出荷精度99.999%を達成。
フルライン物流体制の高機能化を追求。

ソリューション 物流帳票 製品名 送り状名人伝発名人.NET検品支援名人値札名人
業種 製造業 規模 501億~1000億

導入に至る背景と課題

フルライン物流体制の高機能化を追求

東日本流通センターの扱っている物量は、在庫アイテム数13,000以上、商品マスタ登録数30万SKUを数え、さらに出荷先も、スポーツ用品チェーン店をはじめ量販店、小規模スポーツ用品店など多岐にわたり、その取引先企業件数はマスタ登録上約3,000件、チェーン店舗までを含めると約6,000件に達しています。さらには、業界特有のオーダー特性への対応が必須であり、しかも納品先、アイテム数共に年々拡大傾向にあります。
こうした厳しい条件下にありながらも、これまで同センターでは納品ミスの発生は10万分の6レベルにまで達していました。これだけの出荷精度が維持されてきた理由は、商品知識に長けたベテラン社員の検品能力、つまり目視による商品の正確な識別が行われてきたということです。

 

しかしながら、取扱品目の中には、商品コードはおろかパッキングや商品名ラベルのない商品も存在するため、商品管理はもちろんのこと、そのシステム化においても大きなネックとなっていました。また、目視検品による出荷精度の向上には限界があり、とりわけ量販店の急速なEDI化の進展に対応するには、今まで以上に納品精度を高めていく必要がありました。このままでは、人件費はかさみ、物流コストのさらなる負荷は明らか。そこで、東日本物流センターでは、ローコストかつ高精度な物流体制を構築すべく、新たな商品管理システムの導入を検討したのでした。

導入システムのポイントと稼働状況

JANコードとハンディーターミナルによる出荷検品

JANコードを活用したシステムを導入すれば、商品知識の無いパートやアルバイト等の人員でも高精度でスピーディな出荷検品ができ、商品管理全般についても非常に有効です。当然、同センターでも、JANコードでの検品について検討されてきましたが、問題は全ての商品にJANコードがついているわけではないこと。商品の特性上付けられないものも存在するため、大きなネックとなってきました。
そこでシステム導入に際しては、JANコード登録商品と未登録商品とが識別できる形で出荷データを出力する方式を採用することとし、未登録商品分だけは目視検品による対応としました。

並行して、メーカーへのJAN登録や営業部門へのマスタ登録を継続的に要請することによって、現在ではJAN採番率は95%にまで達しています。

JANコードが活用可能となった環境により、出荷検品作業は標準化され、商品に対する専門知識の無い人員でも誤出荷10万分の1レベルを実現することができました。
また、JANコードをスキャンニングするハンディターミナルには無線式を採用し、作業実績がリアルタイムに物流サーバに送信されるシステムとなっています。

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再棚卸で在庫管理をさらに徹底

ミスのない出荷体制を構築することによって、棚卸業務も大幅に改善されました。ここでもJANコードとハンディターミナルが用いられ、棚卸データを無線でリアルタイムに転送し、棚卸実績表が出力されると同時にマスタ不備をチェック。この実績表を元に二重チェックによる再棚卸によって在庫管理を徹底化。
全ての在庫品の再棚卸が終了すると在庫データと照合し、差異一覧表を発行。原因調査を行い、全て明確となった時点で棚卸実績をSOLVES(※1)に転送、更新することで在庫精度が大幅に向上しました。

(※1) SOLVES(SSK Online Value Ensure System)
同社における総合ネットワークシステム。数次にわたる拡張で、売上・在庫の照会をはじめ、経営情報システムとの連動やEDI機能も強化、社内イントラネットとの連携も図られている。

 

納品先別の集約出荷による効率化

同社では、シューズ、野球用品などの事業部別に売上管理が行われています。そのため、同じ日に同一納品先に出荷する商品であっても、出荷指示データは担当部門ごとに別々に転送されてきます。しかも、同一納品先でありながら、納品場所が商品によって異なる場合(テニス用品は1F、サッカー用品は2Fなど)があり、内容物別に分割して梱包する必要があります。
こうした状況下で、作業効率を高め運賃コスト削減を図るための対策として、出荷前に出荷指示データを編集し、納品先ごとにまとめて管理ラベルを発行し、その管理ラベル(JANコードマーキング)を元に出荷検品作業を行う方式を構築しました。

 

最も導入効果が大きかった流通加工業務の自動化

納品先の求めに応じて出荷時に用意する値札、専用伝票、送り状といった「流通加工」は、ホストから出力される出荷伝票を元にした手入力による発行作業が行われていました。この過程におけるヒューマンエラー防止と業務の省力化を実現するために、ホストからの出荷指示データを利用して発行までを自動化する方法を導入しました。

同センターでは、出荷伝票が12時までに発行され、その後、ピッキング、検品、梱包を通じ17時までには商品が出荷されるという、リアルタイムかつ一元管理が可能な出荷体制が作り上げられていました。これによって、17時でも営業部門からの要請があれば出荷が可能となっていたのです。流通加工の自動化のためシステムに落とすデータは、SOLVESから提供され、そのデータを元に値札を作ったり、専用伝票を発行したり、返品データの作成が行われるという体制でした。

新たに構築した流通加工システムは、商品の出荷を司るこのSOLVESならびに先に見た検品システムと連動した仕組みにより、検品終了時に値札、専用伝票、送り状、さらにはSCMラベルを自動発行するというもので、その導入効果は実に絶大でした。

例えば、運送会社の荷札発行システムを活用していた送り状発行では、個口の追加が生じた場合、先の送り状を取り消して改めて発行し直す作業が必要でした。
これを新システムでは、ハンディターミナルによる検品システムと連動させることで、1個口で終わったものは送り状が1枚、仮に2個口に変更されたならば送り状が2枚出る仕組みとなっています。

また、送り状と伝票ナンバーと内容物の紐付けを可能とした点も大変有効でした。
紐付け機能は、同システムがSOLVES出荷データを元にして構築されているが故に可能で、出荷データを再度SOLVESへ戻すことにより、部門別の出荷実績から経費配分、分析などへの利用も可能となっています。さらには、1個が2個口になった場合、1個目には1、2、3番の伝票が入っていて、2個目には4、5番の伝票が入っているといった情報も分かるなど、まさにオーダー特性にマッチしたシステムとして構築されています。

なお、流通加工に関しては、以前は委託業者により離れた施設で作業が行われていましたが、センター内で行うことにより、物理的にも従来以上に効率的になっています。

導入効果と今後の課題

新システムの導入によって、高機能プロフィットセンターが実現されました。その結果、どれだけの改善効果が現れたかは以下の通りです。
今後の課題としては、仕入先メーカーのEDI化への対応が挙げられます。現在、納品データの受信を実施している企業及び、取り込みを検討中の企業は数百社のうち数社。しかも、これらの企業で入荷数量のおよそ2分の1を占めているという状況を考えると、今後ASNとして入荷検品データとしての活用が課題だと言えるでしょう。

 

1.誤出荷の減少
・0.006%(240/4,000,000) → 0.001%(55/5,500,000)
* 56期(2004.08~2005.07)実績

 

2.人員の削減

・社員 : 35%削減し、パート・アルバイト化
・棚卸作業要員 : 40%削減

 

3.棚卸時間の短縮

・実棚数確定 1週間 → 3日間 作業翌日に棚卸データを更新し通常業務へ

 

4.在庫精度の向上

・在庫点数 : 約300,000
・在庫アイテム数 : 約13,000
・違算アイテム数 : 110
・違算点数 : 137
* 在庫精度 99.96%

 

5.取扱高拡大への対応

・70~80億円 → 110億円

入荷
入荷された商品がセンター1Fのオートレーター(垂直搬送機)で上階に上げられる。客注商品は、1Fに入荷されると同時に1Fで出荷処理されるが、それ以外の商品は保管棚に収められる。

保管
シューズ類は3Fに保管

商品のロケーションを示すコード表
ロケーション番号の確定には、棚と品番を登録するのではなくブロック番号で確定する。さらに商品についてはアルファベットでYは契約商品、Zは在庫品といった識別をしている。

ピッキングの様子
ピッキングでは請求時のマスタとは異なるコードを用い、納品先店舗別に背番号を振る。これにより店舗を識別、そのコードをキーにして納品すべき商品が1箇所に集まるような手法を導入。

出庫伝票
ピッキングした商品には、この出庫伝票を添付する。

出荷検品の様子
JANコードとハンディターミナルの採用で、作業性と納品精度が格段に向上した。なお東日本流通センターでは、多種多様な形状の商品を扱うことから、マテハン機器による機械化が困難である。そのため、商品の扱いは全て人手によって行われるが、今回のソフトウェアを主体とした各物流システムの連携により、費用対効果の面からも、コストパフォーマンスが非常に高いセンターとして仕上がっている。

値札取り付け
流通加工である値札の取り付けは、出荷の際に別部門で単品ごとに行う。

値札貼り
大量出荷で納品する場合、他の店舗に引き当らないように権利在庫という形で事前に値札を貼る。また客注品の場合は、一足分の品出しを行い、その場で貼るなど様々なパターンがある。

指示票
出荷直前に納品店舗ごとの方面別仕分けが必要な場合、このような指示票が用いられる。この取引先は、東京、大宮、仙台に事業所を持つが、たとえば、大宮のA地区分として指定することにより地区分けされ、これに出荷票に示された店舗ナンバーにより指定の店舗が識別される。

棚卸票
再棚卸による二重チェックがされている様子が分かる。ホストの中ではロケーション管理が出来ていないため、棚にバーコードを設け、これをハンディターミナルで読み、当該ロケーションの商品の棚卸を指示する。データ送信により、このロケーションではこれだけの商品を棚卸したというデータを形成する。

出荷進捗状況画面
PCにより出荷進捗状況が一元管理される。店舗名、納品日、出荷行数、欠品の有無、検品完了行数、さらには出荷指示、検品指示済みか否かなど、出荷先店舗ごとの作業進捗状況がこれで分かる。

東日本流通センターのシステム全体図

企業プロフィール
会社名 株式会社エスエスケイ
本社 〒343-0824 埼玉県越谷市流通団地2-3-1
事業内容 スポーツ用品製造卸
Webサイト http://www.ssksports.com/
担当者の声
担当者コメント
エスエスケイ様のシステム構築で最も苦労したのは、バッチ処理で出荷する体制ではなく、出荷指示データが随時入ってくるという点でした。
一つの取引先なのに出荷ラベルが複数あったり、取引口座が部門毎に異なっているのに納品先は一カ所だったりと、まさにケースバイケースの対応が求められます。
そのために、担当営業の方の入力情報を納品先ごとに集約して納品するというシステムを検討させていただきました。こうしたスポーツ用品業界特有の商習慣ならびに出荷・納品特性を反映させたシステム構築に取り組ませていただくことで、貴重な経験をさせていただけたケースでした。
担当者
マーケティング本部:早野 聡