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事実を直視しつつ真実を見定める

モチベーションアップのお話 第77話
                     今週の倫理535号より
 企業コンサルタントの松浦氏は、人と会うことが仕事の大
半を占めます。今でこそ人並のコンサルタントになったもの
の、かつては若気の至りで数知れぬ失敗を重ね、その都
度多くの方々に導かれ、育てていただいたのです。そんな
松浦氏にとり、忘れたくとも忘れられない人物にK氏がい
ます。
 K氏は北陸の小さな町で、生鮮食品を中心とした店を経
営していました。見るからに人の良さそうな好人物で、周
囲の人間が無理難題を持ちかけても、一切それに逆らわ
ず、いつもニコニコしているのです。
 松浦氏も時々、担当地域の会員増強が思うように進ま
ないと、厳しい声で「Kさん、申し訳ないが、一人で百名
程度増強してください」と声を掛けます、するとK氏は、間
髪入れずに「ハイ」と返事をするのです。 普通であれば、
「自分だって仕事をしている身です。そんな時間も金もあ
りません」と反論してもおかしくないのですが、ものの見
事な受けっぷりなのです。
 ただしK氏の最大の欠点は、受けても実行に移したた
めしがないことでした。周囲は、そんな氏の性格を知っ
ていたため、どこか見下すような思いで接していたよう
です。若い松浦氏も、K氏は返事ばかりで頼りにならな
い人物であると思うようになっていきました。
 ある雪の舞う冬のこと。松浦氏は仕事を終え、宿への
戻り道で、小さな川に架かる橋を渡っていました。なにげ
なく川面に目を向けた時に、飛び込んできたものがあり
ます。雪の舞う川の中に膝まで浸かり、一所懸命に洗い
物をしている人がいます。こんな凍えるような中で、いっ
たい何をしているのだろうと目を凝らすと、なんとそれは
K氏その人だったのです。
思わず松浦氏は、大きな声で「Kさん!」と呼びかけまし
た。K氏は悪戯っ子が悪戯を見られたように、チョコンと
頭を下げるだけでした。
 松浦氏はK氏のことが心にかかり、周囲に何気なく氏の
ことを尋ねてみました。K氏の母親は数年前に倒れ、全身
マヒで寝たきりの生活。下のほうの世話を嫁であるK氏の
妻がやろうとすると、「私は嫁の世話にはならん」と拒むた
め、長男であるK氏がその世話をしている。洗い物がたま
ると、シーツやオシメの下洗いのために、川の中で洗濯を
しているとのことでした。
 松浦氏は一瞬、頭を殴られたような感覚にとらわれまし
た。〈自分はどれだけK氏のことが分かっていただろう。表
面だけを見て、あの人物はこうだ、ああだと決めつけてい
た〉と、浅薄な自分を恥じたのです。
 世の中には「事実」と「真実」があります。事実は実際に
起きた事柄で、あの時あなたはこう言った、ああ動いたなど、
確かに間違いはないことです。しかし必ずしも事実が真実
ではないことを、私たちは心せねばなりません。事実の奥
に隠された部分に、本当のものが潜んでいることがありま
す。その真実を突きつめる作業が、経営者には不可欠なの
です。 人の痛みや悲しみを共有できる感覚を磨くためにも、
相手の立場に立ってものを考え、行動することを銘肝したい
ものです。

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自己紹介

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所属:USAC SYSTEM Co.,Ltd.
役職:SI事業部 部長
誕生:昭和37年
        天秤座 B型
育ち:大阪 十三出身
現在:奈良県大和高田市
特技:剣道初段
        アマチュアボクシング
        フルマラソン4:30の体力
座右の銘:我以外皆我師
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経歴:
若い時代はセブンイレブンと呼ばれていました。
倫理法人会会員
週一回早起き実践中

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