『人より自分』または『自分より人』これぞ繁栄の別れ道
建築業を営むK社長。約八年もの間、近所に住む身寄りのない一人のおばあさんのお世話を、親身になって続けています。
「自分にとっては赤の他人だけれど、困った姿を見て放ってはおけません。最近、入院したんですが、病院へ寄るととっても喜んでくれるんです。その笑顔を見ると自分もまた嬉しくなって…。最近はおばあちゃんが自分の母親のようにさえ思えてきます」とニコニコとした顔で語ってくれました。
K社長はこのおばあさん以外にも、何人かのお年寄りの世話をあわせてやっている他、知り合いの相談には親身になって乗ってあげています。このように長年にわたって積善に努めてきたK社長。そのもとには次々と仕事の注文が舞い込んできます。
「喜んで人のお世話をしていれば、景気・不景気に関係なく仕事が順調に進むものですね」と言い切るその言葉に、実践に裏打ちされた信念を感じずにはいられません。
自然界も人間界も「入ったものは出る。出たものは入る。取れば取られる。与えれば与えられる」という発顕(はっけん)還元の理、吸引放射の法則で成り立っています。
<積善の家には必ず余慶あり、積不善の家には必ず余殃(よおう)あり>『易経』
<善行を積み重ねた家には必ず子孫にまで及ぶ幸福がその報いとしてやってくるが、逆に悪いこと、道徳に外れたことを積み重ねれば、その家には報いとして災いが降りかかってくる>
これらはまさに、世の理にかなった言葉といえるでしょう。
ただし、私たちは自分がかわいいものですから、どうしても自分のことしか考えない方向に流れがちです。しかも人のために働くには、自分の貴重な時間や労力(時にはお金)を犠牲にしなくてはなりません。「そんなことに費やすよりは…」と、もったいない気持ちが生じて、人よりまず自分を優先してしまうのです。
しかし考えてみれば、私たちは自分一人だけで生きているわけではありません。会社では社員、取引先、銀行関係そしてお客様の存在があります。また家に帰れば、もちろん家族がいるでしょう。このように身近な人々をはじめ、多くの人や物、また自然の恵みによって生かされ、支えられているのです。
そうした事実を忘れ、すべて自分中心の生活に陥り、周囲に求めることばかりに走ってしまえば、いずれ周囲から見放されてしまうのは当然の成り行きではないでしょうか。
人生はよく「ギブ・アンド・テイク」であるといわれます。時々「私には与えるものなんかありません」という人を目にしますが、決してそのようなことはありません。与えるものは有形・無形、バラエティーに富んでいるからこそいいのです。
K社長にしても、おばあさんにお金を渡したわけではないのです。ただ「おばあちゃん、元気そうで安心したよ」という、元気な声と笑顔のプレゼントをしたに過ぎません。能力のある人は能力を、物知りな人は知識を、誠実な人は誠実さを、明るい人は笑顔を…自分の持っている何でもいいのです。
「社会に貢献したい。世の中に何かを差し上げたい」と、与えて与えて与えまくることが大好きな人こそ、不安でいっぱいの現状を打破し、繁栄を勝ち得る人となれるのです。
今週の倫理より
与えて与えて与えまくる・・・なかなかできませんが 目指して貢献していこう!!

