai.co.jp/