CGC共配センター取引先の流通BMS導入事例
流通BMS News No.9
財団法人流通システム開発センター 研究開発部が発行する「流通BMS News」のNo.9にて、株式会社 ママダ商店様(本社:東京都、代表取締役 儘田 秀治 様)における流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)の対応事例が掲載されました。
同社は、ユーザックシステムの「EOS名人」によって「流通BMS」に対応しておられます。
同社の取組みを、ぜひご一読ください。
前文
本メールニュースの第4号(4/25 付)で既報のとおり、CGCジャパンでは関東地区の共配センターに納入する約200社の取引先との間で流通BMSの導入を進めています。
CGCの共配センターは、加盟店の業務負荷を軽減するために、本部が物流と決済をまとめているものです。関東地区以外の共配センターは、各地域本部等が運営していますが、関東地区の6センターはCGCジャパンが運営しています。
共配センターを利用する取引先は日配品メーカーが中心です。大手卸に集約されているドライグロサリーと比べると、日配品は取引先数が多いので、CGCジャパンの業務負荷も大きく、その効率化が課題となっていました。
今回のEDI化によって、従来は受発注のみであったオンラインデータ交換が、出荷、受領、支払の各業務に広がることになり、業務の効率化と取引精度向上の実現が期待されています。さらに、加盟店共通の取引先であるこれらのメーカーの流通BMS対応を本部が率先して推進することにより、加盟店の流通BMS対応を支援することも期待されています。
流通BMSへの切り替えは、8月下旬の神奈川センターからスタートし、千葉(9月中旬)、北関東、茨城(いずれも10月下旬予定)、群馬、山形(いずれも11月下旬予定)の順番で、発注、出荷、受領データの交換が稼動し、全センター稼動後、支払データの交換を予定しています(請求レス)。
取引先のシステム切り替えは、千葉センターの稼動によってすでに100社近くに達していますが、その約9割はクライアント型システムによるもので、下記5社のパッケージソフトが多く利用されています。
イシダ、インテック、キヤノンIT ソリューションズ、ユーザックシステム、リテイルサイエンス
今回は、上記ソフトベンダーの紹介により、導入済み日配品メーカー2社の事例を紹介します。
ママダ商店の流通BMS導入事例 〜個別対応の解消に大きな期待〜
(株)ママダ商店は、1951 年(昭和26 年)に東京都江戸川区で創業したこんにゃく製品のメーカーです。1969 年(同44 年)に同区内に新工場を建設して本社を移転。以来、スーパーを中心に販路を広げてきました(年商は約18 億円)。
オンラインデータ交換は約20 年前からメイン取引先の大手スーパーの要請で導入し、現在では十数社とJCA 手順によるEOS 取引を行っていますが、最近ではWeb-EDI の要請も増えており、個別対応の増加に頭を痛めています。
その点で、CGCグループの取り組みをきっかけに流通BMS が増えることを期待している、同社システム管理・品質管理統括部の儘田 一彦部長にインタビューしました。
儘田部長インタビュー
「新規取引先でも設定の変更だけで済む…これは助かります」
―JCA手順でEOSに取り組まれてきましたが、流通BMSになるとどこが変わりますか。
【儘田】
20年前にメイン取引先の大手スーパーから「配送センターを作ったので、EOS化して下さい」ということで、JCA手順を始めました。現在は15、16社とJCA手順でEOS取引しています。
ただJCA手順の場合は、通信プロトコルが決まっているだけで、項目の並びがバラバラです。ある程度は決まっているのですが、それ以降は自由使用です。自由使用の部分で同じ項目を使っていても位置が違うとファイルレイアウト構成が違うので、違うプログラムになり、開発と修正に費用がかかります。
その点、流通BMSの場合はファイルレイアウトが決まっているので、使いやすいです。当社としても今後を考えるとありがたい点です。

(株)ママダ商店 システム管理・品質管理統括部長 儘田 一彦 氏
―プログラムの修正はどのような場合に発生するのですか。
【儘田】
大手スーパーは吸収合併を繰り返してきましたが、新たなグループ会社を物流センターに入れるためにはこういうラベルが必要ということで、新たなラベルを打ち出すための専用プリンターとプログラムを開発したりします。
また、今までは店別・商品別に発注データが出ていたのが、センター納入単位の一括発注になったりします。その場合、伝票はセンター宛に1枚でも、店別の明細はラベルデータとして送られてきます。
当社はそれをラベルに打ち出して梱包に貼ればいいわけですが、当社の営業が先方のバイヤーと商談する際には店別のデータが欲しいので、ラベルデータに対応したプログラムを開発することもあります。
EOSからEDIに移行する場合は、発注は同じレイアウトで来るのですが、出荷データも似たようなレイアウトで欲しいという要求がきます。そうなると、出荷データを作
るプログラムが必要となってきます。
このように一度取り組みを始めた既存の取引先の場合も修正が発生しています。かつ、修正すると不具合が出てきたりしてファイルレイアウトの変更を余儀なくされたりします。新しいことをやるにあたってどれだけの費用がかかるかとか、スーパー側がやりたいことと当社がやりたいことのタイミングが合うか合わないか、等を考えると今までのやり方では問題があるように思えます。
―今回、CGCジャパンとの取引で流通BMS を導入されたわけですが、今まで感じておられた問題点の解決になりますか。
【儘田】
まず、個別対応が要らなくなります。実際当社ではユーザックシステムのパッケージソフト「EOS名人」を使って基幹システムとつなげています。パッケージソフトはプロトコル(送受信の制御)だけでなく、送受信の画面も付いています。その分はパッケージで買えばそのまま対応できることになります。また、CSVで出力し、基幹業務とデータ連携することも出来ます。
基幹業務に持っていくと、今までのシステムのまま使えます。CSVに落としさえすれば、基幹業務で動いている実績表・売上表・請求残高管理などは、今までの取引先に対しても一から作らずにデータを移せばいいだけです。
今後、他のスーパーから流通BMSでやりたいと言われたときに、パッケージソフトで設定を変え、CSVで落とす際の項目の並びに気をつければ、簡単に対応できます。今までのシステムですと、変更があった場合は外部のソフト会社に頼んで専用のプログラムを作らなければなりませんでした。費用もかかります。流通BMSの場合は、パッケージソフトの設定変更とデータの検証にかかる人件費(1日〜2日分)で済みます。その点は大いに期待しています。
中堅クラス以下(店舗数10〜15店舗)のスーパーさんと新規取引する場合、先方は安く仕入れたいために卸を通したがらないので、発注は電話になってしまいます。しかし、流通BMSですと当方の経費はほとんどかかりませんので、先方にお願いしやすいです。
― 近頃増えているWeb-EDIと比較すると如何ですか。
【儘田】
Web-EDI の要請は増えていますね。
Web-EDI で一番困っているのは、手作業が発生するということです。データのつながりがありませんからデータは手入力です。Web-EDIをしているところはCSV 出力機能をつけないところが多いです。画面をPDF にして出力することはできますので、それを見て修正したり、出荷データを送り返したりします。基幹業務に入れるには、それを見ながら手入力作業となりますので、FAX が来たのと同じです。
最近、EOSからEDIに切り替えたいと要請してきた小売業がありますが、選択肢として、Web-EDIにするか、JCAのままでファイルレイアウトを変えるかという方法を提示されています。Web-EDIでしたら、当社からするとフォーマットを変える必要はありませんが、手入力しなければなりません。手入力するとミスが起こりやすくなります。相手側の支払予定額と当社の請求金額に差異が発生するようであれば、EDI化の意味がありません。一方、JCAはデータが直接扱えるからそっちが良いかというと、レイアウト変更の見積を出してもらうと100万〜200万円となってしまいます。
そういうことを考えますと、データがちゃんと取り込める流通BMSのパッケージソフトを使った次世代EDIにかなり期待しています。CSVでも何でも、取れたり流せたりできるのと、レイアウトが変わらないという点は最大の利点です。レイアウトが変わらなければ基本ソフトを変える必要がありませんから。
―今回のCGCグループとの取り組みによって、業務はどのように変わりましたか。
【儘田】
締め時間や納品リードタイムなどは変わらないのですが、電話をかけていた頃と比べると受注完了までの時間が15分から5分になりました。この10分の差がものすごく大きいのです。
13時からデータを取得して、15時には積み終わらなければなりません。センターの納品時刻は18時や19時ですが、CGCの場合は全てのセンターから発注が来ますので、運送会社は一番遠いセンターに間に合うように出発しています。この2時間の中の10分ですので、大きいのです。10分もあれば在庫確認ができます。慌てると検品を怠ったりしがちですが、余裕ができました。13時から17時の間は発注が一番集中する時間帯です。CGCだけでなく他の小売業からの発注もありますから。
―ペーパーレスについては如何ですか。
【儘田】
今までは受注受信だけでしたが、出荷伝票はありませんでした。当社はピッキングリストだけ打ち出してセンターで検品してもらえれば、CGC側が伝票を出してくれていました。
今度は先方から入荷確定を経た受領データがきますので、伝票レスになります。今までは受領データを紙でいただいていました。ハンコ付いて「はい、受領しました」と。ですから、CGCにとってもペーパーレスになりますし、当社側もペーパーレスになります。
ちゃんと納品されたことが確認されれば、これからは請求書も要らなくなります。今は請求して、支払予定データを紙でいただいていますが、それもなくなります。そういう意味では便利です。
先方からいただいたたデータをみて「うちのと合ってる」と確認して、もし差異があれば電話で問い合わせることになります。
―本日はどうもありがとうございました。
(聞き手:研究開発部長 坂本 尚登)

※2008年10月3日発行の「流通BMS News No.9」に掲載された記事を一部転載させていただきました。
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