RPAの導入コストはどれくらい?種類別の相場・価格以外に重視すべきことを徹底解説【最新版】

RPAの導入を検討するにあたり、初期費用やランニングコストは非常に重要な要素となります。

本記事では、RPA導入費用の種類別相場や、価格以外に見落としがちなポイントについて詳しく解説します。最新の事例も併せて紹介し、RPA導入の意思決定をサポートいたします。

RPAの種類別費用相場

RPAツールにはクラウド型、デスクトップ型、サーバー型など、提供形態によって費用体系や導入コストが大きく異なります。

RPAを導入する際に重要なのは、初期費用だけでなく長期的なコストを見通して比較検討することです。

近年は利用料金の安価なベンダーも増えており、初期費用を抑えてスタートできるケースが多く存在します。単純なライセンス費用だけで比較すると重要なポイントを見落としがちです。長期的な総コストと運用負荷のバランスを踏まえ、適切なRPA導入を目指しましょう。

クラウド型RPAの費用相場

クラウド型RPAは、インターネット上のサービスを利用する形態であるため、初期導入コストを抑えやすい点が大きなメリットです。月額プランであれば、数万円から10万円程度で始められるものが多く、必要な台数やユーザー数に応じて柔軟に契約を変更できます。ベンダーによっては保守やアップデートも月額費用に含まれており、負担が分散されるのも特徴です。

一方、長期的に見れば、ランニングコストが積み重なる可能性にも留意しなければなりません。大規模化や利用部門の拡大に伴い、契約プランを変更するたびに追加の費用が発生するケースもあります。導入初期のハードウェア投資が少なく済む分、運用期間が長ければライセンス料が合計で高額になることもあるので、運用期間や利用規模を踏まえた試算が必要になります。

クラウド型RPAは導入スピードの速さや常に最新バージョンを使える点が魅力的ですが、サーバメンテナンスを自社で行わない分、不具合発生時の対応状況も確認することが大切です。ベンダーが提供するサポートの範囲やオプションサービスを理解し、ランニングコストとサービス内容のバランスを考慮すると失敗のリスクを下げられます。

デスクトップ型RPAの費用相場

デスクトップ型RPAは、ユーザーのPC上で動作するのが特徴です。必要最低限の機能でシンプルに始められるため、初期費用が比較的安価である場合が多く、1ライセンスあたり数万円程度から導入できます。導入規模が小さい企業や、特定部署だけでの試験導入を行う場合に好まれています。

ただし、使用するPCの台数が増加するにつれて、ライセンス費用や管理負荷も比例して増していく点に注意が必要です。個別端末で動くため、シナリオのバージョン管理が複雑になることもあります。加えて、セキュリティ対策としての更新や環境構築に要する手間が増し、大規模展開時の想定外コストにつながるケースもあります。

そのため、デスクトップ型を導入する際は、まず小規模導入で効果検証を行い、自社の業務に適合しているかを確かめるのが望ましいです。

サーバー型RPAの費用相場

サーバー型RPAは、企業全体の業務連携を想定した大規模環境に向いている形態です。サーバー上で一括管理を行うため、ロボットのシナリオやバージョン管理がしやすく、セキュリティ面でもメリットがあります。ただし、導入時のライセンス料やハードウェア費用が高くなる傾向があり、数十万円から数千万円の投資が必要となる場合もあります。

大規模導入に適しているため、営業部門や経理部門など多部門でRPAを活用する計画がある場合には効果が大きいでしょう。サーバー型ではロボットが共通化されるため、重複作業を減らし、全社的な自動化範囲を広げることが可能です。その結果、組織全体の効率化や品質向上につながりやすいのが強みです。

導入後は専門知識を持つ担当者やベンダーとの連携が必要になり、保守費用やバージョンアップ費用などが定期的に発生します。初期コストが高いぶん、運用開始後に効果が定着するまで継続的なサポート体制を確保することが成功の鍵です。

サブスクリプション型と買い切り型の比較

RPAのライセンスモデルには、サブスクリプション型と買い切り型があります。サブスクリプション型は、初期投資を抑えつつ最新バージョンを継続的に使用できるメリットがありますが、長期利用すると総コストが高くなる可能性があります。買い切り型は一度の購入費用が高めでも、長期的には安価になる場合もあるため、導入期間や運用方針を明確にすることが重要です。

サブスクリプション型では通常、保守費やサポート費が月額・年額料金に含まれることが多いので、予算管理しやすい側面があります。ただし、機能が追加されるたびに契約プランの見直しやアップグレードの有無を検討する必要があるでしょう。導入規模によっては、買い切り型よりも利便性を感じる企業が少なくありません。

買い切り型はシステムの更新タイミングを自社で管理でき、バージョンアップの要不要も自由に選べる点があります。初回の導入コストが高めでも、「必要な範囲で長く使い続ける」という運用姿勢の企業には魅力的です。どちらの形式でもトータルのRPA コストをシミュレーションし、自社のビジネス戦略や使用期間を踏まえた選択が大切です。

RPAの導入コストを構成する主な項目

RPA導入にかかるコストはライセンス費用だけではありません。各項目をしっかり把握し、トータルコストを見極めることが肝要です。

ライセンス費用(サブスク型・買い切り型)

RPAツールのライセンス費用は、導入コストの中で最も基本的な項目です。サブスク型は月額や年額で費用を支払う形態であるため、初期投資を抑えやすい一方、利用期間が長期に及ぶ場合は総額が大きくなるリスクがあります。買い切り型では初期導入時にまとまった費用が発生しますが、一度買い切ってしまえばライセンス料は追加でかかりにくい点が魅力です。

ライセンス費用の相場感は製品やベンダーによって大きく変わり、数万円から数十万円、あるいは数百万円規模になる場合もあります。選ぶRPAツールの種類や導入規模によっても、大きく変動します。実際の選定時には、機能の過不足や将来の拡張性とセットで判断し、最適なプランや形態を比較検討するのがベターです。

導入支援・開発委託費用

RPA導入初心者にとっては、ベンダーや専門会社の導入支援は大きな助けとなります。環境設定やロボットの開発を委託する場合、プロのノウハウを活かして短期間で導入を進められますが、その分費用は高めになる傾向があります。1ロボットのシナリオ作成だけで数十万円かかるケースも珍しくありません。

しかし、自社内で対応が難しい部分を専門家に任せれば、エラー率を抑えつつ、比較的早いスピードでシステムを稼働できます。また、最初に専門会社を活用してノウハウを吸収し、自社のメンバーが学んでいく形をとるのも有効です。長期的には社内人材を育成しながら外注費の削減を図るという二段構えの対応が望ましいでしょう。

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保守・サポート・バージョンアップ費用

RPAは導入したら終わりではなく、運用を継続するうえで発生する保守やサポートが非常に重要です。ベンダーによってはバグ修正や問い合わせ対応を含む保守プランが月額や年額で設定されており、ライセンス費用と別で請求される場合もあります。システムの安定稼働を維持するために、これらの費用をしっかりと見込んでおくことが欠かせません。

バージョンアップ費用に関しては、サブスクリプション型であれば基本プラン内で追加費用なしに実施されることが多いですが、買い切り型の場合は有償バージョンアップになる可能性があります。また、マイナーアップデートでも業務シナリオの見直しやテストが必要になるケースがあるため、手間や時間も併せて考慮する必要があります。

導入後の保守契約形態やサポート窓口の対応品質は、RPAを長く活用するうえで非常に大きなポイントです。トラブル発生時のリカバリー対応や問い合わせへのレスポンスの速さが十分でないと、業務に支障が生じ、コスト削減効果が低減する可能性があります。

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研修・教育費用

RPAを効果的に運用するためには、ツールの操作やロボットのシナリオ開発を担う人材を育成する必要があります。ベンダー主催の研修や外部セミナーに参加する場合、1名あたり数万円程度の費用がかかることが一般的です。複数の担当者を育成する際には、教育費用が合計で大きくなる点に留意しておきましょう。

外部研修だけでなく、独自に社内で勉強会やワークショップを開く方法もあります。その場合には講師役の社内人材を確保しなければ自走できない点が課題になりますが、ノウハウが蓄積されれば長期的に教育コストを削減できるメリットもあります。導入プロジェクトの初期段階から、どういった形で人材育成を行うかを検討しておくとスムーズです。

システム改修・連携費用

RPAを導入して業務を自動化するには、既存の基幹システムやクラウドサービスと連携させる必要が出てきます。特にAPI連携やデータベースの構造変更が必要になると、専門的な知識を要する改修作業で費用が跳ね上がることがあります。導入後に想定外の作業が発覚し、追加予算が必要になるケースが少なくないため、導入前に業務フローを精査して予想される連携範囲を洗い出すことが大切です。

PC・サーバーなどのハードウェア費用

RPAの運用に耐えうるPCやサーバー環境を整備することも忘れてはならない要素です。デスクトップ型RPAを複数の端末に導入する場合、老朽化したPCを新調する必要が出るでしょう。サーバー型を導入するケースでは、サーバーの設計や構築費用がまとまった額になる可能性があります。

クラウド型であっても、すべての環境がオンラインで完結するわけではありません。日常的な業務端末の性能やネットワーク環境が不十分だと、RPAによる自動化に支障が出ることがあります。リモートワークとの併用を想定する場合は、VPNなどのセキュリティ関連投資も必要です。

メンテナンス・シナリオ更新費用

RPAが自動化する対象の業務フローは、時間とともに変更や追加が生じることが少なくありません。そのたびにシナリオを書き換えたり、新たなロボットを構築する必要があり、その作業コストも見逃せません。業務が複雑であればあるほど、シナリオの微調整やテストに時間を要し、結果的にメンテナンス費用が大きくなる場合があります。

ベンダーや外部開発会社への依頼は、専門性が高いと費用も高くなりがちです。一方で内製化の体制がある企業では、自社人材でシナリオ修正を行えるため、コスト負担を抑えやすいでしょう。ただし、内製化にはメンバーの教育コストが伴うため、短期と長期の費用バランスを考慮して最適化することが重要です。

追加トレーニング・人材育成費用

RPAツールの基本操作を習得した担当者であっても、新しい業務フローや高度なロボ開発スキルが必要になるタイミングがあります。特に大規模な自動化や高度なデータ処理機能を活用する場合、追加の研修や外部講座への参加が必要でしょう。企業によっては専門コンサルタントを招き、勉強会を開催するケースもあります。

RPA活用のスキルが社内に定着すれば、外注しなくても高度なロボット開発が可能となり、長期的にはコスト削減や競争力強化につながります。社内でどのような学習計画を実行するか、どのレベルまで外部リソースを活用するかを見極めることが、RPA導入成功の秘訣です。

トラブル対応・緊急サポート費用

RPA運用中にシステム障害やエラーが発生した場合、担当者が問題を解析し、速やかに復旧させる必要があります。場合によっては外部ベンダーに緊急サポートを依頼することになり、休日・深夜の対応などで高額な追加料金が発生するケースもあります。こうした費用を想定していないと、経費が大きく膨張してしまう可能性があります。

企業にとって、業務が停止することは売上へのダメージや信頼低下につながります。そのため、24時間365日の対応が可能なサポートプランを契約する企業も増えていますが、維持費用は高めに設定されていることが多いです。自社の業務におけるRPAの重要度やダウンタイムの影響度に応じたサポートレベルを検討しましょう。

RPAツール選定時に注目すべき3つの観点

導入コストだけに目を奪われると、運用効率や長期的な総費用を見誤る恐れがあります。重要なポイントを確認しておきましょう。

「内製化できるか」が長期的なコストを左右する

RPA導入で長期的なメリットを得るには、実際の業務シナリオを社内で開発し、変更やメンテナンスも自分たちで行える体制を整えることがポイントです。外部ベンダーに依頼する場合、初期導入はスムーズでも、カスタマイズやアップデートのたびに追加費用がかかることが多くなります。

内製化に挑戦する企業が増えている背景には、ロボット開発ツールがよりユーザーフレンドリーになっているという現状もあります。初心者向けのノーコードまたはローコードのRPAプラットフォームを活用すれば、専門的なプログラミング知識がなくてもある程度は開発できます。ただし、担当者の習熟度を高めるための研修や勉強会は欠かせません。

自社に合った内製化方針を定めることで、導入直後のランニングコストを抑えながら、社内に蓄積されたノウハウを活用できるようになります。長期にわたってRPAを使い続けるのであれば、この部分への投資は必ずしも高いものではないでしょう。

「サポート品質」がRPA活用の成否を分ける

RPAは日常業務の基盤を自動化する役割を担うため、万が一不具合が起きた場合の業務インパクトが大きくなりがちです。ベンダーのサポート体制が充実していると、トラブル発生時に早期解決が期待でき、業務を止めるリスクを最低限に抑えられます。

特に、システム障害への対応やシナリオの運用方法に関する質問が発生した場合、すぐに相談できる窓口があるかどうかは重要です。コミュニケーションがスムーズに行えるか、問い合わせ対応の時間帯やレスポンス速度などの条件も比較ポイントとしてチェックしておきましょう。

「段階的拡張」で投資リスクを最小化

RPA導入をスモールスタートで始め、一定期間でROIを検証しながら拡張していくアプローチがおすすめです。投資リスクを最小限に抑えることができます。

段階的拡張を行うメリットは、導入効果を早い段階で確認しつつ、問題点を改善しやすいことです。小規模プロジェクトから導入し、うまくいった手法や学習を社内に共有すれば、次の段階のロボット開発でもスムーズに進めやすくなります。成功体験を積み重ねることで、社内の理解と協力を得やすくなるという利点もあります。

大きな費用をかけて一度に全社導入を実施すると、設計段階や初期運用に問題があった場合の損失が大きくなります。まずは要となる業務を自動化し、着実に成果を出してからさらに範囲を広げる方法が、リスク管理の面でも賢明な判断といえるでしょう。

RPA導入で初年度からコスト削減を実現した企業の実例

実際にRPAを活用して費用対効果を高めている企業の事例を確認することで、自社への導入イメージを具体化できます。

具体的な活用事例を知ると、RPA導入後にどのような成果が得られるのかイメージしやすくなります。自社の規模や業界に近い事例を参考にすれば、初年度から導入効果を最大化するためのヒントを得られるでしょう。

有限会社Takumi様

有限会社Takumi様では、複数のECモールや自社サイトでネット通販を展開しており、大量の受注や在庫連携、発送報告などの作業負担に悩んでいました。

そこでRPAツール「Autoジョブ名人」を導入し、事前に抽出した32業務、年間1,150時間分の作業を自動化対象に設定。カスタマーサクセスプランを活用して3か月で20シナリオを構築し、未経験からでも開発力を飛躍的に向上させました。

単純作業をRPAに任せたことで残業が減り、スタッフは本来の業務に集中できるようになり、サービス品質の向上にもつながっています。

さらにAPIのないシステム間もRPAで連携し、安定した運用と高い生産性を実現。RPAを第3の労働力と捉えることで今後の付加価値創出も期待されています。

医療法人英仁会大阪ブレストクリニック様

医療法人 英仁会 大阪ブレストクリニック様では、乳がん治療に注力し、医事会計システム「MLA」から診療実績を抽出・集計する業務を毎月4~6時間かけて手作業で行っていました。

労働人口減少への危機感を背景に、RPAツール「Autoジョブ名人」を導入して自動化を実現。これにより、医師別・診療項目別のデータを効率良く集計できるようになり、残った時間を経営判断や患者対応に充てたりできるようになりました。

今後は、請求・支払業務やシステム間のデータ連携にもRPAを拡大し、さらなる省力化と医療サービス向上を目指しています。

RPA導入コストを正しく把握し、ビジネスを次のステージへ

RPAは企業の生産性向上に大きく貢献する一方、コスト面の検討や運用体制の構築が欠かせません。正しい情報をもとに、最適な意思決定を行いましょう。

RPA導入の費用とメリットを総合的に捉えることで、成功への可能性が大きく高まります。単に安価なツールを選ぶのではなく、将来の拡張まで含めたトータルコストの試算やサポート体制の検討をしっかり行うことが重要です。

RPAの導入と運用を通じて得られるのは、単なる作業工数減だけにとどまりません。スタッフが付加価値の高い業務に集中できるようになり、会社全体のイノベーションを促すきっかけともなります。正しいコスト認識と戦略的なプランニングで、ビジネスを次のステージへ進めましょう。

 

 

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