物流システム導入の目的で、最も多いものとして「コストダウン」があります。湯浅和夫氏の著書「『物流管理』の常識・非常識」(PHP研究所)によると、物流コスト削減のスタートは、「何の費用を減らすのか」という目的を明確にすることが大切だという。単に効率化だけを追求するのではなく、具体的に物流コストのどの部分にメスを入れるかをプロジェクトで共有化しなければなりません。
ユーザックシステムはおもに受注から出荷までのシステム開発を通して、物流現場の方と一緒になって業務改善をおこなっています。いつも感じるのは、物流現場にはちょっとしたアイデアで大きな成果を生む業務改善が数多く見られるということです。
その中でも、ある業務をなくすことで年間1000万円ものコストダウンに成功した現場改善の事例をご紹介しましょう。

受注業務から出荷業務までを担当するA社工場の物流課。これまでにハンディターミナルを活用したバーコード検品で誤出荷の削減に成功してきました。つねに現場改善に取り組む物流課では、新たな改善テーマとして「送り状発行業務」に着目されたのです。
配送業務を運送会社にお願いしているA社では、お届け先を識別する送り状と荷札の発行が不可欠となります。送り状と荷札は形状が異なることから、別々のプリンタで発行する。それらを一つにし、荷物と照合する「セット作業」に、なんと月間160時間もかかっていたというのです。特に誤出荷を防ぐための照合作業はベテラン社員でも気を遣う作業とのこと。
そこで、主要な運送会社の送り状発行を止め、時間がかかりミスが発生しやすい「セット作業」をなくすことを考えたのです。つまりA社では荷札だけを出荷商品(梱包)に貼付し、送り状に必要なデータはあらかじめ運送会社にEDIで送信しておくというシステム。運送会社も、集荷トラックが戻る前にターミナルから各方面への出荷量を把握できるというメリットがあり、この提案を受け入れてくれました。
送り状レスの仕組みは各運送会社でも提供されていますが、専用システムとなるため、別々に導入する必要があります。また、基幹システムとの連携や現場にあったシステム変更などができないという問題点もあります。
そこで、A社が送り状レスに取り組む際に、複数の運送会社に対応し、また送り状発行もできる「送り状名人 運送EDI対応」を選択していただきました。
「送り状名人 運送EDI対応」は、各運送会社が指定するレイアウトの荷札(シール状のラベル)が発行でき、運送会社とのEDI機能も備える。割り振られた送り状番号も自社管理できるため、基幹システムとの連携のほか、各運送会社の荷物の問い合わせサイトとの連携も可能となります。
こうして実現した「送り状レス」による業務改善は、従来8人いたデリバリー担当者が7人となり、年間1,000万円のコスト削減を達成することができたのです。さらに、未経験者でも作業ができる点や配送状況の照会システムにより顧客サービス向上につながった点も、大きな効果となって現れました。
業務改善の教科書には、「まずその業務をなくすことを考える」とあります。まさに、無駄な業務をなくすことに成功し、大きな成果が得られた事例ではないでしょうか。
この事例はこちらに詳しく掲載されていますので、ぜひご覧ください。
http://www.usknet.com/jirei/ishihara/index.htm
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