【導入事例】ミルシートのダウンロード作業をRPAで自動化

 

鋼材メーカーが発行する鋼材の品質を証明する書類にミルシートと呼ばれるものがあります。ミルシートとは、工場などを表す「mill(ミル)」という単語と、書類を意味する「Sheet(シート)」を組み合わせた和製英語で、鋼材メーカーによっては「検査証明書」や「鋼材検査証明書」などと呼ばれています。

このミルシートは、鋼材メーカーが運営するWebサイトからPDFファイルでダウンロードすることができます。一方、鋼材を加工し納品したお客様からはミルシートの提供を求められる場合があり、その際はダウンロードしたファイルから該当するミルシートを検索し、メールやFAXで提供する必要があります。

磨棒鋼メーカーのA社様も、これら一連の業務をおこなうにあたり、課題を感じておられました。それは、一体どのようなものだったのでしょうか。

課題

「仕入先である鉄鋼メーカーB社のミルシート(PDFファイル)は、多い時で一日に30件ほどダウンロードする必要があり、まずダウンロード作業そのものに非常に時間がかかっていました。また、ダウンロードしたファイルをサーバーに保存する際は、後々検索しやすいように、年度や鋼種、規格などで細かくフォルダを分けて管理する必要がありました。加えて、B社以外のメーカーからはFAXでミルシートが送信されますので、これらをイメージスキャナで読み取り、同じくサーバーに保存する必要がありました。さらに、本社や支店からの要請にもとづいて、特定のミルシートを検索・印刷・FAX送信する業務も一日に2030件ありました。システムの導入前、これらの作業に事務員一名が毎月3日ほど費やしていたようです。また、各ミルシートにはダウンロードの有効期限が設定されています。有効期限を超えるとダウンロードをすることができません。以前、うっかりダウンロードをし忘れたため、ミルシートがダウンロードできなくなったことがあります。やむを得ず、鉄鋼メーカーに再発行をお願いしたのですが、今回のシステム化によって、このようなミスも防ぐことができればと考えました。」と担当者は語ります。

 

解決策

これらの課題を解決するため、A社様ではユーザックシステムのRPAツールを導入。鉄鋼メーカーB社のWebサイトからミルシートをダウンロードし、サーバーに保存するまでの一連の作業を自動化しました。

担当の方は、
「システム化を機に、ミルシートの検索方法も全面的に見直しました。今までは年度や鋼種、規格などで細かくフォルダを分けることによって該当するミルシートを『目で』探していました。そして、今回のシステム化によって『誰でも・簡単に』検索できるように工夫しました。すなわち、ミルシートをダウンロードする際に、ファイル名にオーダーNo.や行番号など検索時のキーワードとなる要素を盛り込んで、自動的に保存する仕組みに変更したのです。これなら、誰でも『フォルダ検索』でミルシートを検索できます。また、現場の担当者向けに検索マニュアルも作成しました。これらの工夫により、ミルシートのダウンロード作業が大幅に効率化されたほか、検索性も非常に向上しました。」と語ってくれました。

まとめ

ミルシートは重要な書類であるため、必ずダウンロードしておく必要があります。RPAツールの導入により、A社様ではもれなくダウンロードできる仕組みが整えられたほか、ダウンロード後に保管・検索する手間も大幅に効率化でき、全社の業務生産性が大幅に向上しています。

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