株式会社野田市電子 様

「リアルなユーザー体験を生かして熊本で自動化を推進したい」
野田市電子が地方の中小企業に名人シリーズを勧める理由

ソリューション:
  • RPA
対象製品:
  • Autoジョブ名人
  • Autoメール名人
業種:
  • サービス

事例(PDF)

人手不足に悩む地方の中小企業にとって、大量の定型業務を自動化できるRPAは魅力的です。一方でそうした企業に向けてRPAが十分に周知され、活用されているとは言い難いのが現状です。

熊本市に本社を置く1878年創業の野田市グループは、株式会社野田市兵衞商店と株式会社野田市電子の2社で5つの事業を展開しています。従業員数270名の野田市電子は、Autoジョブ名人を導入して環境分析事業部の5つの業務を自動化し、年間で1,768時間を削減しました。現在ではユーザックシステムの販売・開発パートナーとして、熊本県内の企業に向けてハンズオンセミナーを実施するほか、県立学校73校のメール業務の自動化を実現しました。

同社の東 憲吾様(ITソリューション事業部 マネージャー)は、「自社業務をAutoジョブ名人で自動化し、名人シリーズは自信を持って他社に勧められる製品だと思いました」と語ります。

Autoジョブ名人を導入した経緯や自動化している業務と効果、販売・開発パートナーとしての取り組みができている背景を、野田市電子の野田和宏様(代表取締役専務)、東様、宮本里沙様(環境分析事業部 測定課)にお聞きしました。

自社でもAutoジョブ名人の活用で5つの業務を自動化し年間1,768時間を削減

Autoジョブ名人は「他社よりも直感的な操作で開発のハードルが低く、サポート体制が充実している」と語る野田専務
Autoジョブ名人は「他社よりも直感的な操作で開発のハードルが低く、サポート体制が充実している」と語る野田専務

――Autoジョブ名人を導入するまでの経緯を教えてください。

野田和宏氏:
当社は半導体事業と環境分析事業、人材ソリューション事業、ITソリューション事業の4つの事業を展開しています。このうちITソリューション事業部では、主に介護福祉施設向けにシステムの提案や運用・保守を実施するほか、お客様の課題を解決する目的でさまざまなソフトウェアやハードウェアを取り扱っています。

こうした背景から、メディアで頻繁に取り上げられていたRPAに関心を持ち、2019年ごろから名前を聞いたことがあった他社RPA製品の情報収集の為いくつかセミナーを受講していました。

その頃ユーザックシステムの当時の社長からRPAやAutoジョブ名人の特徴について直接教えていただく機会があり、その後参加したAutoジョブ名人のセミナーで「他社よりも直感的な操作で開発のハードルが低く、サポート体制が充実している」と感じたため、導入時点での不安感を払拭できたユーザック製品で2020年にまずは社内の業務を自動化してみることになりました。

「5つの業務の自動化により、合計で年間1,768時間を削減しました。これはおよそ従業員1人分の年間労働時間に相当します」(東氏)
「5つの業務の自動化により、合計で年間1,768時間を削減しました。これはおよそ従業員1人分の年間労働時間に相当します」(東氏)

――どのような業務を自動化したのでしょうか?

東 憲吾氏(以下、東氏):
まず、環境分析事業部の2つの業務を自動化しました。1つ目はアスベストの分析業務です。現場で採取した検体の情報や、お客様からの依頼内容を元に、報告書や分析データに転記する作業をAutoジョブ名人で自動化しました。

2つ目はPCBの分析業務です。PCBはポリ塩化ビフェニルの略で、人工的に作られた油状の化学物質です。昔は、絶縁油や熱媒体など、様々な用途で使われていましたが、毒性が明らかになり、現在では製造や使用が禁止されているとともに、その処理には適切な対応が求められています。当社はPCBの処理に関するコンサルティングを担っており、処理費用の見積書や行政向けの届出、お客さまへの報告書など、8つのドキュメントをRPAで自動作成しています。

これ加えて、最近では「マスクフィットテスト」「騒音振動測定」「作業環境測定」の3つの業務もAutoジョブ名人で自動化しています。

マスクフィットテストは、工業用マスクの密着性をチェックする業務です。お客様の現場に定期的に通い、決められたテスターでテストを実施し、値を報告書に記載して密着性が基準値内かどうかを確認します。騒音振動測定も現場で騒音・振動を測定し、値を報告書に記載して結果を報告します。この2つの業務に関しては、計測した値を報告書に転記する作業を自動化しています。

作業環境測定は、労働者の健康を守るための測定であり、労働者が働く作業環境における気中の有害物質(化学物質、粉じんおよび騒音)の濃度や強度を測定・分析することで、作業環境の管理状態を評価しています。システムより出力した報告書に、別ソフトで作成した現場レイアウト図を差し込む等の作業を自動化しています。今までは、システムの仕様上、特定の形式や内容の変更ができないため、やむを得ず手作業で行っていました。

「これまでは転記作業の際のミスが多く、確認して修正するための回覧作業に5〜10日かかっていました」(宮本氏)
「これまでは転記作業の際のミスが多く、確認して修正するための回覧作業に5〜10日かかっていました」(宮本氏)

――自動化の定量的な効果と定性的な効果を教えてください。

東氏:
5つの業務の自動化により、合計で年間1,768時間を削減しました。これはおよそ従業員1人分の年間労働時間に相当します。

宮本里沙氏:
これまでは転記作業の際のミスが多く、確認して修正するための回覧作業に5〜10日かかっていました。自動化でミスが減少した結果、回覧作業が1〜2日にまで短縮され、承認者および担当者の時間的・精神的な負荷が減少し、納期に余裕が生まれました。

書面作成にかかる時間が短縮されたので、業務の段取りや作業の計画等、現場対応にしっかりと時間をかけられるようになりました。空いた時間でさらに効率化を進められるようになったのも大きな変化です。さらに、これまでは対応が難しかった、急な測定依頼や短い納期の依頼にも柔軟に対応できるようになりました。

その経験を活かし、自社でも地域企業向けへのRPAの開発・販売ができるのではと考え名人シリーズのパートナーとして熊本地域で活動をしております。

ユーザックシステムだからこその手厚いサポートが販売を推進する原動力に

「ユーザックシステムには販売パートナーとしてだけでなく開発パートナーとしても幅広いサポートを受けられていることが拡販への推進力となっている」(東氏)
「ユーザックシステムには販売パートナーとしてだけでなく開発パートナーとしても幅広いサポートを受けられていることが拡販への推進力となっている」(東氏)

東氏:
ユーザックシステムには販売パートナーとしてだけでなく開発パートナーとしても幅広いサポートを受けられていることが拡販への推進力となっていると思います。

具体的にはオリジナルの開発者育成プログラムを組んでもらいこれまで3回にわたりAutoジョブ名人を2回で4日間、メール名人を1回で2日間というしっかりした内容でスタッフのスキルアップに貢献いただきました。

2日間にわたるプログラムでは、開発者育成プログラムとしてのスクリプトの開発方法だけでなく、自動化に向いている業務や販促ツールの使い方などの営業方法もユーザックシステムの営業担当者から直接教えていただきました。他の販売・開発パートナーさんが抱える課題を共有していただくなど、必要なノウハウを蓄積、共有の仕組みが整っていると感じます。
当社は既に、Autoジョブ名人とAutoメール名人の開発者育成プログラムを営業4名とSE2名が受講しました。

また、他の販売代理店との座談会に誘ってもらいSE間でどういう悩みがあり、その際にどのような解決の方法があったのかといった具体的な情報共有の場を設定してもらいました。

ちょうど取材を受けている今も2日にかけてAutoメール名人のセミナーを行っていただいているところです。
そこでも販売にむけてメール名人がどのような業務に実績があってという実例や、営業的な情報共有もいただき具体的業務を例にセミナーを開いてもらっているのが嬉しいですね。

「ユーザックシステムとしても、地域でサポートができる拠点ができることは歓迎なので積極的に協力したい」という温かい姿勢でサポートに取り組んでいただいているので非常に助かっています。

そして販売代理店として自社でも県立学校73校に名人シリーズ導入を実現

「2022年4月から年に2回、現在までに計6回のハンズオンセミナーを実施しました」(東氏)
「2022年4月から年に2回、現在までに計6回のハンズオンセミナーを実施しました」(東氏)

――現在はユーザックシステムの販売・開発パートナーとして、名人シリーズを社外に展開されています。現時点での実績を教えてください。

東氏:
2022年4月から年に2回、現在までに計6回のハンズオンセミナーを実施しました。また、熊本県には県立学校が73校あり、その全てにAutoジョブ名人とAutoメール名人をセットで導入していただきました。当社の事例記事を読んだ熊本県の関係者から連絡があり、プロポーザルに参加したのがきっかけです。導入が決まったのが2023年7月で、8月から先行導入を開始し、12月に全校導入が完了しました。

――どういった業務を自動化しているのでしょうか?

東氏:
メール業務です。これまでは届いたメールを全てプリントアウトして選別し、必要なものは校内管理職に回覧して指示を仰ぎ、指示に従って担当に渡し、対応しておられました。

今回は、メールを選別し、必要なメールだけをクラウド上でリスト化し、担当にメール転送する部分を自動化しています。担当を指定する部分は従来通り人が行っていますが、関係者からは「業務負荷が大幅に軽減された」と大変好評です。

今回の大型受注は、イレギュラーかもしれませんがユーザックシステムが今後の自社で販売・開発につながるよう伴走いただき、プロポーザルの準備を協力いただいた事も初期受注につながった要因の一つと感じています。

その後もAutoジョブ名人だけでなく、ステップアップするためにメール名人も開発パートナーとしても社外に販売できるよう今もサポートいただいていることに感謝していますし、今後の販売へのはずみができたと思います。

それと同時に県立学校で採択された経緯があり、社内でも活用のニーズがあるため、今後はAutoメール名人を導入して改めて社内の業務を自動化する予定です。Autoジョブ名人と同様に、開発者育成プログラムなどを活用しながら社内にノウハウを蓄積し、社外への展開に生かしたいと考えています。

地域に根ざした販売・開発サポーターとして地方の中小企業の自動化を推進したい

グループ会社の株式会社野田市兵衞商店本社前にて。こちらの建物は熊本市が指定する景観指定形成建造物のうちの1つで、ハンズオンセミナーの会場ともなっている。
グループ会社の株式会社野田市兵衞商店本社前にて。こちらの建物は熊本市が指定する景観指定形成建造物のうちの1つで、ハンズオンセミナーの会場ともなっている。

――名人シリーズを社外に展開する上で、工夫していることや苦労したことがあれば教えてください。

東氏:
野田市グループは、各事業部が古くからお付き合いのあるお客様を多く抱えています。まずはこうした既存のお客様にRPAをご紹介できたらと考えています。

具体的には、他事業部既存のお客様へITソリューション事業部のメンバーがRPAの概要説明に伺ったり、ハンズオンセミナーにご招待したりできると考えています。

苦労したことは、自動化対象業務の選定でしょうか。以前は業務の棚卸や自動化対象業務の洗い出しと選定をお客様にお願いしていましたが、途中で挫折してしまうケースが少なくありませんでした。そこでITソリューション事業部にて、より密に伴奏支援する流れに変更したころ、以前よりもスムーズに進むようになりました。

当社はAutoジョブ名人を導入し、業務の棚卸や自動化対象業務の洗い出しと選定、開発や運用・保守までの一連の流れを経験しています。苦労するところやポイントになるところが分かっているので、お客様からすると説得力があるのだと思います。

地方のお客様は特に、リモートではなく現地でのサポートを期待されます。お客様だけでは解決しない問題が発生した場合、担当者がすぐに現場に駆けつけなければなりません。当社は経験に基づいた確かなスキルを背景に、地域に根ざした販売・開発サポーターとしてお客様のお役に立てると考えています。

――自動化の推進に貢献したいと考えている地方の販売代理店に向けて、メッセージをお願いします。

東氏:
業務自動化の内製化を考える企業にとって、他のRPA製品よりもユーザックシステムの名人シリーズは非常にハードルの低いRPA製品です。世の中には様々なRPA製品がありますが、名人シリーズは中・小規模の業務フローの自動化に向いており、自社開発運用に適した国産製品で、他の製品よりコストパフォーマンスも優れています。導入できる業務が豊富なので、非常に裾野が広く、営業活動がしやすいと感じています。

ハンズオンセミナーを実施してみると、「RPAという言葉は聞いたことがあるが、具体的に何ができるか分からなかった」という中小企業の担当者が多く、ほぼ全ての担当者から「もっと難しいと思っていた」という声を聞きます。導入や活用がそれほど難しくないことが十分に周知されていないので、どうやって効率よく周知活動を実施していくかが今後の課題です。

地方の中小企業は、まだまだ働き方改革やデジタル化、DXについて模索している企業が少なくありません。こうした状況を踏まえた上で、ハンズオンセミナーなどを通じてRPAと名人シリーズの良さを理解していただき、拡販につなげたいと考えています。

――本日はお忙しいところ、貴重なお話をありがとうございました。

企業プロフィール
会社名 株式会社野田市電子
本社 〒860-0827 熊本市中央区世安二丁目1番16号
設立 1980年
資本金 2,500万円
事業内容 半導体事業、環境分析事業、人材ソリューション事業、ITソリューション事業
Webサイト https://www.nodaichi.co.jp/denshi

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