ユーザックシステム株式会社
残業を前提とした業務体制からの脱却。
バックオフィス業務における、属人化解消と業務意識改革を実現したRPA活用の軌跡とは。


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“誰かがやるしかない仕事”が積み重なり、気が付けば残業が当たり前に――
働き方改革の流れと人材不足の加速により、バックオフィス部門には、これまで以上に高い生産性と品質が求められる時代となりました。しかし、「人は減っていくのに、業務量だけは増え続ける」という課題は、多くの企業に共通しているのかもしれません。
データ入力、集計、帳票作成、複数のシステム間でのデータ連携、メールの仕分け・通知、Webからの情報収集、定型レポート作成など、いわゆる“誰かがやるしかない仕事”が積み重なり、気づけば残業が当たり前になる――。こうした問題の解決策として、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)への期待が高まっています。
今回紹介するのは、RPAツール「Autoジョブ名人」を自社内で活用し、日々の出荷関連業務を中心に、多岐にわたる業務の自動化を推進するユーザックシステム株式会社 カスタマーサービス部 出荷センターの事例です。同部署では、現場自らが主体となり、自動化シナリオを開発。属人化解消・残業時間削減だけでなく、「業務の意味を問い直す文化」を育むことに成功しました。
本記事では、Autoジョブ名人導入の経緯、自動化の進め方、効果、さらに今後の展望について、同部署の伊豆野 由貴へインタビューした内容をご紹介します。
「作業を手放せるようにする」「自動化できる仕組みに変える」という方向で検討を開始。
---早速ですが、カスタマーサービス部 出荷センターでの仕事と、ミッションを教えていただけますか。
伊豆野 由貴(以下、伊豆野):
お客様からご発注いただいた製品について、確実に納品するための品質担保が大きなミッションです。ライセンス管理システム(UIS)を用いた出荷作業や管理作業なども担当しています。納品の遅れや漏れが発生すると、直接お客様にご迷惑がかかりますので、正確性とスピードが求められる部門です。
---出荷センターでAutoジョブ名人を活用されているとのことですが、どのような業務に利用していますか?
伊豆野:
当初は、お昼と夕方の一日二回、その日に出荷を予定している案件について、納品漏れがないかのチェックに利用していました。その後、月末や月初におこなう事務作業にも利用を拡大しました。例えば、通信ソフトの出荷実績を集計し仕入先様に報告する作業や、出荷センターが扱う個人情報件数の確認・報告作業などです。その他にも、WebFAQやRPAの設定情報をバックアップしたり、作業日報の入力作業など、自動化を取り入れた業務は多岐にわたります。
---導入前はどのような課題を感じていましたか?
伊豆野:
大きくは3つあります。一つ目は残業が前提になっていたこと。月末は締め時間の後に行う作業が多く、導入前は、作業終了が20時を超える日も珍しくありませんでした。
二つ目は属人化です。「この作業はこの人でないとできない」という状態が長く続いていました。
三つめは、休暇や退職などにより、「人は減るのに業務は減らない。むしろ増える」状態であったこと。人の力だけで業務を回すのは、もはや限界でした。
そこで、「作業を手放せるようにする」「自動化できる仕組みに変える」という方向で検討を開始しました。
---導入に向けて、どのように進めましたか?
伊豆野:
はじめは、自動化できそうな業務を自動化する、と進めていました。その後、先の課題に直面し、進め方を見直しました。まずは、休暇や退職など引継が必要なタイミングで、引継業務の棚卸を行い、一つひとつの業務に対し、やめる・継続する・自動化する、と三つに分類し、それぞれの担当者を決定しました。
その際、自動化を進める前に重要なことがあります。開発前に、チームとして自動化のルールを明確にしておくことです。将来的には、シナリオを作成した担当者以外の人が確認・修正を行うことを前提として、①処理の部品化(共通化)や、使用するフォルダや通知方法などを統一、②シナリオを複雑にしすぎないこと、などルールの認識を合わせ、各メンバーが担当になった業務の自動化を進めるようにしました。
---自動化の効果について、教えてください。
伊豆野:
定量的な効果は集計できていませんが、定性面では、属人化が解消された点が最大の効果だと考えています。自動化によって、引継後も大きな問題もなく、業務が回っております。
また、残業時間でいえば、自動化前は、月末は20時くらいまでかかっていたものが、一時間以上短縮されました。作業を自動化した分、私たちは別の仕事ができますので、トータル的にはかなり、作業が効率化されていると思われます。
それ以外にも、仕事に対する意識としては、何か新しい仕事が発生した場合、着手前に作業の意味や、自動化できないかな?という視点で考える習慣が身につきました。
---さらなる活用の計画はありますか?
伊豆野:
今すぐの計画はありませんが、前述の通り、新しい仕事が発生した場合は、自動化の検討を進めたいと思います。
また、現在は社内システムの見直しが行われている最中ですので、今後はその進捗に合わせて自動化シナリオの修正対応が必要となりそうです。その際は、当社関連会社の大連思騰軟件有限公司に支援してもらえたら、とも考えています。

Microsoft Power Automateも活用。それぞれの得意分野を見極める。
---出荷センターでは、Autoジョブ名人のほかにも、Microsoft Power Automateを利用しているそうですね。どのように使い分けているのですか?
伊豆野:
大きく分けると、Autoジョブ名人は定型業務の自動化に利用しています。定時に実行する必要がある処理や、ファイルサーバやインストールしたプログラムの操作が必要な業務には、Autoジョブ名人を。また、オフライン環境で実行したい場合にもAutoジョブ名人で自動化しています。
一方、Power Automateは、クラウド上で実行し、TeamsやSharePoint上のファイル、その他Microsoftの各ツールとの連携やリアルタイム性が求められる業務で、と使い分けをしています。
余談ですが、シナリオの作成では、Autoジョブ名人はサポートを受けることができます。対して、Power Automateはノンサポートです。ネットや生成AIから幅広く情報は収集してシナリオに落とし込むため、ある程度のスキルが必要になると感じます。
---最後に、メッセージをお願いします。
伊豆野:
業務の自動化に取り組む際は、単に負担を軽くするだけではなく、一つひとつの業務を見つめ直す、いい機会になるのではと感じます。以前から行っている、という理由で続けている業務であっても、ビジネス環境が日々変化するなか、必要ではなくなっていたり、簡素化できたりする業務もあるかもしれません。そうした意味でも、定期的な仕事の棚卸は重要な意味を持つと思います。
実際にAutoジョブ名人を利用する中で、ブラックボックス化しないように実施した作成ルールと合わせて、シナリオ内に残したコメントが役立っています。
また、自動化の様子も動画で残せるので、最悪、動画を見れば、どのような処理をしているのか、目で追いやすい点もお勧めです。
これからも、Autoジョブ名人とPower Automate、それぞれ自動化に適した業務が異なるため、自動化する業務に応じてツールを使い分け、業務の効率化を進めたいですね。
---ありがとうございました。
