IT活用事例やRPAなどの最新情報をお届けする

業務改善とIT活用のトビラ

物 流

アメリカ流通業の最新動向(56)
アマゾンの奇想天外なシステムと30分宅配、そして空飛ぶドローンタクシー


前号<アメリカ流通業の最新動向(55)次々と行われる新たな配達実験>で新たな配達実験について記しましたが、宅配最大手のUPSもドローンを活用した配達実験を行いました。同社の実験は前号のメルセデスベンツが進めている「バンズ&ドローンズ(Vans & Drones)」と同様、ドローンは配送トラックから離発着するもので、現時点ではルーラルエリアでの配達を想定しています。

また、アマゾンのドローン配達の発表は大きな驚きをもって迎えられ、現在では競合他社を交え実現は間近となっていますが、同社では今度は飛行船を使うという奇想天外な配達システムを考案し、特許を取得しました。これは上空4万5千フィート(約14㎞)に留まる巨大な飛行船をフルフィルメントセンターとし、そこから指定された場所にドローンなどの小型機で配達するもので、飛行船への在庫や燃料の補充には中型の飛行船を用いるとしています。利用例としては、イベントやコンサート会場の上空に留まり、参加者が求める商品を直ちに上空から届けるといったことや、2,000フィート(約600m)まで下降し、参加者に向け音響や映像による広告活動も行うとしています。

また、同社は14億9,000万ドルを投じて、航空貨物機のハブ施設をシンシナティ/ノーザン・ケンタッキー国際空港に建設すると発表しました。現在、同社では貨物機16機を米国内で運行していますが、今後40機にまで拡大する予定で、ハブ施設を開設することで機動力を一層高めることができるとしています。

一方、アマゾンがマンハッタンで1時間配達を始めたのは2014年12月で大きな話題を呼びましたが、なんと真夜中でも30分以内に宅配してくれるサービスが同時期に誕生していました。飲料や日用雑貨などを30分以内で配達してくれるオンデマンドの宅配サービス「ゴーパフ(goPuff)」が急成長しています。3年前にフィラデルフィアの大学生が2人で始めた小さなビジネスは都会に住むミレニアル世代のハートを掴み、現在18都市にまで広がっていまして、年内にはオハイオ州コロンバス、テネシー州ナッシュビルでも展開する予定です。

取扱い品目数は約3,000で、スナック菓子やアイスクリーム、飲料、日用消耗品を中心とするコンビニエンスストアのような品揃えで、電話や同社のアプリで手軽に注文できます。営業時間は午後0時から翌午前4時半までとなっており(フィラデルフィアに限り24時間営業)、配達料は一律僅か1ドル95セントで、49ドル以上の注文は無料になります。

同社によるとニューヨークなどの大都市では午前2時から3時に注文が最も多く、トイレットペーパーやペーパータオルなどの日用品、スナック菓子、ダイエットコークやゲータレードなどの飲料がオーダーの上位を占めているといいます。尚、マンハッタンの営業範囲は南端から129丁目までとなっています。

加えて、驚いたことに空飛ぶ自動運転ドローンタクシーが早くも現実化しそうです。

アラブ首長国連邦のドバイ行政当局が今年7月にも運行を開始する予定を明らかにしました。
使用されるのは中国製のドローン「EHang 184」、乗客1人もしくは最大100㎏を積載でき、最高速度時速100マイル(160㎞)で最長50㎞の距離を飛行できます。



UPSのドローン宅配実験
参照動画:https://youtu.be/xx9_6OyjJrQ


アマゾンが取得した特許案


goPuff
参照動画:https://youtu.be/H0ao4VYlxdI



参照動画:https://youtu.be/a5Q2W0r5e-s


著者:オフィス J.K. 代表  ジェイ 広山

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー(季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~)
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート(年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

お問い合わせ
当コンテンツに関するお問合せは
こちらのフォームからお願いします。

お問い合わせフォームはこちら