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実際、お客様にお話を伺ってみると、「なるほど、こんな使い方があったのか!」というような用途であった。
そのお客様は、Webサイトに登録されている情報の検索・抽出を代行するというビジネスも展開されいることから、複数のサイトを何百回もアクセスする必要があり、業務上の大きな負担となっていた。それをWebEDI受信名人」で自動化しようとしていたのである。

「とても新鮮なお話でした。お客様のアイデアに脱帽すると同時に、『WebEDI受信名人』の潜在能力の高さに驚いたことを覚えています」と東條は語る。
予想外のお客様からの依頼ではあったが、その後の商談はとんとん拍子に進み、システムも無事導入されて、お客様にも大いに満足いただける業務の自動化を実現したのである。
それから半年後・・・。
東條に再び連絡が入った。さらに追加の要望があるので知恵を貸してほしいとのことだ。
再びお客様を訪問した東條はがく然とした。前回と異なり、各サイトの認証の仕組みが高度化しているため、前回と同様のしくみでは自動化できないのは明白だった。
帰社して報告すると、マネージャの大槻も「今の(「WebEDI受信名人」の)機能だけじゃ難しいかもしれないな…」と浮かない顔をした。だからといって、このまま引き下がるわけにはいかない。何とかこの案件をまとめ上げるためにと、東條は社内調整に駆け回ったのである。

東日本システムサポート部のSE、榎木博敏にも相談したが、「技術的にかなり難しそうだね・・・」と思案顔。お客様の立場を考えればあまりリスクが高い要件は避けたいところだ。
通常この辺りでこの商談は消えてしまうはずだが、それでは悔しい。このソフトを開発したソフトウェア研究所の本岡勇一にも技術的な打診を行ったことから突破口が生まれた。「技術的には可能です。しかしかなり難しい内容ですので、『WebEDI受信名人』の機能とうまく組み合わせて考えてみましょう。」本岡は、東條の強い熱意に答えてやろうと思った。
ただ、お客様への回答は慎重にならざるを得ない。「できます」と言い切って、納期に間に合わなければ大問題だ。今まで築き上げてきた信用が一気に失墜してしまう可能性だってある。
あとはスケジュールとの競争になった。
お客様の業務の関係からも納期だけは絶対に死守しなければならない。社内で設定した契約のデッドラインが日々近づいてくる。その日が過ぎればこの商談は消えてなくなってしまう。

研究所は全力を挙げて対応に当っているが、プログラムをゼロからつくるにはどうしても時間がかかる。
デッドラインを3日後に控えて、大槻や東條たちは、この商談の行方を決めるミーティングを開いた。結論は「ゴー」。社内調整に時間をかけ、技術的な確認も十分に行っていたことから、メンバーの誰もが成功を疑っていなかった。皆、前向きになっていたのである。デットライン当日、東條はメンバーたちの後押しを受けて、お客様のオフィスに走った。「できます。ぜひ、やらせてください!」。
受注の連絡を受けて、ソフトウェア研究所は色めき立ち、開発をさらに加速させた。結果、プログラムの開発は前倒しで完了し、スケジュール通りに製品は納品された。システム営業陣の熱い思いが、技術陣にも伝わったのである。
納品後、お客様に感謝とねぎらいの言葉をかけられて、東條もまた心の中でメンバー全員に感謝した。「みんな、ありがとう!」。
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