
RPAによる業務改善提案ネタ6選!業務内容別の活用事例も紹介

「業務改善の提案書を出さないといけないけれど、もうネタがない…」
そんなお悩みはないでしょうか。
人手不足や残業削減、DX推進の流れもあり、多くの企業で業務改善が求められています。
一方で、これまでにも改善活動を重ねてきた結果、
- どこを改善すればいいのか分からない
- 目新しいネタが思いつかない
- 上司や経営層に刺さる提案をつくるのが難しい
と感じている担当者も少なくありません。
本記事では、そんな方に向けて、
- 業務改善ネタの見つけ方
- RPAを用いた業務改善ネタ6選と、その活用事例イメージ
- 業務改善で得られる成果
- RPAによる業務改善を成功させるポイント
を分かりやすく解説します。
「業務改善ネタが思いつかない」のは、決してあなただけではありません。多くの企業では、
- 残業時間や人件費を減らしたい
- 入力ミスや伝達ミスを減らしたい
- 人手不足でも回る体制を作りたい
- ペーパーレスやDXを進めたい
といった目的で、継続的に業務改善が求められています。
しかし現場の担当者の声を聞いてみると、
- 「これまでに思いつく改善はひと通りやった」
- 「小さな工夫は日々やっているが、インパクトのあるネタがない」
- 「“頑張ります”ではなく、数字で説明できる改善案を出したい」
といった“ネタ切れ状態”に陥っているケースが多く見られます。
そこで重要になるのが、
「どこを見れば業務改善のネタが見つかるのか」という視点です。
業務改善のネタは、特別なところにあるわけではなく、日々の業務の中にある「モヤモヤ」や「面倒くさい」の中に潜んでいます。まずは次の視点で、自社の業務を洗い出してみましょう。
1. 入力・転記が多い業務はないか?
同じ内容を、Excelや基幹システム、Webの管理画面など複数の場所に入力していることはないでしょうか。また、メールで届いた内容を、毎回手入力でシステムへ登録しているということも同様です。こうした「二重・三重の入力」「コピー&ペーストの繰り返し」は、現場の手間とストレスを増大させます。
さらに、転記ミスが起きれば後処理にも時間がかかり、顧客満足度にも影響を及ぼしかねません。RPAのような自動化ツールを使うか、入力窓口を一元化するだけでも大幅な業務効率化を見込めるでしょう。
2. 紙やハンコが前提になっている業務はないか?
紙の資料を前提とした伝票処理や押印作業は、一見すると慣例化していてスムーズに見えます。しかし、実際には関連書類の保管や確認作業のたびに、時間と手間がかかっているケースが多いです。申請書や稟議書、注文書、納品書など紙やFAXで受け取り、それを見ながらシステムに手入力などというものも、改善のネタになります。
紙が絡む業務は、手入力だけではなく、「探す」「持っていく」「ファイリングする」といった“紙ならではのムダな作業”が発生します。ペーパーレスを進めることで、文書管理の手続きを簡略化し、リモート環境へも素早く移行しやすくなります。
3. 毎日・毎週・毎月、同じ作業を繰り返していないか?
頻度が高く手順がだいたい決まっている作業も、改善ネタの宝庫です。例えば、
- 日次の売上集計・在庫集計
- 月次の請求データ作成
- 定型レポート作成
といった定型作業は、RPAと相性がよく、事例も多数見られます。
定期的に発生する定型業務はRPA化しやすい代表的な領域です。まずはそこから自動化を検討してみましょう。時間削減だけでなく、担当者がより付加価値の高い仕事に集中できるようになります。
4. 特定の人にしかできない“属人化業務”はないか?
- 「あの人がいないと処理が進まない」業務
- 手順が担当者の頭の中にあり、マニュアル化されていない業務
といった属人化している業務は、リスクの面でも改善の優先度が高い領域です。
その社員だけが担当できる業務が多いと、異動や休職などの際に他の人がカバーしにくく、業務が停滞するリスクがあります。作業手順をマニュアル化し、RPAへ置き換えられる部分がないか検討することで、組織全体が安定的に稼働しやすくなります。属人化の解消は人材育成にも直接的に寄与するので、経営視点でも大きなメリットとなるでしょう。
RPAを用いた業務改善のネタと事例を紹介します。実際に役立てている業界・業務についても記載しているため、自組織の業務で適用できるかを検討する材料としてください。
二重、三重の入力、転記作業を自動化
<よくある課題>
●基幹システム、Excel、Webシステムなど、複数箇所への入力
●コピー&ペーストが多く、入力ミスが起こりやすい
●単純作業に時間を取られ、本来の業務に手が回らない
<RPAでの改善イメージ>
●ExcelやCSVで受け取ったデータを、RPAが自動でシステムへ登録
●Web画面でのログイン・検索・入力・保存をRPAが代行
●1つの入力をトリガーに、複数システムへの登録を一括処理
<改善事例>
人材派遣事業の株式会社ソルクシーズ様では、パートナー企業から送られてくる要員紹介の情報の突き合わせとWebシステム、Excelへの入力作業にRPAを適用しています。
日に1,000~2,000件のメールを受信しており、企業ごとの異なるフォーマットへの対応もフローを設定して自動化に成功しています。
効果として、リストの突き合わせ作業だけでも1日1時間程度の削減ができ、Excelへの転記作業の自動化でも1日2時間程度の削減を見込んでいます。
受発注業務の効率化・自動化
<よくある課題>
●FAXや電話、メール、Webなど注文受付が複数チャネルに分散
●最終的に、基幹システムへ手入力している
●入力ミスやモレを防ぐため、ダブルチェックが必要
<RPAでの改善イメージ>
●FAXや電話での注文をメールやWeb注文で送信いただくよう、取引先へ打診
●Web受注システムやメールからの注文データを取得し、自動で基幹システムに登録
●注文データを元に、取引先別の請書・納品書などをRPAで自動送信
<改善事例>
食品業界向け専門商社の株式会社丸冨士様では、デジタル化とDX推進の一環として、販売管理システムへの注文データの登録をRPAで自動化しています。
Webからの注文受付に外部の受発注管理システムを利用しており、そのデータを自社で利用している販売管理システムへ登録する作業では「人的な負担が大きい」「ミスも多発する」という課題を抱えていました。
具体的には、Webの注文管理システムからデータをダウンロード、データ形式の変換、販売管理システムへのアップロードという作業が存在していましたが、これをRPAにより自動化に成功しています。
その他にも発注のFAX送信、入金消込などもRPAでの自動化を行い、月に140~280時間の作業時間削減と担当者の心理的負担解消という成果があがりました。
紙の資料をデジタル(ペーパーレス)化
<よくある課題>
●申請書、稟議書、注文書などは紙が中心
●FAXや郵送で届く書類を見ながら、システムへ手入力
●保管や検索の手間がかかっている
<RPAでの改善イメージ>
●FAXやスキャンした書類をOCRでデータ化し、RPAがシステムへ自動で登録
●紙の申請書はオンラインフォーム化し、RPAが承認状況を管理
●電子データを自動でフォルダ分け・ファイル名付与して保存
<改善事例>
専門商社のA社では、貿易関連の帳票・伝票のペーパーレス化が大きな課題となっていました。国内外の取引先が扱う伝票や帳票は種類、数量ともに多く、データ入力の負荷が高かったと言います。
AI-OCRとRPAを組み合わせ、月間700件程度の帳票データ入力作業を削減しました。この取り組みの有効性は社内の他部署にも伝わり、全社的な業務改善へと進むようになりました。
納品書等帳票出力の自動化
<よくある課題>
●納品書の出力やPDF化を手作業で行っている
●送り状や納品書、出荷伝票などの出力の都度、基幹システムにアクセスしている
●締め時間に帳票出力や送付作業が集中して、残業になっている
<RPAでの改善イメージ>
●基幹システムデータの抽出や帳票出力までをRPAで自動化
●出力後の保管や取引先送信をRPAで自動化
<改善事例>
卸売業B社では、月末になると担当者が数百件分の納品書を手作業で出力していました。
RPAを導入し、基幹システムへアクセスし帳票出力、さらにPDF化をして保存までの一連の作業を自動化できました。これにより、月末の残業を大幅に削減できました。
在庫管理、自動発注
<よくある課題>
●在庫数の確認から発注の判断、発注書作成を人手で行っている
●在庫不足や過剰在庫が発生している
●担当者の経験や勘に頼る部分が大きい
<RPAでの改善イメージ>
●一定時間ごとに在庫状況を取得、しきい値を下回った商品を抽出
●発注点を下回った商品のリストと、発注データを自動作成
●そのまま発注書を作成し、担当者にアラートを出す
<改善事例>
EC事業を営むC社では、在庫管理システムとAPI連携ができないECモールの在庫管理は手作業だったため、負荷が高く残業が常態化していました。そのため、さらなる店舗展開が困難でしたが、RPAを導入し、
■ECモールの在庫データと基幹システムデータの突合せ作業
■在庫データのアップロード
■各ECモールの売り上げデータダウンロード
■適正在庫確認用の納品リスト作成
を自動化しました。担当者は、これらの作業から解放され、最終確認・判断に専念できるようになりました。
メール関連業務
<よくある課題>
●受信メールの振り分けと返信に時間がかかる
●毎日決まったタイミングで送る報告メールを手動で作成している
●添付ファイルの保存や整理が後回しになっている
<RPAでの改善イメージ>
●件名・本文・差出人からメールを自動分類し、担当者ごとに振り分け
●定型的な問合せに対しては、テンプレート化しRPAが下書き作成
●添付ファイルを自動で保存、リネームしてフォルダに格納
<改善事例>
総合専門商社の株式会社日伝様では、2012年からメールに関する業務へのRPA適用を始めており、12年後の2023年には年間で6,048時間の業務時間削減に成功しています。
メールでの注文に対する受注業務の自動化、メーカーからの連絡メールを受けての納期回答業務、出荷通知業務などを自動化し、業務時間の削減とともにミスも減り、従業員あたりの生産性が大幅に向上しました。
ここまで見てきたような業務改善に取り組むと、次のような成果が期待できます。
- 業務効率の向上
単純作業の時間を削減し、人にしかできない業務に時間を使える - 業務品質の向上
入力ミスや処理漏れなどを防ぎ、安定した品質で業務を回せる - コスト削減
残業時間の削減や、外注費の削減につなげることができる - リスクの軽減
属人化を解消し、担当者の不在や退職による業務停止を防止 - 組織や業務間の連携円滑化
部門・業務間の情報連携が改善され、手戻りや納期遅延を防げる - 属人化の排除
担当者の変更や複数人でのタスクシェアが可能な柔軟性の高い組織構築に繋がる - デジタル化やDXの推進
業務のデータ化が進むと情報活用がしやすく、サービスや製品の価値向上に役立つ
特にRPAを活用した業務改善では、
- 既存システムを置き換えずに、画面操作を自動化できる
- 人がやるのと同じ手順をRPAロボットに任せられる
といったメリットがあり、「今ある業務」を大きく変えすぎずに改善できる点が強みです。

業務改善の進め方は、大きく次の3つに整理できます。
「どこから手をつけるか」「どこまで踏み込むか」を決める際の整理の軸として活用してください。
実際の現場では、いずれか1つだけでなく、複数を組み合わせることでより大きな効果が期待できます。
ルールや手順、制度の策定と導入
まずは、今のルールや手順を見直す方法です。
承認フローが細かすぎたり、形骸化したチェックが残っていたりすると、ムダな手間や待ち時間が発生します。
例えば、
- 承認者を減らして決裁を早くする
- 報告書や帳票の項目を絞り込む
- 重複している申請・報告を統合する
といった形で、「そもそもこの手順は本当に必要か?」を見直します。
運用中のルールが最善とは限らないため、定期的な棚卸しと見直しが重要です。
ツール導入による効率化・自動化
次に、人が行っている作業をツールに置き換える方法です。
紙の書類をオンラインフォームにしたり、Excel集計を専用ツールに置き換えたりすることで、入力や集計の手間を減らせます。
PC上の定型的な操作を自動化したい場合は、RPAが有力な選択肢です。
RPAを使えば、
- システム画面への入力・転記
- データのダウンロードや整形
- メール送信や帳票出力
など、人が行っていたPC操作をそのままロボットに任せることができます。
これにより、業務効率化やコスト削減だけでなく、ミスの削減にもつながります。
業務の最適化
3つ目は、業務そのものの「構造」を見直す方法です。
担当者や工程の分け方、仕事の流れ自体が複雑になっている場合、部分的な改善だけでは限界があります。
例えば、
- バラバラに担当していた作業を1部署などに集約する
- 前後の工程をまとめて1つのプロセスとして設計し直す
- 不要になった工程やチェックを大胆に削る
といった形で、業務の流れ全体をシンプルにします。
担当者単位ではなく、組織全体のプロセスとして「最適な形」を考えることで、より大きな時間削減やリードタイム短縮が期待できます。
RPAを使った業務改善を成功させるためのポイントを整理します。
業務の棚卸と適用箇所の検討
まずは、
- どんな業務があるか
- どのくらいの頻度・工数がかかっているか
- ミスが多い・ストレスが大きい業務はどこか
を整理し、RPAが向いている業務を洗い出します。前述した「どこに“ムダ”が潜んでいるか?」を確認すると、適用箇所の候補を見つけやすくなります。
フレームワークを使って優先順位をつける
候補となる業務がたくさん出てきたら、どこから着手するかの優先順位付けが必要です。
その際には、次のようなシンプルなフレームワークを使うと整理しやすくなります。
まずは、業務改善の定番である「ECRS」の4つの視点です。
- Eliminate(やめる):本当に必要な業務か?なくせないか?
- Combine(まとめる):似たような作業をまとめられないか?
- Rearrange(順番を変える):実施する順番を変えることでムダが減らせないか?
- Simplify(簡素化する):手順やルールをもっとシンプルにできないか?
この4つの観点で業務を見直すと、「そもそも不要な作業」「まとめると効果が大きい作業」が見えてきます。
次に、候補となった業務ごとに
- 効果(インパクト):削減できる時間や工数、ミス削減、影響範囲
- 実現しやすさ:手順の明確さ、例外の少なさ、関係システムの数
の2軸で評価し、「効果が大きく、実現しやすい業務」から着手するのがおすすめです。
必要に応じて、BPMNなどで業務の流れを図式化すると、どの工程をまとめるべきか、どこにボトルネックがあるかが見つけやすくなります。
スモールスタート
組織へRPAを導入して業務改善を行う場合、さまざまな業務への適用が可能なため、一度に広い範囲への展開を考えてしまいがちです。しかし、組織の中にはRPAにより自分の業務が奪われるのではないかと考える人やRPAの有効性について疑問を持つ人もいます。RPAの有効性を示しながら広く展開する場合には、スモールスタートでの導入が効果的です。
まずは効果の出やすいところからRPAを適用し、成功事例を作ります。RPAの有効性を組織に浸透させ、その後に範囲を広げると展開がしやすいです。
- 小さな範囲で試す(PoC)
- 成果や問題点を確認し、シナリオや運用ルールをブラッシュアップ
- 対象業務や部門を広げていく
というステップで進めることで、現場の不安を軽減しながら定着を図れます。
RPAを組織に定着させる
RPA担当者やシステム管理者の育成はもちろん、定期的な情報共有の場を設けることも重要です。新しいツールは導入初期に戸惑うこともありますが、段階的に学習機会を用意すれば定着を促しやすくなります。組織全体でツールの活用を当たり前にすることで、長期的な業務改善の成果を高められるでしょう。
本記事では、
- 業務改善ネタの見つけ方
- RPAを活用した業務改善ネタ6選
- 業務改善の成果と、RPA導入を成功させるポイント
をご紹介しました。
業務改善のネタは、現場の「面倒」「時間がかかる」「ミスが怖い」といったモヤモヤの中に必ず存在します。
まずは、
- 業務の棚卸と“ムダ”探し
- RPAと相性の良いネタからスモールスタート
- 成果を見える化しながら、徐々に対象範囲を広げる
という流れで取り組んでみてください。
ユーザックシステムのRPAツール「Autoジョブ名人」は、日々のPC操作をそのままロボットに任せられる、現場で使いやすいRPAです。
- 入力・転記の自動化
- 受発注業務の自動処理
- 納品書・帳票出力の自動化
など、この記事でご紹介したような業務改善ネタにも多数の実績があります。
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